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彩
今回は読み切りサイズです!
僕ヤバの中学生卒業後を想像して書いたので是非お楽しみください!
僕は、市川京太郎。
「市川!」
弾むような声で僕の名前を呼ぶのは、山田杏奈。
中学を卒業し、僕らは高校生になった。
卒業式以来、久しぶりに会う山田は、春の陽光を浴びて前よりもずっと大人っぽく見えた。
「……しばらく見ないうちに、綺麗になったな」
「自分磨きだよっ!」
そう言って胸を張る姿は、僕の知っているいつもの山田で、少しだけ安心する。
「というか、市川こそ……変わったね」
山田が僕の顔をじっと見つめる。そう、僕も変わったんだ。
鬱陶しかった前髪を切り、両目がしっかり見えるようにした。さらに髪をかきあげてセンター分けに整えた僕の姿は、鏡で見ても別人だ。
「市川が……モテちゃう。どうしよう!」
「……中身は変わらないぞ」
「でも! か弱い女の子が『あの人かっこいい……♡』って惚れちゃうかもしれないじゃん!」
「あー……。その時は、ちゃんと断るから。彼女がいるからって」
「っ……!」
直球すぎる僕の言葉に、山田はブワッと顔を赤くして視線を泳がせた。
顔を手で覆って隠そうとする彼女の隙間から、真っ赤な耳が見える。
「なんだ? 照れたのか。可愛いな、お前」
「も、もう! 市川ぁ……!」
少しからかいすぎてしまった。けれど、そんな反応の一つ一つが愛おしくてたまらない。
「なぁ、山田。久しぶりに……僕の家に来ないか?」
「えっ」
「い、いや! 変な意味じゃなくて……中学時代の話を、改めてしたいんだ」
「……!」
山田は一瞬驚いたような顔をしたあと、ひときわ明るい笑顔で頷いてくれた。
***
「お邪魔しま〜す」
「……違うだろ」
「え?」
「おかえり」
「……! うん。ただいま!」
不意に口を突いて出た言葉。まるで夫婦みたいだと苦笑いしながらも、僕は山田を自室へと促した。
棚から取り出したのは、少し埃を被った卒業アルバムだ。
「こうして振り返るとさ。僕は、山田に出会って本当に変わったんだ」
山田は膝を突き合わせ、僕の言葉を一つも漏らさないように真剣に聞いている。
「僕は、自分のことを醜い存在だとしか思っていなかった。でも、そんな僕に救いと……人を愛することを教えてくれたのは君だ。本当に、救われたんだよ。高校生になって会う機会が減ったとしても、僕は大丈夫だ。離れていても、ずっと一緒だと思ってるから」
「……っ、うん!」
山田が満面の笑みで相槌を打つ。その瞳には、隠しきれない熱が宿っていた。
「私も、市川と同じだよ。市川がいなかったら、私は仕事だって続けられてなかったかもしれない。市川が、私に『仕事が好きだ』って気づかせてくれたんだ。それと同時に、どんどん市川のことが好きになっていったの」
山田が少しだけ声を弾ませて続ける。
「ねぇ、運命の赤い糸って信じる?」
「……あぁ。偶然出会った二人が、見えない糸で結ばれているっていう、あれだろ?」
「そう。私ね、時々……本当に運命なんじゃないかって思うんだ」
「なんでだ?」
「だって、中学一年の時は不登校気味だった市川が、二年になって私と出会って、一緒に笑えるようになった。これって、赤い糸が私たちを引っ張ってくれたからなんじゃないかなって……そう思っちゃうんだ」
「……確かに。そうかもしれないな」
「だからね、これからもその赤い糸が切れないように……お互い支え合って、生きていこうね」
気づけば、僕は山田の柔らかな腕の中にいた。
ぎゅぅっと、骨が軋むほど強く抱きしめられる。僕も負けじと、その温もりを確かめるように抱きしめ返した。
あぁ……山田は、こんなに温かい。
この温かさを絶対に逃さないように。僕は僕の人生を、彼女と共に必死に生きていこう。
きっと、僕らなら大丈夫だ。
はい!どうでしたでしょうか!
ぜひぜひ♡とコメントなどしてくれると嬉しいです!
それではまた次の物語で会いましょう!
おつヤバー!!
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