ジュ優 全年齢
桜が咲き始めた頃だった。
仲の良い先輩に「一緒にYouTubeやらないか?」その言葉に俺は少し戸惑ったそれは俺がその先輩に恋心を抱いていたからだ先輩は健全な気持ちで、眼差しでこちらを見上げてくる。
身長は俺よりかなりの差があって小柄だ目が大きくて口を大きくして笑う音楽が大好きでとても我儘で自分勝手な人だ。どうして自分が先輩を好きになったのかも分からないそもそも俺はゲイではないし女の子が大好きだ。先輩もきっとそうだろう俺になんか振り向くはずない。
でも俺はこの気持ちを捨てきれていないだから俺は先輩の頼みを聞いたチャンネル名は「優里ちゃんねる【公式】」だ。先輩を軸にしてチャンネルが回った最初は俺も苗字で「木村先輩」
と呼んでいたのだが先輩の距離の詰め方がすごくていつの間にか下の名前で「優里くん」と呼ぶようになっていた。しかしYouTubeの世界は想像以上に鬼畜だった。もう無理かもしれないと1人で抱え込んでいた。途中新メンバー、優里くんの友達の「ゲンタくん」が優里ちゃんねるに入ってきた。その頃には優里くんはすっかりプロだった。かくれんぼ、かごめ、ピーターパン、ドライフラワーと新曲が出ていたその中でドライフラワーが大バズりしたみるみるうちに再生回数が増えていき、Apple Musicでは12位にも上り詰めていたこれは友人としてほんとにすごいと思った優里くんは優里くんの夢を叶えるため日々必死だった時間もたたないうちに優里くんのドライフラワーは三冠達成し再生回数もすごいことになっていたドライフラワーが人々の耳に触れたことでドライフラワーより後に出した曲たちも売れはじめていた。
優里くんの影響力はまるで滝のように凄まじかった。撮影もまともにできないくらい忙しくなっていた時に優里くんからメールがきた
「しんどいかも」それだけだった普通の人だったら心配はするものの大丈夫そうじゃんと思うかもしれない、しかし一緒に過ごしてきたからこそ分かる彼は、弱音を人に吐かないいつでも強がるんだ、俺は心配になってすぐに優里くんのアパートに駆けつけた。
インターホンを押す、、反応はないドアノブを握ると鍵はかかっていなかった「開けるよ?優里くん!」と声をかけ、部屋に入るマットレスの上で優里くんが蹲っている耳を澄ますと優里くんの啜り泣く声が聞こえた。初めて見た優里くんが泣いているところ俺は考えもせず、俺よりひと回り小さい優里くんの体を布団と一緒に包み込んだ。あれでも我慢していたのか、安心した優里くんが声をあげて泣く俺は優里くんの顔をあげて優里くんの涙を拭いた。優里くんは突然影響力を持つようになり、そのことが優里くんにとって苦痛であることを感じていた。優里くんは何かを言いたそうにしていたが、言葉にできず、涙を流すことしかできなかった。それから5分ほど泣いた後、深呼吸をして「ありがと」とつぶやいた。
時計を見ると、もう深夜の1時を回っていた。優里くんは「泊まってきなよ」と言い、俺にに一緒に過ごすように誘った。俺は優里くんを1人にはできないと思い、「うん」と答えた。
その日は優里くんへの不純な気持ちを忘れて2人で抱き合って泣きながら寝た。
幸せな夜だった
コメント
2件
最高です😭😭😭💓💓💓 ほんとにそんな事があったのかもって妄想しちゃいました🤭