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私はさもくんの横に並んで歩く。
それだけなのに、私の心臓はうるさく暴れまわっている。
……なんだ。私、やっぱりさもくんのこと大好きじゃん……っ。
久しぶりにさもくんと話せて、久しぶりに一緒に帰れるだけなのに、こんなに気持ちが高ぶるだなんて。
ほんとに、少し前までは想像できなかったな。
私が陽キャと話せるようになるなんて。
そして、お、お付き合いするようになるなんてっ…。
私は、斜め上のさもくんを見る。
やっぱり……イケメンだなぁ。
認めたくない、って少し思う自分もいるけど……っ。
さもくんはほんとに、何でもできてかっこよくて…………。
外見以外もかっこよくて、優しくて……ほんとに、 ゛王子様 ゛ って言っても何も思わない感じだった。
私にはもったいないよなぁ…って思う。
私なんて、陰キャで、バカで、良い所無しだしっ。
さもくんは何でこんな私で良いって言ってくれるんだろ。
「ななっし〜?」
さもくんが突然私の名前を呼ぶ。
「えっ?」
て、あっ!
私、さもくんの顔をまじまじとずっと見ちゃってた!!??
私はそれに気づいて、さらに顔を真っ赤に染める。
……あれ?と言うか……さもくんの顔も少し赤い……?
気のせい?
日差しのせいかっ?
「えっ、えっと…!ななっし〜、見て!空、すごく綺麗だよ」
さもくんがそう言いながら空を見上げる。
私もさもくんの言う通り空を見上げた。
「…確かに綺麗……!」
空は、茜色や紫、ピンクなどのグラレに染まっている。
「ね」
さもくんが笑う。
その笑顔にまたもや心臓がはねた。
……………そろそろ、言わなきゃ。
まず、謝ろう。
謝って……、またちゃんと話そう。
さもくん、
「「ごめんっ」」
えっ?
………かぶった…?
さもくんを見ると、さもくんも目がまん丸になっていた。
「……………」
「……………」
「「ぶはっ」」
二人とも一緒に吹き出してしまった。
と言うか………あれ。何で……、
「「さもくん(ななっし〜)も謝るの!?」」
またまた二人ともかぶってしまった。
「あは、あははっ」
さもくんが口を大きく開けて、笑っている。
さもくんの………そんな姿も、何もかもが……私は好きだなって思ってしまう。
…………だから……、ちゃんと言わないと。
「あ、あのねっ。前に電話でさもくんに酷いこと言っちゃったよね…。その……ごめんっ。あと、その………私、さもくんと話せなかった間、ずっと寂しくて、怖かった。私にはさもくんがいないとダメなんだなって分かっちゃったんだ」
………いえたっ。言えたよっ!私の思ってたこと!
自分で、わがままで自分勝手って思うけどさ、ほんとの気持ちを言わないと、何事も通じないしっ!
と、私はさもくんの顔を見る。そしたら、さもくんは目を丸くしている。
「…………ななっし〜」
さもくんが静かに私の名前を呼んでくれる。
「……俺も、ななっし〜と話せない間、どうすれば良いか分かんなかった。自分が自分じゃないみたいに何かが空っぽだった。俺、ななっし〜の事が好きで大切なんだなって分かったんだ」
さもくんはそう言いながら、やっと私の目をしっかり見てくれる。
「……あの電話の時、俺、ずっとテンパってた。あいつ(摩理之介)にななっし〜が取られるかもしれないって。それでさ、ななっし〜にああやってちゃんと言ってもらった時に、やっと正気に戻ったんだ。謝らなきゃいけないのは俺だよ」
さもくんは「ごめん」とまた言ってくる。
「いや、!謝らなきゃいけないのは私の方で……!!」
私たちはいえいえとお互いに頭を下げ続ける。
そして、それを何回かしたあと、二人一緒にまた吹き出した。
「「お互いもう謝るのやめよっかw」」
もう、悩んでたことが馬鹿らしくなってきちゃった。
「ななっし〜、これでやっと仲直り?w」
さもくんが口角を上げて聞いてくる。
「うんっ!」
私は笑うのを頑張っておさえて、元気にうなずく。
………さもくん、
「ありがと」
私は空を見上げながら、言う。
私、さもくんのこと好きだなぁ…。
…………でも、なおさら何で私は摩理之介君のほうを向いちゃうんだろ。
「ねぇ……さもくん。私ーーーー」
私は無意識にさもくんに聞こうとしていることに気がついて、言う瞬前で言葉を留めた。
せっかく仲直りしたのに、摩理之介君の事聞くのだめじゃない!!??
「ななっし〜、どうした?」
さもくんがこちらの顔を伺って聞く。
「え、えっと………っ」
私は返答に困ってしまう。
そしたら、さもくんが口を開いた。
「どうせ、摩理之介君の事でしょ?」
さもくんがニヤリとして言う。
「えっ!?な、何で!?」
「ななっし〜が顔に出過ぎなんだよ」
私、そんなに分かりやすい顔してた!?
「ななっし〜、俺、相談したいことがあるなら何でも相談してもらったほうが嬉しい。一応俺、ななっし〜の彼氏だよ?」
さもくんが口を少し尖らせて言う。
そして、…私は………
『ななっし〜の彼氏だよ?』と言うワードで恥ずかしさで死にそうになっていたのでした。
「えっ、えっと………本当に相談して、良いの…?」
私は念のために聞く。
「うん。逆にいいに決まってるじゃん」
さもくんが穏やかに笑ってくれる。
そこ笑顔を見て、私は勝手に安心してしまう。
「……さもくん…。あの、ね…。聞きたいことがあるんだけど…………、もしかしてさもくんって…
摩理之介君と関係ある?」
そう聞いた途端、さもくんの琥珀色の瞳が一瞬、悲しそうになった。