コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『…はぁ、何時になったら出れるんだろう。』
『……食事が喉を通らない、』
食べて早く元気になれば退院出来る事ぐらい分かってはいる。…だけど、
どうも食欲が無い。
脳内では常に【曲作り】の事しか考えていないせいか食の事が抜け落ちている…のかもしれない。
曲が作れないのが私にとってどれだけ苦痛か、皆は分からないんだろうな…
「__奏、またご飯食べなかったの?」
『ぁ、まふゆ……、ごめん、食欲、無くて。』
一口も手を付けていないお粥とゼリー。
折角作って貰ったんだから、勿体無いから、食べなくては行けない。のに…
「…ゼリーだけでも食べてみたら?」
『……食べれる、かな…』
「1口ぐらいなら食べられると思う。」
『…じゃあ、1口…だけ、、』
震える手でゼリーを口へと運ぶ。
優しく甘い、りんごの味が広がった。
『…美味しい、』
『…けど、もうお腹いっぱいかも……』
「胃が小さくなってるんじゃない」
「…だから、少しずつゼリーだけを食べる様にしたら良いと思う。」
『そうだね…ありがとう、まふゆ』
まふゆは無理に食べろと言わず、優しくどうしたらいいかを提案してくれた。
まふゆは、流石だな…
「……そういえば、この前アップロードした曲…何時もより伸びが良いよ。」
『そうなの?…ふふっ、頑張ったから嬉しいな。』
「………奏」
『ん?』
「…」
静かになった病室で、まふゆがゆっくりと口を開いた。
「……次からは、私…達に頼って欲しい、」
『…え』
「…だって、奏が絵名や私、瑞希に『頼って欲しい』って言ってたのに……結局、奏は私達を頼ってくれなかった。」
『それ、は…』
「……だから次からは頼って。」
「ミク達でも…いいから、、、」
『………心配掛けてごめんね、まふゆ…』
『…分かった、頼ってみるよ』
「うん……」
少しだけまふゆは微笑んだ…様な気がした。