テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
新キャラ出てきます!
yool(死ぬほど私の解釈です地雷だったらすいません)
優しくて明るくてちょっとだけ過保護なやつ
例えると八百屋のおっちゃん風
___________________________
今日はクリスマス-
「……さむ。ってか無理。冬、無理」
「え〜〜〜でも雪積もってんじゃん!?遊ばなきゃ損でしょ〜〜!」
白く染まった街を、もこもこコートにぐるぐるマフラー、そしておそろいの手袋で完全防備したHoolaとHyeheheが、寒さに震えながら歩いていた。
「……ていうかお前、手袋の中にカイロ入ってんの、ずるいだろ」
「へへっ、勝負は情報戦ってことで☆」
2人は冬が苦手。だけど今日だけは外に出たかった。
理由はひとつ――「雪合戦したいから」!
「よーしっ!こっち来いHyehehe!!いま完璧な球できたから!!」
「そっちこそ来い。返り討ちにしてやる」
楽しげに追いかけっこをしていたその時、
公園の広場に、ひとりの目立つ人物がいた。
⸻
「お〜〜っほっほっほ!やってるやってるぅ〜〜!!若いねぇ!!」
「……あれ?あれってYoolじゃない?」
「ほんとだ……なにしてんのアイツ」
真っ白な髭に、身に纏ったクリスマスカラー、
どこからどう見ても「良い子の味方です!」って顔をしている男、Yoolがいた。
そして彼の手には、可愛くラッピングされたお菓子がぎっしり詰まったカゴ。
「おう!お前ら!メリークリスマース!!」
「うわ、出た。声でかっ」
「ちょ、Hyehehe!Yoolは超いい人なんだから!ちゃんと返事してよ!」
「……メリークリスマス」
「はい、いい返事!んでこれ、2人にプレゼント!」
Yoolはにっこにこで、ハート形のチョコチップクッキーが入った小袋を手渡してくれた。
「2人で仲良く食えよ〜〜!ま、どうせいつも一緒にいるんだから心配ねーけどな!な??」
「Yool〜〜〜!!言いすぎ言いすぎ〜〜〜!!!////」
「お前らのその“微妙な距離感”な!おっちゃんから見てもニヤニヤしちまうわ!」
Hoolaは顔を真っ赤にしながらYoolの腕をバシバシ叩き、
Hyeheheはマフラーを深く巻き直しながら「……うるせぇ」と呟いた。
「ふたりとも、いい感じになっちまえ〜〜!今夜がチャンスだぞぉ〜!!わっはっはっは!!」
「……うち、Yoolのこと一回雪に埋めたほうがいいと思う……」
「まじでそれな……」
⸻
その帰り道。
ちょっと落ち着いた街角で、Hoolaがそっと言った。
「……さっきの、めっちゃ恥ずかしかったけどさ」
「うん」
「“いい感じになっちまえ”って……なっても、いいかな?」
Hyeheheは、一瞬びっくりした顔をして、
そのあと、雪が少し降り始めた空を見上げて、静かに笑った。
「……なってると思ってたけど」
「……バッカじゃないの!?////」
Hoolaが拗ねたように顔を逸らすと、
Hyeheheはそっと、その頬に手を伸ばした。
「……いいから、こっち見ろって」
そして――
ふたりの唇が、ほんの一瞬だけ、重なった。
冷たい風の中で、それはとてもあたたかくて、
静かな鐘の音みたいに、胸を打つ瞬間だった。
「……クッキー、あとで一緒に食べよ」
「……うん。そんで、Yoolのことは雪に埋めとこ」
「賛成」
雪の降る帰り道。
おそろいの手袋を繋いで、ふたりは笑った。
⸻