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恋している人ならわかるだろう。好きな人から連絡が来たらドキドキしちゃうって。
『今日の夜空いてる?』
まさかDDからこんな連絡が来るなんて。この時の俺はまだ心臓が跳ねていた。
『空いてるよー』
そう軽く返信した後、DDから送られてきたのは、
『急でごめん。俺の友達が合コンやるらしいんだけど、後二人足りないらしくて。一緒に来てくんね?』
まさかの、合コンの穴埋めだった。せっかく二人きりで遊べると思ったのに。さっきまで熱くなっていた体は急に冷めていった。本当は行きたくなかったが、DDがいるし、ここで断ってDDが彼女作ってくるのも嫌だったため、行くことにした。
会場に着いて後悔した。やっぱ行かなきゃよかったと。案の定、DDは女子から人気だった。あいつみんなに対して愛想いいからな。そんなことを考えながら目の前に置いてあるグラスを手に取る。普段お酒は飲まないが、みんなに合わせるため仕方なく飲む。明日の朝頭痛くなってないといいなー。そうして一口、また一口と飲む。俺が一人小さくなってる隣でDDは女子と楽しそうに会話していた。「趣味はなんですか?」とか「好きなタイプは?」とか。そんな質問に対してDDはいつもの笑顔で答える。
(こいつのこと、俺が1番知ってんのに)
やっぱ来なきゃよかったと何回も思う。嫉妬で気持ちがごちゃごちゃになった。別にDDと付き合ってる訳でもないのに、こんなに独占欲のある自分にイライラする。
合コンも進み、俺は少しやけ気味酒気味になってきた。意識がだんだんぼんやりしてきて、眠くなってきた。
「…うみにゃ大丈夫か?」
DDがそう俺に言ってきた。少し心配そうに見てくる。
「顔真っ赤だぞ。飲み過ぎ。」
そう言って、DDは俺に水を渡してくる。DDと話してた女の子たちも「大丈夫ー?」と軽く言ってくる。
「こいつ普段あんまり飲まないのに…」
その言葉に、内心、俺は少し嬉しくなった。俺のことちゃんと見てくれてんだなって。俺はついDDの服を引っ張った。自分でも何でこんなことしたんだろうって思う。でも心配そうに俺を見てくるDDが愛おしくて。
「うみにゃそろそろ帰ろ。家まで送る。」
俺に気を遣ってDDが言ってきてくれた。でもそんな中女子達は、
「えー、DDくん二次会来ないのー?」
俺の方をチラチラ見ながら言ってくる。DD優しいし、断れないよな。酔ってるせいか、急に泣きそうになる。俺の方がこいつのこと好きになったの早いんだぞ!って叫びたくなる。けど、そんなこと言える筈ない。DDは少し困っていた。女子達がしつこく構ってくる。俺はあの女子達からすれば邪魔者なのだろう。俺はとうとう我慢出来ず、DDの背中にしがみつきぶつぶつと周りに聞こえないよう言った。
「俺の方がDDのこと大好きなのにぃー」
DDの顔が一瞬で赤く染まった。多分俺もDDみたいに赤くなってんだろうな。
「ごめん、悪いけど抜けるわ。こいつ1人にすんの心配だし」
DDはそう言って俺の体を支えながら会場を後にした。外は夜風が心地よく吹き抜けていたた。しばらくするとDDが口を開いて言ってくる。
「お前、しばらく酒飲むな」
DDの顔は少し赤く染まっている。酒のせいなのかはわからい。可愛いなとか思いつつ、俺は小さく頷く。多分もう酔いなんてとっくに覚めてんだろうな。でも、この胸の熱はまだ冷めていなかった。