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次の日。彼女の机には沢山の悪口が書かれていた。初日に群がっていた男共は3人組が関わっていることに気づいているからか彼女を心配する様子は無い。
「あれー?佐藤さーん。ソレどーしたの?かわいそー」
「私達が綺麗にしてあげる」
どこからか持ってきた水を机にかけた。3人組はニヤニヤしている。気持ち悪い。
「綺麗にしようとしてくれてありがとう。あとは私がするから。」
彼女はとても落ち着いていた。
彼女はわかっているのだろう。何か反応を見せればヤツらは面白がってもっと何かをしてくるということを。だけどヤツらはその程度でいじめを辞めたりしない。1度目を付けられれば逃げることはできない。
3人組は苛立ちをあらわにしつつ、彼女の席を後にした。
「佐藤さん⋯」
「あら、見てたのね。」
「大丈夫ですか?」
「このくらい平気」
彼女はいつものように微笑んだ。
その姿はまるで女神のようで、何度も目を奪われてしまう。
―数週間後―
彼女へのいじめが無い日はなかった。
水をかけられ、机に落書きをされ、授業中にはゴミを投げられ、勉強道具を隠され⋯
あの3人組がする中でもまだ良い方だ。
この数週間私もクラスのヤツらもただ見ていることしか出来なかった。
私が唯一することが出来たのは声をかけることだけ。いつも大丈夫の一言が返ってくる。そろそろキツイはずなのに。
だが、ここからが本当の地獄だった。
その日はいつもと違っていた。
いつにもまして3人組は楽しそうにしていた。いつもなら朝から彼女に何かを仕掛けるはずなのに今日はまだ何も無い。嵐の前の静けさなのだろうか。
結局その日は特に何も無かった。
何も無いのはいいことだが私は安心することは出来なかった。彼女が心配だ。そんなことを思っていても何かをすることはできない。
自分に勇気があれば⋯
そんな事を思い帰ろうとしていると鈍い音が聞こえてきた。私の他に人の気配は無い。怖いが気になる。震える手に気付かないふりをして私は見に行った。
そこには3人組と彼女と⋯
「3年⋯」
明らかに力のありそうな男がいた。
まさかと思い男の陰に隠れた彼女をよく見ると、白い肌は赤く染まり、綺麗な黒髪は短くなっており、大きな瞳に光はなかった。
あぁ、貴方が汚されてしまった。
「許さない。」
⋯