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そんなやり取りをしていると、後ろから子供たちの泣き声が聞こえる。あれ、子供たち、もう一味と合流してんのか…!?

俺とローがほぼ同時に後ろを見ると、こちらに走ってくる子供たちが見えた。



「やっぱり中に誰かいるじゃねえか!!」



俺たちの横をそこそこ大きなものが横切り、扉をぶち破った。はしゃぐ子供たち。それからフランキーに群がる男の子たちがフランキーと一緒に決めポーズを決めていた。呑気すぎるだろ。ほら見ろスモーカーさんの顔を。困惑しきってるじゃねえか。久しぶりに見たわあんな顔。

一通りのんびりとしたやり取りが終わってから、ようやく俺とローに気づいた麦わらの一味たち。おせぇ~……。



「あんた、見覚えある!」

「そうだ! シャボンディにいた奴だぞ!」

「まさか、子供たち閉じ込めてたの、あんたたち? この外道! この子たちは――」



ナミの言葉を遮って俺の体がふわりと宙に浮かぶ。大きな子供に持ち上げられたのだ。



「狐のお兄ちゃん! 本当に助けが来たよ! お兄ちゃんの言う通りだった!」

「だから言っただろ、必ず来てくれるって。それよりもごめんな、今日のおやつの時間サボっちまって」

「ううんっ大丈夫!」



にぱっと可愛らしい笑顔を浮かべて、俺は代わる代わる大きな子供たちの手を移動して、感謝される。感謝は助けたナミやチョッパーに言うべきだろうに……まあいいか。



「どういうこと…? あれ、あんたの連れよね?」

「…………」



ふいっとそっぽを向くロー。子供の手から降りようとした時、急に子供が走り出した。海軍を視認したサンジが裏口に行けと適当なことを言い出したのだ。



「うおっ、ちょっ、待て待てっ! あれ海軍だぞ!?」「ヤだっ! あの人たちやくざみたい!」「ングフッ」



思わず吹き出してしまった。確かにG-5の海兵はヤクザみたいなもんかもしれねえけど……!



「っつーかやべえって。どんどんローから離れてく。ロー!」



ローの名を呼んだが、一瞬視線をくれただけで特に何も言わなかった。このまま子供たちといていいということだろうか。ぼんやりとそんなことを考えれば、次にローがROOMを展開させたのが見えた。あぁ、邪魔、ってことね。


「一応戦えるのに、失礼だよな」

「お兄ちゃん?」

「なんでもない。ここで立ち止まったらローの、トラの兄ちゃんの射程範囲内かもしれねぇ」

「急げ、アチョー! こっちだ、子供たち!」

「裏口を探すぞ!」

「待たれい! 戻ってくれ! 今の男でござる、拙者を斬った男は!」

「えっ、ホントか? じゃ、あいつがお前の体持ってんのか?」

「いや! それはおそらく違うが……」

「じゃあ話は後だ」

「ちょっと待ってくれ! 手がかりがあるかもしれんのだ」

「裏口を探すのが最優先! 海軍のところへは戻れねぇ!」

「あんたなんか知らないの?」



ナミに急に聞かれ、俺は首を横に振る。



「前の方に俺を放り投げてくれ」

「え、いいの…?」

「大丈夫だ」



俺を手のひらの上に乗せていた子供に言えば、少しためらった後にぽいっと投げた。俺は月歩を使って空中を蹴ってから着地する。



「ローから侍をバラしたことは聞いたが、身体がどこにあるかは知らない。ローは1から100まで俺に教えてくれるような奴じゃねえからな」

「クウ…ッ」

「それらしい扉が見当たらない。裏口はどっちかしら?」

「よ~し、スーパー俺に任せろ!」



フランキーがそう言って俺たちより少し先を進む。



「おい、こりゃなんだ? 薄い膜みてえな……」

「やっべ、ローのROOMだ」

「はぁ!?」



サンジの驚きの叫び声と共に、俺と子供たち、そしてサンジが持っている侍以外がまるで背後から撃たれたように体を仰け反らせた。あーあ、精神シャンブルズされたな。



「何だ? 変な感じだった……。ええい、いまはそれどころじゃねえか! さあ、急いで走れクソガキども!」

「アチョー! アチョー!」

「もう…こんなときに何バカやってんのよ、サンジくん!」

「今週の俺はスーパー! 裏口ぐらいすぐに見つける!」

「ええ…?」

「お、お兄ちゃんたち、何か違わない?」

「えっ? どこが? ……そういえば胸が軽いような……」



フランキーが己の胸を確認してから、甲高い悲鳴のようなものをあげた。アニメだと声が変わってるけど、実際は声帯変わってねえからな……フランキーの甲高い声と女性っぽいセリフはまあまあキツイものがあるぞ。それから4人が立ち止まる。



「み、みんな! 落ち着いて! そうだ! 点呼を取りましょう!」



フランキーの中に入っているナミが点呼を取る。チョッパーと呼ばれ返事をした体はサンジ。フランキーと呼ばれ返事をした体はチョッパー。サンジと呼ばれ返事をした体はナミだった。



「「一体どうなってんの!?」」

「ちょっと! 説明しなさいよ!!」



フランキー(ナミ)が俺の体を持ち上げて言う。



「わかった、わかったから放せ……」



俺は狐の面を外す。俺の顔が露わになったことで麦わらの一味がまた表情を驚きに変えた。



「あ……あんた、ジェイデン!? ルフィの友達の!」

「そうだ。で、あんたらの体と中身が一致していないのはローの能力によるものだ。〝シャンブルズ〟展開したROOM内に存在するあらゆるものの位置を一瞬で入れ替える能力だ。大抵は実体のあるものを交換することによって瞬間移動何かをするのが主だが、今回は実体のない人格の交換だな」

「淡々と説明しないでよ! 戻る方法は!?」

「ローにもう一回シャンブルズしてもらうしかねえな」



俺がそう言うと、フランキー(ナミ)ががっくりとうなだれた。まあ、気持ちはわかるけど。



「じゃあ裏口! 裏口はどこなの!?」

「裏口はあっちだ」



指差すと、そのままそっちの方へ走る。裏口から出て、山道を走る。

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