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月城 蓮桜音
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耀聖(ようせい)
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耀聖(ようせい)
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205
「ここだね」
アリスが止まってと、手で合図する。
少しだけパレードの場所が近いのか賑やかな声が聞こえてきた。
あ、さっきの子。物影に隠れて何かを見てる。いったい何を?
男の子が見ている先に視線をやると、そこではひどい暴力が繰り広げられていた。小さな男の子が、大人の男二人に殴られ蹴られしている。
助けなきゃ!
走り出そうとする私をアリスが止めた。
「どうするの? リサちゃんが巻き込まれるよ。それに、話を聞くとあの子が盗もうとしたみたいだけど」
アリスの耳は会話を聞くためなのか男達の方にむいている。
手をぐっとつかまれてじっと目を見つめられた。
「でも……」
「キーヒ!」
突然叫び、男達のまえに男の子がむかった。蹴られた子が血を吐いたのが見えた。
男の子は二人の男の前に、ガタガタしながら立ち塞がる。二人の男は怒りの矛先を、立ち塞がって邪魔をした男の子へとむけていた。男の足が、小さな2つの的目掛けて、蹴りだされようとした。
行かなきゃ!
「リサ」
目の前でなんて、
「呼んで、僕達を」
見捨てられない!!
アリスの手を振りほどき、私は小さな彼達のもとに走った。
お願い!! 守って!!
「ライトっ!」
バチーン…。
男の足は、的に当たらずに弾き返された。
「なんだ、これは!? 魔法??」
驚いている男達を尻目に、私は子供達のまえに立つ。
「コイツらの仲間か?」
一人が聞いてくる。
どうしよう、勢いで走ってきてしまったけれど、この後のことなんて何も考えてない。
「ち、ちがいます!」
震える声だが、なんとか絞り出す。
「小さい子にひどいことは…、やめてください!」
睨み付ける男達の視線で、こちらに怒りが向いたのがわかった。
「あぁ? ソイツらがオレ達から金を盗もうとしたんだぜ? 小さいからって許されると思ってるのか?」
わかってる。罪は罪だ。でも、ここまでされているのを黙って見てなんていられない。
「あぁ、それともネーチャンがオレ達の怒りを慰めてくれるかい?」
ニヤニヤと、下卑た笑みで男達は問いかけてくる。二人の男達の手が伸びてきたその時、
「そこまでだよ!」
アリスが上から風をまとって舞い降りてきた。
「もう、ボクのリサちゃんは本当に困った花嫁さんだなぁ。自分から面倒事に首を突っ込んじゃうんだから」
やれやれといった感じのアリスが、護身用だろうか、煌めく刀身のサーベルを引き抜き、前方へと構えた。
柄には綺麗な紋章が装飾されていた。
「おい、あれ」
何かに気がついたのか男達が狼狽える。
「王家の紋章……」
「相手が悪そうだ、いくぞ!」
ちっ! と男達は悪態をつきながら去っていった。
「リサちゃん?」
アリスに声をかけられ緊張が緩んだのかへにょへにょと力が抜けて、私は座り込んでしまった。
コメント
1件
27話、読み終わりました!リサが「見捨てられない」と走り出すシーン、すごく胸が熱くなりました。アリスの冷静な制止を振り切って、それでも飛び込んでいく。その一瞬の判断に彼女の優しさと強さがにじんでて。最後にアリスが風をまとって舞い降りる演出も、まさにヒーローって感じでかっこよかったです。王家の紋章の伏線も気になるし、二人の関係性がまた一歩深まった印象。続きが待ち遠しいです!