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今度会ったら、
バス停から数分で目的地に辿り着いた。
見た目はシンプルモダンの、5階建て位で、オートロック。しかも駅近だ。普通は値段はかなり高いはずだが、部屋が訳ありの為普通より安く借りることが出来た。
「部屋は何階だったっけ?」
エレベーターに乗り込むと、スマホ画面に映っているウミが言う。
「3階の305号室」
そう言うとレイナは3と書かれたボタンを押した。ボタンが光り、エレベーターが上に動き出す。
少し待つと、エレベーターが止まり、ドアが開いた。
エレベーターから出て、部屋番号を見ながら進む。
「ここか」
レイナが止まった扉には、『305』と書かれていた。
ガチャ
鍵で扉を開けて中に入る。部屋は1回内見に来た時何も変わっていなく、少し小さめの玄関が迎えた。
「お邪魔しまーす」
ウミが能天気な声で言う。
靴を脱いで上がったすぐ近くに水周りに繋がる扉がある。想像していたより広かった筈だ。
オークのフローリングの床に白い壁の短い廊下を抜けると、キッチンとリビング又はダイニングに当たる部屋がある。壁には大きめの収納があり、その隣には個室への扉が2個ある。
レイナは真っ直ぐ片方の個室の扉を開き、荷物を全て床に置いた。
「よし、やるか」
「頑張って〜」
スマホからの声に少しイラつきながらも、レイナは異空間にしまっていたベットを出した。
重力魔法でベットを軽くして、頭の方に窓が来るように置く。
ベットが置き終わると机、机が終わると本棚という感じで家具を設置し終えた。
「次はリビングだ」
リビングには広めの机とソファを置き、向かいには購入したテレビとそれを置くための収納が沢山あるタイプの棚を置く。カーペットは掃除が面倒くさそうだから置かないことにしてた。後は購入した掃除ロボを置き、次はもう1つの個室の方に取り掛かる。
もう1つの部屋には、窓を避けて全て本棚にする。窓以外にも1つ縦長の空間を作り、そこには空いた空間よりも一回り小さい鏡を置いた。
「この鏡は?」
レイナはウミのことは一旦無視して、鏡に向かって異空間を作り出す魔法をかけた。
魔法をかけ終わると、鏡を扉のように開く。鏡の後ろは壁で、壁の向こうには最初に家具を置いた部屋があるはずだが、そこは廊下になっていた。廊下には幾つか扉があり、手前の扉には広い研究と、ポーションの調合の為の部屋。真ん中には研究室の何倍も広い魔法を練習する為の部屋。奥にはポーションの材料や魔法に使う道具が置いてある。
「こんな広い異空間作るなんて…レイナでも、流石に倒れるよ?」
ウミが心配そうに言うが、レイナは平然としている。
「大丈夫。この空間『魔法で存在し続ける』空間じゃなくて、『魔法で作っただけ』の空間だから」
「?????。つまり、どういうこと?」
「えっとつまり、物質構築魔法と、異空間を作り出す魔法を合わせたの。そのおかげで、ここはただの空間で、魔力を注ぎ続けないと壊れる異空間じゃなくなったの」
「はぁ…?」
ウミは全く理解出来ていない。それが普通だ。これはやっている本人も説明が難しい、感覚で行うようなものなのだから。
「あとは、本棚に本を入れたりキッチンにキッチン用品入れたりするだけだ」
数十分後。レイナは部屋に家具や物を置く作業を終わらせ、ソファに座り込んでいた。
「フゥ、終わった…」
「おつかれー。と言っても、レイナは普通の疲れかたじゃないよね」
普通、引っ越し作業というのは、家具を置いたりする力仕事で疲れるはずだが、レイナはそれを魔法を使ってやったので、魔力消費による疲れが来ている。
「お茶飲も」
レイナは早速冷蔵庫に入れたペットボトルの麦茶を取り出し、ガブ飲みした。
「こっちでは気温が特に変わらないから、エアコンとか扇風機買わなくていいってのが楽だよね」
たまに人間界に行くウミは、部屋を見渡しながらいう。
「ウミ、ちょっとスマホ使いたい」
「りょーかい。じゃ、また今度」
ウミはそう言うと、スマホ画面から消えた。
「連絡しよ」
レイナはスマホでLINEを開き、アメへの連絡画面にする。
「…」
どうやって連絡しよう…
スマホに打ち込もうとした手が止まる。
流石に連絡は入れた方がいいよな?こういう時ってなんて書けばいいんだ?
LINEで文章を書き込んでは消すのを繰り返す。今までナギとは一緒に住んでた為、連絡は外出した時必要最低限だけだったのだ。
散々悩んだ後結局送った文章は、『着いた』の一言だけだった。
直ぐに既読がつき、『新居おめでとう!引っ越し作業大丈夫だった?』という返信が返ってくる。
『大丈夫だった』と返すと、また直ぐに返信が帰ってきた。
「速くね…?」
そこから少しLINEを続ける。他のメンバーにもLINEを送っり終えた時には、外では夕日が沈んでいた。
「1番疲れたかも…」
レイナはスマホを閉じると、夕飯を作り出した。普段は2人分作る為、少し違和感を感じる。
「本当に一人暮らし始めたんだなぁ」
当たり前のことを思わず呟きながら、レイナは完成した1人分の夕飯を食べた。
どうも。主です。なんか↑↑↑の点々見たいなのつけた方が分かりやすいですかね?
あのLINEの返信のシーン。僕も書きながらレイナと同じようなことやってました。普段実際にLINEする友達が居ない為、書いている本人も何書けばいいか分からないという…なんか書いてて悲しくなってきた…
はい。気持ちを切り替えて、 ここまで読んで頂きありがとうございました!ヾ( ˙꒳˙ )