テラーノベル
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突然だが、君は霊を信じるか?
信じる人もいれば、信じない人もいる。
そんな迷信なものだが、
こんな質問はどうだろう?
人は死んだらどうなると思う?
無になる?天国へ行く?誰にも分からない。
分からない事を、人間が勝手に想像し、
作り出しているのだ。では、もし人が死んだ後、人の恨みから魂の怨霊となり、
その”魂が集まった塊”が人を怨み、
“対象の人だけ”を殺しているのだとしたら?
これは怠惰な人間の、
たった1ページを描いた物語である。
静寂が続く、帰り道。寒気が肌に触れる中、
血塗れで倒れている女の子を見つけた。
左腕は無く、腕の断面からは大量の血が出ていた。顔はまるで眠っているみたいだった。
私は静寂を切り抜け、焦って女の子に心配の声をかけた。
「ねえ!君!大丈夫!?」
女の子はすっ……と目を開けると、切れた腕の断面を抑えながら言った。
「あー。お姉さん。早く帰って。関わらないで。私は大丈夫だから。」
どう見ても大丈夫ではない。
「お姉さん。死にたいの?」
「え?いやこのままだと死んでしまうのは君で……早く手当をしないと……」
「……!?お姉さん危ない!!」
「…?」
一瞬のことだった。瞬きをしたと同時に、
私の体は突き飛ばされていて、眼前の女の子の
もう片方の腕が。空へと吹き飛んでいた。
目の前で何が起こっているのか。
理解が追いつかなかった。
女の子に突き飛ばされた私。
両腕が無い女の子。
そして、大きな牙を剥き出しにして
吹き飛んだ女の子の腕を咥え貪っている、
正体不明の。
巨大な化け物だった。
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