テラーノベル
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大森口調変わります。
昼休みのチャイムが鳴った瞬間、若井は席を立とうとした。
が、その動きを読むように、大森が言った。
「おい、若井」
「……なんですか」
「その資料、昼までにまとめろっつったよな?まだ終わってねぇじゃん」
「昼、ですけど」
「は?言い訳?お前さ、俺の時間奪ってる自覚ある?」
若井は一瞬、拳を握った。
けど、吸い込んだ息と一緒に飲み込む。怒りも、言葉も。
「……すみません」
「わかってんなら、さっさとやれ。休憩?ねぇよ。お前にそんな権利はない」
「……はい」
大森はくるりと椅子を回し、足を組んでコーヒーを啜る。
明らかに暇を満喫してるその姿が、憎らしいくらい堂々としていた。
「ったく、俺がいなきゃこの部署終わるってのに、なんで俺が動かなきゃいけねーんだよ」
「動いてないの、大森先輩じゃないですか」
ぽそっとこぼれた言葉に、大森の視線が鋭く向く。
「……今なんつった?」
「なんでもないです」
「へぇ〜、言いたいことあるなら言えよ。お前の“責任”に上乗せしてやるからさ」
その言葉に、若井は机に視線を落とす。
笑ってる大森の顔が、視界の端でちらついた。
「嫌いです、本当に」
「そう言いながら俺に従ってるじゃん。……かわいい後輩くん」
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