テラーノベル
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▽Side Chuya
本当に、不味いことになった。彼奴が家出をしてから2週間。そろそろ此方から連絡を寄越したほうが良いのだろうか。指で携帯の画面をつつきながら、「太宰」と書かれた連絡先の画面を表示させる。それにしても、なんと言うべきか。帰ってこい?酷いこと言ってごめんなさい?そもそも彼奴が本気になるような喧嘩をしたことがないから分からない。普段からくだらないことで喧嘩して、蟹だとかお菓子の新作とかで気づけば普段通りに戻っていることがほとんどだったから、今更ぴっちりとした謝罪文なんて癪だし、性に合わない。何度か、「美味い蟹があるから帰ってこい」や、「酷いことを言ってすまない」と言ったようなメッセージを並べてみたが、どれも送信を押すに至らなかった。若しかしたら、明日にはぴょこっと帰ってくるかもしれない。そんな思いでいると、更に5日が経過していた。おかしい。敵の襲撃か?いや、彼奴がそう軽々と死ぬとも思えないし、そんな事があれば首領が何かしら言及なさるはずだ。矢っ張り家出だという確信がじわじわと昇る中で、時間だからと逃げるように外套を羽織り、帽子をかぶってポートマフィア本部へ向かった。
痛い。てっきり派手な仕事はなく、書類仕事だけだと思っていたら、敵襲に遭い、深めの傷を負った。何処の組織だが覚えちゃいねぇが、半端な連中がうちの首領の首を狙おうと、銃やらナイフやら、半端な武器を構えてビルの真正面から奇襲してきた。普段ならあんな単純な奴らに手こずるような事はないが、敵の組織に一人だけ冴えた奴がいて、振りかざした刀が首領の首を掠めそうになった。重力操作を使うまもなく飛び出たら、肩に思いっきり綺麗な斬撃を浴びせられたというわけだ。
「当たってもかすり傷だったんだから、中也くんは庇ってくれなくても良かったんだよ?」
首領はそう仰ったが、首領の顔に傷でもつけば、マフィアの面子が立たない。
まだギシギシと痛む肩で鍵を刺し、家の扉を開けた。家に入り、ソファに座り込む。前にも似たような事があったと思う。俺が派手な怪我を負った時、彼奴が、太宰が、寄ってきて長々と、自分のことを大切にしろと説教しながら、器用に俺の包帯を取り替えたりしていた。あのときの傷は腹だったと思う。
「森さんのことはどうでも良いから、君は自分のことを守り給えよ」
なんて言うものだから、喧嘩になったっけ。急に彼奴の、無責任な発言と、声が懐かしくなって、矢っ張り連絡しようと思った。携帯を開いて、メッセージを打ち込むと若干震える手で送信を押した。
『太宰。今から電話できるか。』
異常なほど早く既読がつき、此方がかける前に電話の呼び出し音が響いた。
一瞬ためらった後、「応答」の釦を押す。
ピッという音が鳴り、電話が繋がった。
ここで四話目終了です🥰次回も中也視点で、次回完結となっております!!毎度毎度いいねとコメント、有難うございます♡
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コメント
3件

わぁぁぁ!!!もう中也可愛い尊い、、!!!!!もうなんかしんどい、、次回完結との事なのでワックワクで待機させて頂きます!!!太宰どー動くんだ、、!?
おお、中也視点の第4話、読んだよ!太宰が家出してからの2週間、謝罪文を何度も考えては送れずにいる中也の不器用な感じがすごく伝わってきた。怪我した時に「太宰ならなんて言うかな」って思い出してるシーン、グッときたな…。最後の電話の着信音で終わるのも、次回が気になりすぎる!!完結話とのこと、楽しみにしてる🔥