テラーノベル
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続きです。
夕暮れ時。
工房の扉が、勢いよく開いた。
「……っ、ただいま」
少し息を切らせたユリが立っていた。
髪は崩れ、服には森の湿気と泥の跡。
その腕の中には、真っ白なチューベローズ。
「おかえり。大丈夫だった?」
「……まぁね。想像よりはキツかったけど、ほら、これでいいんでしょ」
「うん、最高だよ。とりあえず、こっち座って」
私は工房の奥へと彼女を促した。
椅子に座らせると、手早くハーブティーを淹れる。
「これ飲んで。休んでて」
「……あったけ」
YURIは少しだけ肩の力を抜いて、カップを両手で包んだまま息を整える。
「……なんか、ここ、落ち着くのむかつく」
「ふふっ、それはよかった」
私は軽く笑って、作業台へ戻った。
彼女が取っていきたチューベローズを軽く確認しながら、手早く器具を並べていく。
フラスコ、蒸留器、抽出液。
私は調香を進めた。
・・・
数時間後。
調合を終え、私は乳白色の液体が満ちた小瓶を手に取った。
(……できた)
そう思って、振り返る。
けれどそこに彼女の姿はなく、代わりに狭いソファの上で丸くなって眠っているYURIがいた。
さっきまでのツンとした雰囲気とは違う、少し幼い寝顔。
しばらく、そのまま見つめていると——
「……なに? 私の顔に何かついてる?」
かすれた声が返ってきた。
「んーん。完成したから渡そうと思ってね」
私は小瓶を軽く掲げる。
「……レシピ通り、完璧な“秘薬”だよ」
YURIは気だるげな様子のまま身を起こし、小瓶だけは少し丁寧に受け取った。
乱れた髪を押し込むようにファー帽子を被り直す。
「あ……そういえば、報酬。いくら払えばいい?」
彼女がおもむろに財布へ手を伸ばしたので、私はそれを制するように、小さく首を振った。
「うーん……そうだなぁ。お金はいらないから、その本、しばらく貸してくれない?」
「え? そんなんでいいの? アンタ、これだけの仕事しといて……」
意外だったのか、呆れたように息をつきながら、それでもどこか放っておけないものを見るみたいな目で私を見てくる。
「あはは。いいんだよ、材料も取ってきてくれたしね」
「その代わり……これからも、困ったことがあったら私を頼って。今後もご贔屓に、ってことで」
YURIは少し黙って、それから小さく息を吐いた。
「……変なの。ま、アンタがいいならいいけど……」
立ち上がり、軽く手を振る。
「じゃあね、天才さん」
「うん。気をつけて」
私は、いつものやわらかな笑みで彼女を見送った。
工房の片付けを終え、ようやく一息つこうとした、その時。
ドンドンドン——!
静寂を叩き割るような音が、扉越しに響いた。
「……はいはーい、どなた……?」
扉を開けた瞬間、熱を帯びた影がなだれ込んでくる。
「……っ、……なお、こ……ぉ……」
「わっ……!? ユリちゃん?」
彼女はそのまま壁に背を預け、ずるずると崩れ落ちる。
大きなファー帽子はどこかで落としてしまったのか、乱れた髪の間から覗く小麦色の肌は、真っ赤に火照っていた。
「どうしたの、そんなに息切らして……」
「……なんか、……おかしい……っ」
「さっきの……香り、つけたら……」
彼女は私の白いドレスの裾を、熱い指先でぎゅっと握りしめた。
「……落ち着いて。どんな感じ?」
「……わかんない、……でも、……なんか、奥の方が……ずっと熱くて……っ」
その瞳は、焦点も定まらないまま、ただ救いを求めるように私を見上げている。
「……おかしいな。……ちょっと待って、もう一回レシピを確認しようか」
私は彼女の体を支えながら、本のある調香室へと向かった。
彼女を調香台の上に座らせ、そばに広げたままの古書を覗き込む。
解読したばかりのページ。
その端にある、シミのような汚れを指先で払った。
「……あ。」
「……え、……な、なに……?」
「ここ——」
私は小さく読み上げる。
「”ただし、夜の刻においては、決して身に纏うこと勿れ”……だって」
「……は……?」
一瞬の沈黙。
「……ごめん、これ見落としてたや」
「……っ!! ……ごめん、じゃ……済まないでしょ、……これぇ……っ!!」
彼女は私の首元にあるチェーンタイを力任せに引き寄せ、私と視線を無理やり合わせる。
「……なおこのせい、なんだから……っ。……責任、……取ってよ……っ!!」
「……うーん、責任、かぁ」
調香台に広げた古書へ視線を落とす。
『熱のすべてを、身体の端々より溢れさせ、解き放つべし』
滲んだ文字を指でなぞりながら、小さく息を吐いた。
「このままだと、感覚が増幅しすぎて精神が壊れちゃうかも」
ユリの肩がびくりと震える。
「解決方法はたぶんこ――」
「わかってんなら、早くなんとかしてよ……っ」
怒鳴る元気すら削がれているのか、ユリはぐったりと私を睨む。
その視線が、逆に“逃げられない”感じを強くしていた。
私は彼女の髪を耳にかけながら、小さく笑う。
「分かった、なおが責任持つから」
彼女の顎に、そっと指をかける。
「……だから、そんな不安そうな顔しないで」
私は呼吸を奪うように、深く、重く、唇を重ねた。
ただの口づけじゃない。
彼女の体内に溜まった「毒」を、私の舌先で直接吸い上げるような、執拗で深いキス。
ちゅっ、ぐちゅ、じゅる……。
逃げられない体勢で攻め立てられ、YURIは息苦しいのか、私の背中を何度も叩いてくる。
「ぷはぁっ……!! げほっ、ごほっ……! はぁっ、はぁっ、はぁ、はぁ……っ!!」
ようやく唇を離すと、彼女は肺に溜まったすべてを吐き出し、狂ったように酸素を吸い込んだ。
「……っ、……なにすんの……っ!?///」
彼女は大きく肩を上下させながら、真っ赤な顔で私を睨みつけてくる。
「んー? 効率よく“抜く”なら、この方が早いかなって」
私はおっとりした調子で言いながら、閉じ込めたままの彼女の手首を掴み、そのまま彼女を後ろへ押し倒した。
「…ちょっと、なおこ……っ」
私はもどかしいボトムスを取り去ると、指先でそっと、じっくりと熱を持った場所を撫でる。
「あっ♡、……ふ…っ」
YURIはビクッと身体を震わせ、私の白いドレスの肩口を強く掴んだ。
彼女の肌からは、悪魔的な甘い香りと、彼女自身の幼い匂いが混ざり合った、脳を痺れさせるような芳香が立ち上っている。
(……これ、私の方が香りに酔っちゃいそう……)
「ユリちゃん、すっごくいい匂い」
「……あ、……ん……っ! ……なにいって……っ、……ぁっ!!♡」
粘つく音を立てて、さらに執拗にそこを弄り回した。
中に入れず、指の腹で彼女の一番敏感な場所を、じっくりと、逃げ場を奪うように押し潰す。
「……はぁっ♡、……んぅ、あ……っ♡、……やだ、……っ!////」
外側だけで、面白いように彼女の身体が跳ねる。
私が指を動かすたびに、閉じ込めた彼女の手首が、私の腕の中で力なく震えていた。
「外側だけでこんなにビクビクしてる……ここ、そんなに気持ちいいの?」
「……っ、……うるさ……い……っ/// ……あんたの……せいでしょ……っ あ、んぅっ……♡」
指先で熱い突起を転がし、弾くたびに、彼女の喉から甘い悲鳴が漏れ出す。
その声に呼応するように、彼女から立ち上る香りはさらに湿度を増し、私の理性をじわじわと削り取っていく。
「……あ、……あぁっ!……だめ、……まって、……なお、こ……、……ッツ////!!♡」
彼女の身体が限界を迎えて大きく反り返った。
「……っ、……はぁ……っ、はぁ……っ……」
YURIは力なく崩れ落ち、虚脱感の中で激しく肩を上下させた。
(……これならもう、毒はだいぶ抜けたかな?)
私は彼女の乱れた髪をそっと撫でて、処置を終わらせようと身を引こうと離れた瞬間。
「ね、……ねぇ……っ、まって、……いかないでよ……っ」
力なく横たわっていたはずの彼女が、去ろうとする私の服の裾を、震える手でぎゅっと握りしめた。
「……ユリちゃん?」
「……まだ、……あつい、の……。……ここ、ぜんぜん、おさまってなくて……っ////」
彼女は羞恥に顔を真っ赤に染め、今にも泣き出しそうな瞳で私を見上げてくる。
「……なおこ、お願い……っ」
「え?」
私が驚いて見つめると、彼女は羞恥に顔を逸らしながらも、私の手首を掴んで、自分の太ももの間に無理やり引き寄せた。
「もっと、して……?////」
長くなってしまった…
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