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山道をしばらく歩いていたのだが、軽装の子供たちは寒さで足を止めてしまう。このままだと凍死してしまうな……。
「…いったんみんなでくっつき合ってくれ」
「狐のお兄ちゃん…誰が誰なのかわかんないよ…」
「トラのお兄ちゃんはやっぱり怖い人なの…?」
「上手く弁明できないのがもどかしいところなんだが……。皆に怪我させるような奴ではないよ。俺の友達だから」
「でも…」
子供たちは顔を見合わせる。しょうがない。会った時に印象を上げるようなことをするか。俺と仲良さそうにしてたら警戒心はなくなっていくだろ。多分…。
「おのおの方、頭上に葉っぱを載せよ」
「ああ? 何言ってんだこんな時に! ガキが凍えて倒れてんだよ!」
「それに、この島は草木1本生えてねえ! 葉っぱもねえよ!」
「では、代用に石でもなんでも構わぬ。急げ!」
侍の言葉を聞き、俺は石や瓦礫のカケラを集めて子供たちに渡す。子供たちは戸惑いながらもそれを頭の上に載せた。
「やったぞ、これがなんだ?」
「寒くなくなる呪いなんて嘘くせえ真似しやがったら張り倒すぞ!」
「…よし! ……ドロン!」
次の瞬間、頭の上に石なんかを載せていた面々にコートや靴が装着していた。
「注意しておくが、妖力ゆえ、その服は脱げば消える」
「聞いたか? みんなコートや靴は脱いじゃダメだぞ」
「悪魔の実の能力者だったの?」
「はて? 悪魔?」
「しっかしお前……こんなことできるならはじめっからやれ!!」
チョッパー(フランキー)に殴られる侍だった。俺はため息を吐いてから侍の頭部を拾う。
「大丈夫かー…?」
「お前絶対痛いとか寒いとか言わないんだな」
「武士ゆえ……」
俺とサンジ(チョッパー)で呆れていると、遠くから声が聞こえた。
「おーい! おーい!」
「ルフィたちだ! ゾロ! ウソップ! ロビン! ブルック! 会えてよかったぞ!」
「アホやってないで一旦あの中に避難するぞ」
俺たちは一度、適当な穴倉の中に入り込んで吹雪をしのぐことにした。