今度会ったら、
久しぶりに最初に話します主です。
引っ越しにかかる手続きとか全くレベルで分からないので、そこら辺は全て飛ばしていきなり引っ越すシーンから始まります。
それでは、次から本編です↓↓↓
物件を決めてから暫く経ち、引っ越し当日。レイナは少し大きめのキャリーケースを手に、リュクサックを背負って今まで住んでいた家の前に立っていた。
「引越しおめでとう。レイナ」
玄関前にはナギがいる。
「うん。ありがとう」
「なんかあったら連絡して」
「わかった」
ナギは、レイナの持っている荷物を見て心配そうに言った。
「荷物それだけ?部屋には家具とかもなかったし、引っ越し業者とかも来なかった気がするけど…」
「あぁ、家具類は全部異空間に入れてるよ。あっちの家に着いたら設置してくつもり」
「そうなんだ。魔力とか大丈夫なの?それ」
「ヒタさんに魔力消費量を少なく出来る方法教えて貰ってるから」
「凄いね」
「慣れれば楽だよ」
「そうなんだ」
このままでは一生話が終わらない気がしたレイナは、話を切り上げた。
「それじゃ。数ヶ月間ありがとね。ナギ」
「どういたしまして」
「じゃ、あとはバスで行くだけだし。着いたらまた連絡するね」
「うん。バイバイ」
「またね」
そう言ってレイナは手を振りながらその場を離れた。そのままバス停に向かい、バスが来るのを待つ。
「もうちょっと一緒にいても良かったんじゃない?レイナ」
ポケットから声がする。
ポケットに入っているスマホを取り出すと、画面にウミが映っていた。
「大丈夫でしょ。いつでも会えるんだし」
「今朝引っ越しが決まったことを言って、それから別れの挨拶は玄関前のあの少ない会話だけ。冷たいねぇ」
「普通でしょ」
「なんかもう少し、寂しいとか、今まで楽しかったとか、そういうのは無いわけ?」
「…ないんじゃないかな?」
レイナ自身、今自分が何を思っているのかが分かっていなかった。寂しいと言えば寂しいし、寂しくないと言えば寂しくない。そんな感じがする。
「あ、バスきた」
ウミがそう言うと、レイナはスマホをポケットにしまった。しまう直前、ウミが何か言っていた気がしたが無視する。
バスに乗り込むと、中は思ったより空いていた。何となく奥の席に座る。
レイナはもう一度ポケットからスマホを取り出した。
「も〜。いきなりしまわないでよ。びっくりした」
「そっか」
「そっかって、冷たいなぁ」
「ウザ…」
「なんか言った?」
「何も」
バスの外を見ると、景色が少しゆっくり後ろへと流れていく。
「人間界ではもうすぐ9月か。気温が変わんないから実感がわかないや」
「ウミは、人間界に行ったりしてるの?」
「時々」
「ふーん」
自分から訊いたくせに、さして興味のなさそうなレイナにウミはあることを考えた。
「そういえば、レイナはここに来る前に仕えていた貴族が、どうなったか知りたい?」
「っ」
レイナが少し動揺したのを見て、ウミは続ける。
「実はね、レイナみたいな『能力者』を逃がした罪で、レイナを連れて遠出をした人は牢屋、それ以外は貴族の座を剥奪されたんだよ。んで、今レイナは捜索中だけど、もう死んだもの扱いなんだ。ざまぁだよね」
「…そうだね」
ウミの話したことに、レイナの口角は少し上がっていた。レイナはその事に気付き、慌てて表情を戻す。
「にしても、あっちはヒトに関する事が厳しすぎだよね。一人逃がしただけで、1人は牢屋。それ以外は立場剥奪だなんて」
「…」
スッキリした気持ちを隠そうとしているレイナに構わず、ウミは話し続ける。
「隠さなくていいんだよ。ボクだってスッキリしてるし。あの家にかわれたあとは、本当に鑑賞物としか扱われなかったからね。レイナがいなきゃ、気が狂ってたよ」
ウミの文句はまだ続く。
「それに、買った本人が死んだ後はボクは外に投げられてレイナは使用人以下の扱い。いくら夫や父親が自分達には興味が無くて、別の女の子にばっかり構ってたからっていって、あの扱いはないよ」
ウミの話に、レイナも記憶があるところまで思い出す。たまにほかの使用人が話している事しか知らないが、確か、こんな感じだった気がする。
館の主人と夫人は、政略結婚で、奥様の方が一方的に主人のことを好いていた。そんな中生まれた娘は、父親に愛されることも無く育った。 そんな中、主人はレイナとウミを買った。主人はレイナを鑑賞物として溺愛し、ぬいぐるみのように扱った。自分達は愛されなかったのに、いきなり来たレイナが大切にされたのが気に入らなかったのだろう。だが、夫人と娘は主人に嫌われたくは無いため、レイナに何かをすることは出来ない。そんな中、主人が病気で死去した。その後は、主人に大切に扱われてたウミとレイナは、夫人と娘によりウミは捨てられレイナは使用人となった。
確かこんな感じだった気がする。今思えば、夫人も娘も被害者のように思えるが、レイナはもうこの貴族に思うことはなかった。
「あれは主人が悪い」
「すっごい完結に言ったね」
主人にも何か事情があったのかもしれないが、そんな事知らない身としては主人が全般的に悪いように思える。
「まぁ、ボクもそう思うけど」
そんな話をしているうちに、目的のバス停に着いた。
はい。文字数を見て前回との差に驚いています。
なんかもう無理やり本編に関係あるっぽくしちまえと思った結果、こうなりましたm(_ _)m
それでは、ここまで読んで頂きありがとうございましたヾ( ˙꒳˙ )
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!