テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#アクション
妄ねるね
57
#児童向け小説風
layRa
267
#異能力バトル
名無の男2
413
ちょこ
328
なんやかんやあって、今はこの目の前の男の子と一緒にカフェに入っていた。
あの後、どう見ても女の子でしょ!と言ったら、「はぁ!?どこからどう見ても雄々しいだろ!俺は!」と言われてしまって、何とも言えなかった。
とにかく、ご近所迷惑だったから、とりあえず近場のカフェへとやって来たのだ。
「それで?」
ボクは持っていたクリームソーダを一口飲んで、机に置いた。
「なんで君は空から落ちてきたわけ?しかも魔女教会の前で。」
「んぁ?」
口周りにクリームをいっぱい付けながらケーキを頬張っている。汚いな。もう…
ボクは無言でティッシュを差し出すが、少年は見向きもしないで、クチャクチャ音を立てながら口を開いた。
「俺が誰かも分かんねぇのか?さすが一般国民だ。視野が違ぇや」
絶対貶してる。こいつ。
ボクは怒りが湧き上がってくるのを飲み込み、こめかみがひくつくのを抑えながら少年を見つめた。
「へ、へぇ…君はそんなすごい人ってわけ? 」
ボクがそう言うと少年を目を細めて笑った。
「おう!めちゃくちゃすごいぞ!俺は!」
一つ間を置いて、少年は口を開いた。
「なんて言ったって、俺は《リテラス魔法駆除》本部の史上最年少幹部だかんな!」
ボクは目を見開いた。
《リテラス魔法駆除》
リテラスとは、人間に害をなす異形の化け物のこと。
魔力を使った時に魔力が瘴気に触れたら現れる化け物だ。
リテラス魔法とは、その異形が放つ魔法の罠のようなもの。異形はリテラス駆除委員が倒すとして、リテラスよりも厄介なのが、個々に見合った魔法の罠が人間の世界に張り巡らされていることだ。
あるところには路地裏、とある家の浴槽、ロッカーの中、自販機の裏側。
そんな何の変哲もなさそうな箇所にリテラス魔法はある。
「す、すご…リテラス魔法って…」
少年は嬉しそうに二パッと笑った。
「俺を崇めてもいいぞ!」
「う、うん…」
これはもう何も言い返せない。
本当にすごい人だったんだな…こいつ。
少しだけ不服だが。
そんなことを考えながら、ちらっと、少年の腰あたりについてある名札のようなものを見つめる。
「…『ナオキ』?」
少年―ナオキの咀嚼していた口が止まった。
「あ?」
ナオキは目を見開いてボクを見つめる。
「なんで知ってるんだよ。俺の名前」
あ、本当に本名だったんだ。これ
「あ、いや!違うよ。違う違う!ほら、腰の辺りについてるやつ!名札でしょ?それ見ただけだよ」
ナオキにそう言うと、ナオキは静かに自分の腰を見つめた。
赤いチューリップ型の幼稚園児がつける名札。
それがナオキの視界に入るとナオキの額に青筋が浮いた。
「あの銭ゲバ野郎ぉ…」
グギギと下唇を噛み締めて、握っているフォークでイライラをぶつけるようにしてケーキを叩きつけた。
「くそ…しかも、外せないしよぉ…ボンドで着けやがってる…!」
名札を引っ張るも、ナオキの服も引っ張られるので数回引っ張って諦めた。
ナオキはちっと舌打ちをしてボクを指さした。
「おい。お前だけ俺の名前を知ってるのはフェアじゃないだろ。お前の名前は?」
「えっ…あ、ああ…えっと…」
フェアってなんだよ。フェアって。
「中島…璃斗」
「ふーん。あっそ。リイトな」
そう言ってナオキはまたクチャクチャ音を立てながら食べ始めた。
「…汚いなぁ」
そう言ってクリームソーダをひとくち飲む。
次の瞬間、
プルルルル
どこからか電話の音が鳴った。
ボクは辺りをキョロキョロして、一人でいるおばさんを見つけた。
「あの、おばさん、自分の電話がなっていることに気づかないのかな?」
そう言って、ナオキを見つめたら、ナオキがスマホを取り出してどこかに出ていた。
…
ナオキのスマホだと分かると恥ずかしくって、俯きながらクリームソーダをすする。
「おう。おう…あ?見習いに落とす?んてだよ!俺は史上最年少幹部だぞ!」
ナオキの声が響き渡った。
「あ、あぁ?中学生なんだからもっと友達と遊べ?ば、バカにすんなよ!友達ぐらい居るし!」
絶対いないだろ。
初対面のボクでもわかるぞ。
「あ、あぁ?うん…うん!?」
ナオキが素っ頓狂な声を上げた。
「は、はぁ!?つ連れて来いって…ばっかじゃねえの!」
そう言って、璃斗は顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
数分後、
電話が消える。
ナオキは青筋を浮かべながら、ボクを睨んできた。
「お前、ツラ貸せや」
…
は?
コメント
1件
うわ、この2人のやりとり面白すぎる🤣 ナオキ、史上最年少幹部ってすごいのに、幼稚園児の名札つけられててギャップがすごい。しかも外せなくてブチギレてるところ、めっちゃ笑った。璃斗くんの「汚いなぁ」っていう冷静ツッコミも好き。 最後の「ツラ貸せや」で終わるのも気になる…続き読みたいな〜🥀