テラーノベル
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Newfoundland, Canada
ーNorth Atlantic Ocean
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ニューファンド島,カナダ
ー北アトランティックオーシャン
海水の匂う風が頬を掠める
そんな甲板の上でギルベルトは大きな声をあげる
「どうせデマだろ!金か世間の注目を浴びたいだけだ!!」
「俺も今回は兄貴と同じ意見だ。ロマーノ、そういう輩はよくいる」
そんな言葉を無視してロヴィーノは、
甲板の上を移動する
アントーニョの声が間に入る
「おーい。ヘリが来たでー!」
その言葉にロヴィーノ、ギルベルト、ルートは、空を見上げる
ロヴィーノは、で迎えるために再度歩き始める
ギルベルトとルートは、それの後を追う
「タイタニック沈没時キク・ホンダは、死んだ」
「当時、彼は17歳だ。もし生きてたら、100歳は超えてる」
その言葉にロヴィーノは、笑いながら言葉を返す
「今年でぴったり100歳だとよ」
それを聞いて2人は、一度言葉を失うが
ギルベルトはすぐに反論する
「じゃあ、100歳の嘘つきのたぬき爺だ!」
「俺も、彼が20歳のときまで全て調べた。昔、キク・ジョーンズという名前で自分の旅の本を出していた。その本は、ヒットして一時期世界で有名になった」
「ほらみろ!昔の栄光が恋しくて嘘ついてんだよ!」
その言葉に声を大きくして返すロヴィーノ
「あのピアスのことを知ってるやつのほとんど死んでるけど奴は、知ってんだよ」
強い風をたたせながら ヘリが着陸する
中から着物を着たもの静かで
100歳とは思えない美しさをした黒髪の男が降りてくる
情報が間違っていれば、20代の女に見えてしまいそうだ
ヘリに近づき、ロヴィーノは挨拶をする
「お持ちしてました、ウィリアムズさん。ロヴィーノです」
「こんにちは、ロヴィーノさん」
男の後ろから長身の金髪でメガネをした男が降りてくる
男は、ロヴィーノに手を出して挨拶をする
「こんにちは、ロヴィーノさん。菊の夫のマシューです」
「こんにちは、Mr.ウィリアムズ」
ロヴィーノは、手を出してマシューと握手をする
手を離すとアントーニョに準備が終わったと耳打ちされて
菊とマシューを案内する
「どうぞ、こちらへ」
シェルター
ーーーーー
菊は、綺麗に泥が落とされた
自分の描かれている絵を見る
ロヴィーノは、ピアスの写真を手に取りながら
菊の元に行く
「イギリス貴族のジョージアナ・キャヴェンディッシュが身につけていた真紅の宝石 は、
1807年この世から消えた。噂では、使えていたメイドが盗んだとか。 推測によれば、 そのとき宝石が小さく割れてしまい、それを起用したのがこのザ・モントローズだと言う。 あのレッドベリルより高価なものだ」
菊は写真の中のピアスを見て
懐かしそうに笑いながらため息を吐く
「うんざりするほど重くて、つけたのはこのパーティーの日だけです」
「昔の菊。今とあんまり変わんないね」
「そうですか?かなり老けたと思うのですけど」
それを聞いてロヴィーノは、軽く目を見開き笑う
アントーニョが横から菊を見て聞く
「保険金の記録をたどってみたんやけど、そんなかに保険金額を極秘扱いしたのがあった」
「その申請者が誰だったか知っとる?」
菊は相変わらず少し微笑みながら言う
「多分、カークランドという人じゃないですかね」
その言葉にギルベルトとルートは、驚き、
ロヴィーノとアントーニョは、やっぱりと目を細めた
「その通り、アーサー・カークランド。ピッツバーグの鉄鋼房で、請求はピアスに対するものや。息子が婚約者に買った。貴方に」
「ええ」
「タイタニックに乗る一週間前で申請は沈没直後。つまり、ピアスは船と一緒に海に沈んだ」
「日付が書いてあるやろ」
「1912年4月14日?」
「爺さんが本当にその絵のモデルなら沈没当日ピアスをつけていることになるってわけだ」
「そうだ。だから俺は、貴方と仲良くしたい」
「ここにあるのは、貴方の船室から回収したものだ」
机の上には、日記帳や懐中時計、
巾着や扇子、お守りが置かれていた
菊はその中から懐中時計を手に取り
「…懐かしい。もう見られないと思ってました…」
と言って笑う
懐中時計は、止まってはいるものの綺麗に洗浄され、
昔と変わらない姿をしていた
そんな菊にロヴィーノは、もう一度タイタニックに戻ってくれますかと聞く
菊は、無言で小さく頷いた
ルートがタイタニック沈没までの流れを説明し終えると
菊は、説明に感謝してから
「でも、あのときとは少し違います」
と言った
それを聞いてロヴィーノは、 聞かせてくれと言う
菊は、近くにあったタイタニック号を
映す潜水艦のモニターを見て 一滴だけ涙を流す
マシューは、それを見ると大丈夫?と聞く
菊は、頬につたる涙を手で拭い、歳ですかねと笑う
ロヴィーノは、アントーニョに
テープレコーダーを取らせ、録音を開始する
「話してくれ」
ロヴィーノがそう言うと
菊は、もう83年になりますと言うが
ロヴィーノは、それでもいい。話してくれと言う
すると、菊は冗談っぽく笑いながら
「あら、全部は聞きたくありませんか?」
と言う。ロヴィーノが苦笑いすると
菊は、一度笑ってから話し始めた
「もう、83年も前のことになります」
「ペンキの濃い匂い。フカフカのソファー。真新しい真っ白な食器」
「タイタニックを人々は、夢の船。夢の船と呼びました」
「本当にその通りでした」
April, 10, 1912
ーーーーーーーー
タイタニック号出航日
港には数えきれないほどの
人だかりができていた
そんな人だかりの間を
退けと言わんばかりに通る車
黒く輝く高級車から
出てきたのは着物を着た男。菊だった
菊は、港に止まっているタイタニック号を見上げる
後から、スーツを着込んだ婚約者
のアーサーが降りてくる
「大きいですね」
「ああ、前に乗った船とは比べ物にならない」
「皆さんが大騒ぎする理由がわかります」
「これは、タイタニックだからな」
アーサーと共にこれから乗る
タイタニックを見ていると
人だかりの中の小さな子供が
走り回り菊にぶつかる
菊は衝撃で転びかける
アーサーは、おっとと言いながらも
片手で菊の手首を 掴んでそれを止める
「大丈夫か?」
「はい。ありがとうございます」
「いいって気にするな」
アーサーはそう言うと菊の腰周りに
手を移動させて自分に寄せる
菊の体は少し震えている
その光景を後ろから見ていた耀が前に
出てきて菊の手を引き、歩き始める
「さっさと行くあるよ」
「あっ耀さん待ってください!」
その光景を見ながらアーサーは、
「やれやれ、お義兄様の機嫌をとるのは難しいな」
と言う。菊達の後を追うように
歩き始めると背後から
荷物はどうしましょうと係員が足を止めてくる
アーサーは、怪訝な顔をしながら
数千ドルのチップを渡し、
君に任せるよ。あとは、あそこにいるヒゲに聞けと言い歩いて行く
「坊ちゃんってば、全部俺に押し付けちゃって」
フランシスは、そう呟きながらも係員に
荷物の運び場所などを伝える
「これは、B15に。あれは、C6」
港で荷物の運搬を指示する
フランシスを背にアーサー達は
タイタニック号へと続く橋を歩く
タイタニックに足を踏み入れると
入り口の両端にいる船員から
「タイタニックへようこそ。レディ」
と声をかけられる
内心男ですとツッコミながらも
貼り付けた笑顔をして軽く会釈をする
耀に引かれるがまま中に入れば、
派手とも言える花の香りが花を刺す
「人々にとってタイタニック号は、沈むことのない夢の船でした。 でも、私にとっては監獄でした。兄と話せるものの婚約者の束縛はいつも近くで私を見張っている。見えない鎖に繋がれ、彼の購入した新居のあるアメリカに連れていかれる。傍目には、両家に恵まれた運のいい男。でも、割り切っていたはずの心の中では、見えない何かに助けを求めていました」
Pubs near Port of Southampton
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サウサンプトン港 パブ
パブの中は、夜かと思うほど
騒がしく賑わっており、その中心では
屈強な男とそれに 負けないほど大きい少年が
タイタニック号のチケットを賭けて
腕相撲をしていた
「俺、トーマスに5!」
「俺もトーマス!!」
「いや、俺はあの兄ちゃんに7賭ける!」
外野でもどちらが勝つかの
賭けが始まっていた
トーマスを選ぶ人が8割
少年を選ぶ人が2割くらいだ
店の店主が2人の手を
握り、少しの沈黙の後
Ready, Go!と言い手を離す
「ッフ!!」
「ッッ…!!」
それと同時に2人は腕に力を込める
周りは一気に盛り上がる
「トーマスいけ!!」
「そんな小僧に負けんな!」
「兄ちゃんいけ!」
「兄ちゃんならいける!!」
四方八方から応援?のような
声が飛び交う
トーマス、少年の手には汗が滲む
力を込めても2人の腕はどちらにも動かない
ふと、少年が息を吸う
「うおお“おぉ““おお”おお“おぉ““ぉ“お“お!」
大声を出しながら立ち上がり
一気に 腕に力を入れる
トーマスもやばいと感じたのか
力を込めるがときはすでに遅く
トーマスの手の甲は、樽の上についていた
外野が静まり返り瞬時に歓声が上がる
「うおおおおお!やったな兄ちゃん!!」
「嘘だろ!トーマスううう!」
「これで国に帰れるんだぞ!!」
「おい、兄ちゃん急げ!タイタニック出航まで後5分しかないぞ!」
「what!?すぐ行くんだぞ!!」
少年は、樽の上に置かれていた
トーマスのタイタニック号の搭乗チケットを
乱暴に手に取り、カバンを持って走り出す
途中、トーマスが少年を止めて問う
「おい、お前……名前は」
少年は、振り返り笑顔で答える
「アルフレッド・f・ジョーンズ。HEROなんだぞ!」
メガネ越しに見えるその青い目には
眩しいほどの光が見えた
少年ーアルフレッドは、パブのドアを
破壊する勢いで開け
タイタニックへと走って行った
Titanic deck
ーーーーーー
タイタニック号 甲板
白い蒸気をあげ、大きな音を出しながら
船の紐は解かれ海へと出航する
空にはカモメが飛び、乗客を歓迎してくれる
Titanic private promenade
ーーーーーーーーーー
プライベートなプロムナード
アーサーは、スーツの上着を
近くの椅子にかけ
ワインボトルとワイングラスを片手に
部屋を歩き回り窓の外の海を見ていた
後ろからは、係員が部屋の説明をしている
「説明は以上になります。他に何か御用は」
「大丈夫だ。下がれ」
係員の問いかけに
顔も見ずに言うアーサー
係員は、その言葉に失礼しますと
言い部屋を去って行った
扉を開けてすぐにある部屋のリビングでは、
菊が持ってきた荷物の整理をしていた
「それだけで良かったのか?」
アーサーは、ドアの淵に
背中を預けながら聞く
菊は、古くなったお守りを
手に取りながら言う
「ええ、あまり持ち込んでしまっても使うこともありませんし」
「へぇ」
菊の顔を見ながら
声を発するアーサーは、
菊が持っている
古く汚くなったお守りに 目を移す
「それ、いい加減捨てろよ」
「これだけは捨てられないんですよ」
「綺麗なお前に相応しくない。俺が新しいのを買ってやるから」
「……お気持ちは嬉しいですが、これだけはどうしてもダメなんです」
菊は、お守りを両手で包み込む
その様子を見ていたアーサーは、
憎たらしく眉を顰めながら
ワインボトルのコルクを開ける
グラスに注がれた赤は、
彼の野望のようにも見えた
「シェルブールの港でイヴァン・ブラギンスキという男性が乗ってきました。彼は、ウォッカを好んで飲んでいたので裏では、ウォッカと呼ばれていました。のちに零度のウォッカと呼ばれた方です。ある日突然表業界に顔を表し、ロシアを中心に次々と勢力を拡大していった。兄もアーサーさんも権力者として彼のことは、警戒していました。翌日の午後には、アイルランドを離れ、船は西へ行く手には果てしなく広がる海ばかりでした」
Lobby cafeteria
ーーーーーーーー
ロビー カフェテリア
静かにしかし、少し賑わう
カフェテリアで椅子に腰を下ろし
自慢げに言うタイタニック号の提案者
「タイタニックは、人間の手で作られた歴史上最高の乗り物です。
ここまで作り上げた設計者は、素晴らしいです」
その言葉にいやいやと照れくさそうに
首を振るタイタニック号の設計者
テーブルには、席が6人分設けられていて
*********イヴァン 設計者***
提案者/ーーーーーーーーー/耀
*********アーサー 菊******
の形で座っていた
テーブルには、笑顔が多く見られるが
空気はどこか異質なものだった
アーサーの目の前に座るイヴァンが
何を考えているかわからない目で
アーサーを見据え、問う
「あのカークランド財閥に会えるなんて光栄だよ」
「それは、こっちも同じだぜイヴァン」
「あれ、僕の名前知ってたの?」
「もちろん。他の財閥の名前を知るのは英国紳士として当然だ」
「へぇ。てっきり僕が怖いのかと思ってたよ」
「そんなわけないだろ。確かにお前は勢力を拡大しているが、怖くなんかない」
アーサーは、貼り付けた
仮面のような笑顔で言う
イヴァンが少し興味を失ったように
そうと言うとアーサーは
我慢ができなくなったのか
上等品の葉巻を取り出した
失礼と言いながらも全く悪びれる様子もなく
空に白い煙を吐くアーサー
「アーサー。人前で吸うのはマナーがなってないんじゃないあるか」
見据えた様子の耀が注意すると
アーサーは、耀を見てから
はぁとため息を吐き煙の出ている
葉巻を灰皿の上で潰した
その様子を見ていたイヴァンは、
「アーサー君飼い慣らされてるね」
と言った。
すると、アーサーではなく
菊のほうがピクリと動いた
アーサーは、口角を上げ
「さぁ、飼われているのはどっちなんだろうな」
と言った。アーサーは、
細く目を開け隣に座る菊を横目で見る
菊は、下を向き膝の上の着物を手で掴んでいた
その頬には汗が滲んでいた
アーサーは、菊の手の上に手を乗せ
「なぁ?菊」
と言う。
菊は、その黒い瞳でアーサーを見る
そして、小さくか細い声でええ、そうですねと言う
耀の顔は、何か言いたげだが
必死に押し殺し我慢しているようだった
それから数時間が経ち、
菊はお手洗いに行ってきます
と言って席をたった
Titanic deck
ーーーーーー
タイタニック号 甲板
アルフレッドは、
海水を含んだ風に吹かれながら
スケッチブックに鉛筆を走らせる
目線の先には、甲板で
ボール遊びをしている子ども達
絵を描いていると隣で
タバコを吸っていた男が話しかけてくる
「よぉ。あんた名前は?」
「アルフレッド。アルフレッド・f・ジョーンズさ」
「アルフレッドか。俺はジェイコブ・アンダーソン。適当にジェイクって呼んでくれ」
「OKジェイク」
「へぇ、お前絵描きが商売なのか?」
ジェイクのその言葉にアルフレッドは、
ジェイクのほうを振り向くとジェイクのその奥の
上の階のテラスに、黒目に黒髪の
どこか妖艶な美しさを纏った
着物姿の女性?が目に入る
アルフレッドは、その人物に目を奪われる
アルフレッドの目線の方向をジェイクが確認すると
笑いながらやめとけと言う
「やめとけアルフレッド。あれは、捕まえようとしても綺麗にかわされちまうぜ」
ジェイクのそんな言葉なんか聞こえないのか
アルフレッドは、ただ黙ってその人物を見ている
ジェイクが聞いてるか?とアルフレッドの目の前で
手のひらを動かすがアルフレッドは、反応しない
「ダメだこりゃ…」
「Jake… she’s so cute……」
ジェイクの言葉を無視して
静かにつぶやくアルフレッド
一瞬その黒い目とアルフレッドの青い目が合う
(目っ…あっちゃったんだぞ!)
アルフレッドが少し喜びを感じたところ
その人の後ろから金髪で少し眉の太い紳士のような
スーツの男が現れ、話しかける
話し声は聞こえないがその人は、どこか遠慮しているようだった
「菊。こんなところにいたのか」
「。ッ…あ、アーサーさん…」
「ほら、早く戻るぞ」
「…はい……」
その人は、スーツの男に手を引かれ
テラスを去っていった
「わずか17歳で、人生の終わりが見えたような感覚でした。兄のライバル的な存在でもあった権力者のアーサーさんに人質に取られ、最初はカークランド財閥に有利な内容で物事を勧められるだけでした。しかし、次にアーサーさんは、私が自分のものになるのなら今回の王財閥のことは諦めると言ってきました。兄は、他の方法があると私に言ってくださいましたが私にはこのままでは、兄が何か犯罪に手を染めてしまいそうで不安でした。それに私と兄には、保護している3人の子供がいました。もし、そのままカークランド財閥にいいように利用されたら3人の子供を保護するお金はそこを尽きてしまいます。なので、私は自らアーサーさんの提案を受け、彼と婚約しました」
Titanic deck
ーーーーーー
甲板
夜風が空気を一段と寒くする中
菊は、無我夢中で船の先端へと走っていた
「ハァッ…ハア…」
頬には涙がつたる
涙の触れた場所に外気が当たり冷たくなる
息が苦しくなっても気にせず
和服のせいで走りづらいということも気にせず
ただ船という名の監獄の中を走った
止まれば思い出してしまう
昨夜の恐怖でしかなかったあの記憶を
昨夜
息苦しい熱のこもった空気
気持ち悪いほど甘ったるく
ほのかに光っている照明
ベッドの上でただ泣いて拒むこと しかできなかったあの時間
2人しかいない静かな部屋に響く
少し荒い息と、嬌声
「…あッ、あー…さ、さん“……い、や“…やめ」
「なんだ?菊。怖くなっちまったか?」
アーサーの下でその言葉に強くうなづく菊
しかし、アーサーはそれを見て笑みを浮かべ
そのままキスを落とす
「ふっンッ……あっ、…やめ。んっ」
舌を絡めるとビクリと反応する菊の体
しばらくして、口を離すと
2人の間を唾液が繋げる
そんなもの気にせずにアーサーは動く
「あ“っ//…はっぅん///ん““ぁっ…!」
「怖いって言う割にはお前気持ちよさそうだぜ?」
「っ//…そ、なっ…こと……な。んぁっ///」
「これのどこがそんなことないんだ?」
アーサーは、そう言いながら
自分のものが入っている菊の腹を撫でる
菊は、それに反応してまた嬌声をあげる
はだけている着物の裾を噛み声を抑える菊
それを見たアーサーは思わず口角が上がる
「はは、えっろ」
「…に、…け、て」
「ん?なんだハニー?」
「…っあぅ//、に、ーに…たすけっぁ///」
「おいおい、今俺以外の名前を呼ぶなんてアウトだぞ?」
「っ///…うぁっ//……?」
「はぁ、そうか菊。お仕置きして欲しかったんだな」
「…ぇぁっ//ちがっ///…!」
「ごめんな俺が気が付かなかったばっかりに」
「いやっ…//あっ!//ほん…とに、ちがっ///!」
否定する菊を無視して
アーサーは、菊の首筋に顔を近づける
「あっ///…い“っ!?////」
アーサーが首筋から顔を離し、
菊の顔を見る
乱れた菊の顔は、赤く火照り、
首には所有の印かのように
キスマークが一つついていた
アーサーは、その印を指でなぞる
すぐに菊の口から甘い嬌声が出る
「…ぁうっ//ふ…ん///」
「なぁ菊…これでお前は一生俺のものだ」
「、はッぅ…あ、。」
「愛してるぜ、菊」
蛇のようにしつこく
けれど乱暴ではない抱き方
そして、首筋に残る赤い所有の印
菊は、これが憎かった
何度消そうと思ったことか
ーー
甲板
アルフレッドは、ベンチに寝っ転がり
夜空に広がる数えきれないほどの
綺麗な星達を眺めていた
すると、突然横に人影が通り過ぎる
その人物の息は荒く苦しそうだった
アルフレッドが上半身を起こすと
その人物の背中が見えた
着物。昨日の昼間にみた子だということはすぐにわかった
ーーーー
船の先端
菊は、先端に辿り着くと
肩で息をしながら手すりへと手をかける
下に広がる海は、昼間の青さが
嘘のように黒く 冷たそうだった
「ッハァ…っハァ」
涙を拭いながら
手すりから身を乗り出す
手が少し震える
死にたいはずなのに。怖い
首元に触れる
(怖く思ってしまうのも全部あの人とバカな私のせい)
そう思うことにした
自分が死ねば人質は消え、耀は今まで通りあの子達と一緒に暮らせる
自分が死ねば、自分が死ねば全て解決する
死ななかったとしても
あの提案が白紙になったとしても
もう、印のつけられてしまった
こんな体では耀達の近くには戻れない
そう考えると拭ったはずの涙が
また流れてくる
(もう、いいです。これで…全部解決する)
目を閉じて船の外に身を乗り出す
船から体が落ちかけたそのとき、
「何やってるんだい!!」
そんな声と共に腕を掴まれる
腕が離されれば体は、海に落ちる状態
「離してください…もう疲れてしまったんです」
「嫌なんだぞ!」
「お願いします。死なせてください」
そう言ってもアルフレッドは 、
手を強く掴み離さない
「嫌!離してください!」
「絶対に離さないんだぞ!!」
「このっ!わからずや!!」
「確かに俺はわからずやだけど、目の前で死のうとしてる人を見捨てるほど堕ちてないんだぞ!」
「っ…」
アルフレッドは、離してと叫ぶ 菊を
一喝し、船の上へと引き上げる
引き上がった拍子にアルフレッドの体は
後ろに倒れ、アルフレッドの腕の中
にいた菊も一緒に倒れる
「っ“…!」
床にぶつかった衝撃で菊を顔を歪める
菊が下にいて上からアルフレッドが
菊を潰さないように両手で自信の
体の体重を支えて覆い被さっている状態だ
「君、俺に片手で引き上げられるなんて軽すぎるんだぞ」
いてて、と少し笑いながら言う
アルフレッド。下にいる菊を見て驚く
彼は、顔を隠すようにして泣いていた
「……ッヒ、グス」
「え。あー、いや。その、大丈夫かい!?、痛かったかい!??」
アルフレッドは、下で啜り泣く菊に
焦りながらも大丈夫か声をかける
菊は涙を着物の裾で拭いながら
大丈夫ですと言い顔を上げる
(、wow…やっぱりcuteなんだぞ)
「……あの」
「えっ!。あ、どうしたんだい?」
「なんで助けてくれたんですか」
「さっきも言ったじゃないか。俺は死のうとし「違うんです。貴方私のこと何も知らないでしょう」
「何も知らない初対面の私を。死ぬことで私は、救われたかもしれないのに」
菊が男だという驚きなんてすっかり忘れて
急に問われた問いにアルフレッドは、黙る
「でも、今ここにいるじゃないか」
「…は?」
「本当に死にたい奴は、ここから逃げてでも飛び降りるさ」
「そんなのわからないじゃないですか。なんで、貴方にそんなことがわかるんですか」
「僕の友達がそうだったからね」
「…ぁ、ごめんなさい」
「別にいいんだよ。昔のことだし、俺が止められなかっただけさ」
「……貴方は、正義感が強いんですね」
菊は、少し微笑みながら言う
アルフレッドも笑みを浮かべ、嬉しそうに言う
「俺は、HEROだからね。当たり前だよ」
「ふふ」
「ねぇ君名前はなんて言うんだい?」
「あら、先に名乗るのがマナーじゃないんですか?」
菊は怪しく、でも不快ではない笑いを見せながら言う
アルフレッドは、少し驚いたように目を見開き
「HAHAHA手厳しいね。俺は、アルフレッド。アルフレッド・f・ジョーンズだよ」
「こんばんはジョーンズさん。私は、ほん…いえ、キク・ホンダと申します」
「キクだね!よろしくなんだぞ」
握手しようと思ったアルフレッドだが
手で体重を支えてることを思い出し、
菊にああ、ごめん。忘れてたよと笑いながら 手を退けようとする
菊が大丈夫ですよと言いかけたとき
「おい、お前菊に何してやがる」
菊が声のする方向を向けば
そこには冷たい目でアルフレッドを
見下ろす アーサーがいた
その後ろには、アーサーの執事のフランシス
菊の兄である耀と船員が2人ほど立っていた
少しだけはだけた菊の着物
目の下の泣いた跡
なにより、男に押し倒されているこの状況
それを見たアーサーは、船員にアルフレッドを
拘束するように言い、菊に自身のコートを着せた
「ちょっと待つんだぞ!俺は何もしてないんだぞ!!」
「さっきのあれを見て何をしてないは無理があるぞ?アル」
「ちょっと待っていください!アーサーさん!」
「ああ、菊怖かったな。だから1人で外に出るなと言っただろ?」
「本当に違うんです!」
「アーサー少しは菊の言い分を聞くある。それとも婚約者の話すら聞けないあるか?」
「…」
「なに、本当にやってたら始末すればいいだけの話ある。お前なら慣れてるんじゃないあるか?」
「しまっ!?…アーサーさん!」
腕を組み冷静に言う耀とは対照的に
焦った瞳で自分見る菊
アーサーは、はぁとため息を吐きながら
自身の髪を掻き上げ言う
「何があったんだ菊」
「ジョーンズさんは、私を助けてくださったんです。あの、そのイルカが泳いでいると聞いたので 見てみたくて、手すりから身を乗り出してみていたんです。そしたら、着物に足を取られてしまって船から落ちかけてしまったんです。そこでジョーンズさんが腕を引っ張って助けてくださったんです」
「……本当なのかアル」
「そうだよ。君ったら酷いじゃないか。すぐに拘束するなんて」
「そうか、悪かったな。もう帰っていいぞ」
アーサーは、興味もなさげに言う
そんなアーサーを見て耀は、
菊の肩を掴んで歩き出すアーサーを見て言う
「コイツは、菊を助けたある。おめぇらがどんな関係かは知らねぇあるが、婚約者の恩人に何もしない気あるか?」
「……おい、フランシス。アルに30ドルほど渡してやれ」
「はぁ…はいはい。坊ちゃん」
「30ドルだけあるか?我の弟は、そんな安物じゃねぇあるよ」
「…はぁ。Mr.ジョーンズ、俺のフィアンセを助けてくれたこと感謝する。 ぜひ、明日のディナーに
参加してくれ」
「of course!喜んで受けるよアーサー」
ニコニコと笑いながら言うアルフレッドを
尻目に、アーサーは耀に
「お前は、弟の恩人に礼はしねぇのか?」
と憎たらしく言う。耀は、
そうあるなぁと考え、
「そのディナーで着る。スーツ貸してやるある。その様子じゃ持ってないあるな」
と言う。アルフレッドが頷くと
耀は、決まりあると笑った
「残りの礼の金は、後で使いの者に持ってかせるある」
耀は、そう言うと
自身の船室へと歩いて行った
菊は、部屋に戻る直前振り返り
アルフレッドに軽く頭を下げた
アルフレッドは、手を振りながら
アーサーと共に歩いて行く菊を見送る
「おい」
そんな声がして振り返る
そこにはフランシスがいた
「久しぶりだな。アルフレッド」
「Hi、フランシス」
「お前相変わらず変わってねぇな」
「君もね」
「なぁ、アルフレッド。お前アーサーに目つけられてんぞ」
「そんなの知ってるさ」
「まぁ昔からだしな。母親違いの兄弟。権力を求めたアーサーと自由を求めたお前」
「アーサーとは、元々気が合わなかったんだぞ」
「まあな。あ、ほらコレ金」
「え、くれるのかい?」
「いいんだよ。どうせアイツの金だし自立祝いってことで」
「なんだい、それ。遅いんだぞ」
「もらえるだけありがたいと思え」
「それもそうだね。ありがたく貰っとくよ」
「じゃ、俺もう行くから。じゃあな」
「good night」
フランシスは、そう言うとアーサー達が
消えて行った方向へと歩いて行った
コメント
4件
投稿感謝です…✨️✨️ なんというか、読み終わった後すごい満足感でした…!!!(語彙力は読んでいる途中で逝きました) 続きめちゃくちゃ楽しみです…!!✨️
ちょい18あるのすこ あ、私菊ちゃんの言い分に出てきたイルカですどーも(?)