テラーノベル
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久しぶりに遊ぼうと友人からの連絡。
他校の子2人とモネと僕の4人で会う約束。
目的の駅で落ち合う。
1人で向かうはずだった。
約束の数日前、モネから「一緒の駅から乗ってくれないかな」と連絡が来た。「ちょっと安くなるよ…?」なんて送られてきて 照れ隠しなのかな なんて都合の良い解釈して。
「乗ってくれるの、?」
「しょうがないなぁ」
「やっぱ申し訳なくなってきたので大丈夫でーす」
そんな事言わないでよ。
…少しだけからかってみたい。
「むしろ一緒に乗りたいよ」
「あ、そう? んじゃあよろしくね」
何も思われていないんだろうな。
僕が断るわけない事くらい知っているはずでしょ。
貴方って人はほんと。
───────────────
2人で同じ駅から乗った。
電車の座席が空いているはずがなく、モネをドアと自分の間に挟む感じで立っていた。
不覚にも壁ドンのような体勢。
自分だけこんな気持ちなのか。
「こっち側来る?」
「いや、いいよ」
「そっかぁ あ、今度行きたい所なんだけど…」
もう次の予定の話、? まだ電車に乗っただけなのに。まあ嬉しいんだけど。
「ここ行きたいんだー」と言ってモネがスマホを傾けてくる。見やすいように身体を寄せると肩が触れ合った。
顔が近い。まつげ長。肌白いな。手、小さい。落ち着く香りがする。唇の血色良いな。乾燥してない。今キスしたら─────
「どう思う? どっちがいいかな」
「ん、えっと、なんだっけ。ごめんね」
「ちゃんと聞きなさい!!」
こんな時まで何を考えているんだ僕は。
会話が楽しい。
「今日ねハペと遊ぶから一緒に撮ったプリ挟んできたんだー」
そう言ってモネはスマホを見せてきた。
カバーの中に5ヶ月くらい前に撮ったプリが挟まれてあった。
そういう所だよ。
後に見て気がついたのだが、僕とモネで撮ったツーショがモネのホーム画面の背景にあって一瞬だけ悶絶した。
───────────────
遊んだ。くそ楽しかった。
待ち時間ができて、一緒に来ている友達に「██で待ってるね」と連絡をして、ベンチにモネと座った。
少し寒い空間だった。
脚に何かが触れた。
見てみるとモネの手だった。
「寒いね」
手の甲で脚に触れられる。
それだけで思考が止まりかけたが、なんとか留まった。
それも束の間。
モネが手を触ってきた。
だめだ、僕がぶっ壊れる。
「生きてんのー?」
「生きてるって」
「脈ないよ?」
「いや流石にあるよ」
なんて適当な会話。
友達が合流して、ベンチに4人で座る。
僕とモネの距離が近くなる。
むり、、、
少しの沈黙。彼女に腕を組まれた。
というより、組まされた。
どっちだっていい。
僕はもうだめだった。
「ちょっとあったかいね」
「腕の部分だけね」
「えへ、ちょっとはマシでしょ」
「まぁね」
「腕組まれる側初めてかも」
「僕も組みにはいかないかな」
順番が回ってきた。
腕が離れる。
この時間が終わる。
寒くなった。
───────────────
あっという間に帰る時間になってしまった。
電車に乗るしばらくモネとふたりでドアの近くに立っていた。
席が空いたから座る。
ほかの友達とは離れたところを選んで。
座った途端、モネが寄りかかってきた。
驚いて少し固まる。まぁすぐに照れ隠しで
「ちょっと、やめてよー」
っていつものノリで笑う。
「あは、ごめんごめん」
数秒にも足らない幸せを、自分から終わらせてしまった。
どうにもこの癖は直らない。
自分の嫌いな所。
モネと同じ駅で降りた。
友達に手を振ってホームを後にする。
「帰りちょっとコンビニ寄ろうよ」
断る訳なくない?
「いいね 行こ」
コンビニに着いて同じものを買う。
本当はもう少し悩んでいたかった。
会計が終わる。
外に出る。
帰り道は真反対。
別れてしまう。
またしばらくは会えない。
「じゃあ またね」
別れの言葉。終わる。
手を振ろうとして止まってしまった僕の手をモネはそっと握る。
手を握られて。
ただ、貴方を見ていた。
寂しそうに笑わないで。
また会おうね。
まだ好きだ。
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