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『…はぁ、何時になったら出れるんだろう。』

『……食事が喉を通らない、』

 

 

 

食べて早く元気になれば退院出来る事ぐらい分かってはいる。…だけど、

 

 

 

どうも食欲が無い。

 

脳内では常に【曲作り】の事しか考えていないせいか食の事が抜け落ちている…のかもしれない。

 

 

 

曲が作れないのが私にとってどれだけ苦痛か、皆は分からないんだろうな…

 

 

 

 

 

「__奏、またご飯食べなかったの?」

 

 

 

『ぁ、まふゆ……、ごめん、食欲、無くて。』

 

 

 

一口も手を付けていないお粥とゼリー。

 


折角作って貰ったんだから、勿体無いから、食べなくては行けない。のに…

 

 

 

 

「…ゼリーだけでも食べてみたら?」


 

 

『……食べれる、かな…』

 

 

 

「1口ぐらいなら食べられると思う。」

 

 

 

『…じゃあ、1口…だけ、、』

 

 

 

震える手でゼリーを口へと運ぶ。 

 

優しく甘い、りんごの味が広がった。

 

 

 

『…美味しい、』

『…けど、もうお腹いっぱいかも……』

 

 

 

「胃が小さくなってるんじゃない」

「…だから、少しずつゼリーだけを食べる様にしたら良いと思う。」


 

 

『そうだね…ありがとう、まふゆ』

 

 

 

まふゆは無理に食べろと言わず、優しくどうしたらいいかを提案してくれた。

まふゆは、流石だな…

 

 

 

 

「……そういえば、この前アップロードした曲…何時もより伸びが良いよ。」

 

 

 

『そうなの?…ふふっ、頑張ったから嬉しいな。』

 

 

 

「………奏」

 

 

 

『ん?』

 

 

 

 

「…」

 

 

 

静かになった病室で、まふゆがゆっくりと口を開いた。


 

 

 

「……次からは、私…達に頼って欲しい、」

 

 

 

『…え』

 

 

 

「…だって、奏が絵名や私、瑞希に『頼って欲しい』って言ってたのに……結局、奏は私達を頼ってくれなかった。」

 

 

 

『それ、は…』

 

 

 

「……だから次からは頼って。」

「ミク達でも…いいから、、、」

 

 

 

『………心配掛けてごめんね、まふゆ…』

『…分かった、頼ってみるよ』

 

 

 

「うん……」

 

 

 

少しだけまふゆは微笑んだ…様な気がした。

 

 


ボクと私達の生存交換日記

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