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なちょすん✌️
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ホノラ
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暖かい春の風が、窓際のカーテンを揺らしている。
午後の光が差し込む部屋の隅で、エミールはひとり古い本のページを捲る。紙が擦れる音だけが、静かな空間にこだまする。
―「また読んでるの?」―
不意に聞こえた声に、エミールは顔を上げる。
開けっ放しの窓の向こうで、クララが笑っている。太陽に照らされたひまわりのような、明るい笑顔。
「こんなに良い天気なのに、勿体ないわ」
彼女はそう言って窓枠に肘をついた。そして、呆れたように目を細め、僕を見つめる。
僕は少し視線を落とし、本を閉じる。
「…別に」
「別に、じゃないでしょう?」
クララはくすりと笑うと、そのまま僕の部屋に入り込む。僕の口数が少ない事は、彼女はずっと前から知っていた。
机の上に置かれた本を覗き込むなり、彼女は首を傾げ、顔をしかめる。
「難しそう」
「君には向かない」
「ひどい」
そう言いながらも、クララは楽しそうに笑った。
その笑い声を聞いていると、不思議と心が落ち着く。
僕は窓の外に目を向けた。
青空の下、風に揺れる赤い花。
「…あれ、好きなの?」
クララが僕の視線を追って尋ねる。
僕は少し間を置いて、こくりと頷く。
「…ポピー」
「へぇ、エミーはこういう花好きなんだ」
「…………」
僕は黙り込む。けれどもクララは気にする様子もなく、窓の外に身を乗り出す。
「綺麗ねぇ」
春の心地良い風が吹く。
赤い花びらが、陽の温もりの中で揺れていた。
―この幸せが、いつまでも、永遠に続く気がした。―
エミール・ヴァイス
物静かな青年。クララには昔助けてもらった
クララ・フォーゲル
明るい女性。エミールに片想いをしているかもしれない
読んでくださってありがとうございました
コメント
1件
いや〜、めっちゃ良い雰囲気…! 静かな春の日にエミールとクララが過ごす何気ない時間なのに、ふたりの距離感とか空気感がすごく丁寧に描かれてて、心がじんわり温かくなったわ。特に「ポピー」の花の話、エミールがあんなに短い返ししかできないのにクララが気にせず一緒に揺れてくれる感じが尊い…。「永遠に続く気がした」の一文で胸がギュッてなった。続きめっちゃ気になる〜!