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◇◇◇◇◇


大司教ガウチョが何かの水晶体を持ってリオたちの前に戻ってきた。


女神:『ガウチョが戻ってきたね。』


ガウチョ:「リオ様。ちょっとよろしいですかな。』


あれ?ガウチョさんまでリオ様になってるけど……。


リオ:「はい。」


ガウチョ:「この水晶体に右手を乗せてもらえますかな?」


リオ:「はい。」


なんだかわからないけど、言われる通りに右手を水晶体の上に乗せた。


ぴっかーーーーん!!


虹色のエフェクト発生!

リオの右手の甲が光ってる!


リオ:「眩しい!」


時間が経つと光が落ち着いてきて、よく見るとリオの右手の紋章が光を放っていることがわかった。


それを見たガウチョが、リオの方に向きを変えてから跪いて話しかけた。


ガウチョ:「リオ様。知らなかったとはいえ、先日は追い返してしまい誠に申し訳ございませぬ。

しかし、長らく聖ナスヴィー協会に身を置いて参りましたが、まさか教皇様の誕生に立ち会えるとは思いませんでした。

長生きはするものですなぁ。」


ガウチョは涙目になって感動していた。


女神:『シルヴィア。感動しているところ悪いんだけど、ガウチョにまだリオは教皇候補であることを伝えて。』


シルヴィア:「あ!はい。

ガウチョ様。リオ様はまだ教皇候補であると女神様が仰ってます。」


ガウチョ:「おー!そうじゃったな。あまりにも感動して先走ってしもうたわ。」


女神:『リオ。これから、教皇になるための試練があるんだけど、私からは詳しくは教えられないから、ガウチョに聞いてね。

まあ、ゆっくりでいいからね。頑張ってね!』


リオ:「あ!はい。ありがとうございます!」


プチュン!



リオ:「あのー。ガウチョさん。

ナスヴィー様から試練のことをガウチョさんから聞くように言われたんですけど、教えていただけますか?」


ガウチョ:「もちろんですとも。ここではなんですから、わしの部屋に来てくれますかな?」



リオたちはガウチョに案内されて、大聖堂内の大司教専用の執務室に入った。


大層立派な部屋かと思いきや、ものすごく質素な部屋になっていて、いかにも聖職者らしい造りになっている。これはガウチョの人柄を示す雰囲気を感じていた。


この人は権力に溺れることなく、誠実な人なんだろうとリオは思った。



ガウチョ:「何もない部屋ですが、とにかくお座りくだされ。今、お茶を淹れますのでのう。」


リオ:「ありがとうございます。」



ガウチョ:「ふう。では、教皇様の試練についてお教えいたしましょう。と言っても、そんなに多くの情報は持っておりませぬ。


この大陸には中央に未開の森が広がっております。この森はものすごく深く、大陸の3分の1ほどの面積を占めております。

言い伝えでは、そこにはエルフ族が住むと言われており、人々の間では『聖なる樹海』と呼ばれております。


その樹海の中央には世界樹と呼ばれる大樹があるらしいのですが、誰も見たことはございませぬ。

というのも、その樹海に入ったものは、方向感覚を狂わされ、どちらに進んでいるのかもわからなくなるということです。


行方不明のなるものも数えきれないくらいにおったそうです。そのものたちは魔物に食われてしまったのか、消息不明とのこと。

ですので、冒険者といえども、その樹海に入るものは、最近ではほとんどおりませぬ。

また、未開の地ゆえ、その生態系もよくわかっておりませぬ故、危険であることは間違いございませぬ。


で、試練というのはですな。

その聖なる樹海に入り、世界樹の元に辿り着くこと。

そして、世界樹に認められること。


この試練にて認められたものは、紋章に変化があるようです。

どのように変化するのかは存じませぬが、見ればわかるそうですな。


すみませぬが、伝えられている内容は以上でございますじゃ。」


リオ:「ありがとうございます。

とにかく、その聖なる樹海に入り、世界樹に認められることが試練ということですね。」


ガウチョ:「その通りですじゃ。」



リンドウ:「たしかに難易度が高そうな謎の試練ね。

ガウチョさん。私たちはあまりこの大陸の地理に詳しくないの。

地図のようなものはないのかしら?」


ガウチョ:「この方はどなたですかな?

紹介してもらえるとありがたいのじゃが。」


リオ:「あ!すいません。彼女はリンドウです。

で、彼女がカゲロウです。

あと、ゼータとサランです。

みんな、僕の家族です。」


ガウチョ:「ほぅ。それは失礼しました。

地図ならありますので、ちょっとお待ちいただけますかな。」


ガウチョさんは近くの棚から大陸の地図を持ってきて机の上に広げた。


ガウチョ:「これが大陸地図ですぞ。」


広げた地図の上で指差しながら、ガウチョはリオたちに大陸の説明を始めた。



まず、この大陸の名は『セントーラ大陸』

この名は世界の中心という意味らしい。


大陸は周囲を海に囲まれているが、海の向こうに何があるのかはわかっていない。

大陸のおおまかな形は横に広がった楕円形と菱形の中間のような形で、その中央に聖なる樹海が広がっている。

そして、その周りを囲むように、ちょうど平べったいドーナツ状の形で、その土地に8つの国家が存在している。


まず、大陸の北部には最大国家であるドルアド帝国がある。

言わずと知れたリオの元祖国である。

聖なる樹海の北側は、ほぼドルアド帝国の領土が占めている。

この国は国土が広いため、治政が隅々まで行き届いておらず、他国と比較して治安は悪く貧富の差も激しい。国民性も気性が荒い印象がある。それはリオも納得していた。


そして、その隣国が帝国の東西に位置する。

ドルアド帝国ほど大きくはないが、この2国も帝国の約半分程度の国土を保有する。

一応、大国に並べられ、大陸内ではドルアド帝国を含めて3大国と呼ばれている。


そして、大陸南部には5小国と呼ばれる小国が5つ存在している。

今いるサザンオール王国はこの5小国の一つで、大陸の最南端中央に位置する海沿いの最も小さな国である。


サザンオール王国は、聖なる樹海には接しておらず、聖なる樹海を目指すなら隣国のドクストン王国を経由する必要があるとのこと。



リオ:「ガウチョさん。ありがとうございます。

大陸の地理についていろいろ勉強になりました。」


ガウチョ:「いやいや、これくらい当然ですぞ。

リオ様は無事試練をクリアして戻ってきてくだされ。」


リオ:「はい!頑張ります!

それじゃ、まずはドクストン王国に向かうって事でいいんですね?」


ガウチョ:「そうです。ドクストン王国の王都が迷宮都市として有名な国ですな。

そのおかげで都市は栄えておりますが、荒くれ者の冒険者が集まる街でもありますゆえ、治安はそれほど良くありません。

ヘルサイズという闇組織も活発に活動しているという噂も聞いておりますぞ。

立ち寄るなら、ご注意いただいた方が良いでしょうな。」


リンドウ:「そうなのね。でも、リオのレベル上げにはちょうどいいかもしれないわね。」


ガウチョ:「いえいえ、めっそうもない。

迷宮はそんなに甘くございませぬ。

上位冒険者たちも命懸けで挑む、ものすごく危険なところですぞ。」


リンドウ:「それは大丈夫よ。

私とカゲロウが付いてるから。」


ガウチョ:「はあ……。というと、リンドウさんとカゲロウさんは有名な冒険者なのですかな?」


ガウチョは嗜めるように質問している。


カゲロウ:「せやなぁ。有名とは言えへんけどな。

リンドウとうちは、一応Sランクハンターってことになってるさかいな。

たぶん、大丈夫や。」


ガウチョ:「ほう。それはそれは。そうでしたか。

Sランクハンターという方に会うのは初めてですな。ふむ。であれば、お任せいたしますが、くれぐれもご注意くだされ。」


一応、ガウチョは納得したみたいだね。


カゲロウ:「承知の助や。まかしとき!」


リンドウ:「じゃあ、一旦王城に戻って準備しましょうか。」


リオ:「うん、そうだね。」



シルヴィアが心配そうにこっちを見ている。


シルヴィア:「リオ様!無事に戻ってきてくださいね!」


リオ:「うん、ありがとう。」


リオたちは、ガウチョとシルヴィアに挨拶して大聖堂から王城に戻って行った。


まさかの教皇イベント発生!

リオの試練が始まった。さて、どうなる?


◇◇◇◇◇


【オー!マイ・ガッチャ!】-無能認定された少年、魔物の森に捨てられ死亡!からの〜人生リスタート!-

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