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幼稚園の不気味な怪物達と幼き少女

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幼稚園の不気味な怪物達と幼き少女

12 - Chapter 12 永劫なる生命へのカウントダウン

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2025年02月21日

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「新たな名前が決まった事だし、けど後はどうしよう…これと言って何もすることもない、変に動き回っても彼らにまた目を付けられると考えると、面倒だし」バンバンはそう頭を悩ませる。バンバンの思ってる通りで、実験対象となっているメフィリアは、研究者らの目から、監視されており、完全なる実験ステージには、まだ未達成な為に完全には、研究者達らの目から逃れる事が出来ない。だから、必然的に行動範囲なども制限される事になってしまう。

「ねえねえ、玩具で遊んでたい、また遊びたくなっちゃった」


「………?、ああ、構わないよ、ちょうど君が退屈に耐えきれなくなるだろうと思っていたところだったからね、確か以前行った遊具部屋からこっちに運んできてた筈……と言っても、もう此処は以前とは違う設備に変えられている……ちょっと探してみよう」


「うん、メフィリアちゃんをあまり長期間ストレスや退屈な気持ちにさせたくないし、ちょっと遊び道具探しをしてみよう、此処に永久的に隔離される分それなりの環境を作ってくれてると信じたいけどネ、あの人間達はどうも信用出来ないから安易には信頼すらも出来ないのが、本音だけど」


「以前行ったあの場所が同じなら、探しにいけるが……」

バンバンはそう言って、メフィリアを退屈させないようにと、玩具箱探しを皆んな一緒でやる。「うーん、何かあると楽しくなるような良い玩具ないかな〜、………まあ、良いや」

メフィリアは、玩具遊びをやりたい気分の筈が、一変して行動を切り替えてビターギグルにぎゅーっと抱きついて甘え始める。

「え、えっと……メフィリアちゃん…?、そんなに私の事が気に入ったノ…?」

「うん…!、ビターギグルの事大好きになったってくらいに気に入ったの♬」メフィリアは幸せな微笑を溢してにっこり笑顔。

「良かったじゃないか、ギグル。最初は乱暴に地上へ突き出してしまったが、しかしそれが逆に功を奏して王国や地下世界以外の世界を見れる、ある意味お前にとっては新鮮な体験になったんじゃないか?」

「ええ、最初はモヤモヤとした気持ちがあったけど今はもうそんな気持ちもないですし、寧ろ王国から飛び出して色んな景色を見られる今が、とても有意義です、それに人間の子供に気に入られ、こんなに好かれて、愛されるという事もこれまで経験した事もなかった、嬉しい以外の言葉はないヨ」

ビターギグルは、そう嬉しさを明かしつつ、メフィリアの頭をなでなで。そしてビターギグルの、その手で、メフィリアをぎゅーっと抱擁をした。

ビターギグルにとっても、メフィリアにとっても最高で、至高の時間を過ごしていた……だが、そんな楽しい時間も、次の瞬間一瞬で崩れ去る事となる。



「一段階目の経過観察時期がようやく終わった、その間の君の観察データはばっちり取らせてもらったよ」

白衣を身に纏った研究者はそっと手に握った注射器をアピールするようにちらつかせながら、メフィリアの方に向かってきている。

「な、何……まさか、またジバニウムを入れられなきゃいけないの…?、いや……いや…!!」


「此処では、都合が悪い、他の場所に寝かせて施す為に麻酔で寝ていてもらおう」


「い、いや!もう痛い思いなんてしたくないよ!これ以上ジバニウムが入ったら…だって私…私は、私じゃなくなるんでしょ……そんなの……嫌だ……やめて… 」

「実験対象である以上、例え拒絶されようが実験過程を止める訳にはいかなくてね、計画をした以上全て遂行させなければならないんだ、じゃあそこまで嫌がられるなら仕方ないね、暴れられると処置を施せないし、我々が生み出したジバニウム生体の我が子達にちょっとばかり、協力して貰う事にしよう」

研究者は、少し後退り…それを合図にジバニウム色したヒト型の不気味なマスコットモンスター達がうじゃうじゃと開かれたドアから入ってきた。

「ひっ……、何なの、こ‥…来ないで……」

「彼らには、言葉など通用しないから、何を言っても無駄さ、ジバニウムの濃度…純度を薄める事なく、そのままのジバニウムの性質のまま生み出した賜物だ、故に君らのような知能は存在しない……」

「きゃあ…!!」

メフィリアはあっという間に彼らに捕まってしまい、「さあ、次なる段階の溶液を君の体内に入れ込む為にちょっと処置を施さないといけない、一緒にきて貰うよ、完全なる新型ケースタイプの第一号に君にはなって貰わなきゃ困るんだ、その為に我々は、これまで‥いや、今も膨大な研究期間に力を注いでるのだからな」

「い、いや……っ、離して…っ!、嫌っ…!」

メフィリアは抵抗し、バタバタと捕縛から逃げようとするが、思いの外ピュアジバニウム生体のこの不気味なマスコットモンスターの抑え込む力が強く、必死に離れようと暴れ続けるも、離れられない。






「あ………あ……… 」

バンバン達が引き離そうと彼女を救助しようと駆け寄った時には、そのタイミングはもう手遅れでメフィリアの首元に睡眠薬が投与され、彼女の視界は段々と意識と共に、薄れてき始めていた、そして気を失った彼女が目覚めた先は、


「‥………此処は…」


「さて、では新たな段階へ突入するとしよう、今度は猛毒性新型タイプの複合ジバニウム溶液の純濃度を薄める事なく高いまま、君の身体の中に投与する、今回我々が新たに一から研究に研究を重ねているジバニウム液は、猛毒性が高く有害性もこれまでより厄介な性質を編み出した、注射後は軽い後遺症が残る可能性があるが、上手く君の身体に適合さえすれば、死ぬ事はない、濃度が高い分……まあ、完全に人間の身体に適合が完了するまでの時間がかかるかもしれないが、その時はまた別の溶液を試せば良いだけの話さ」

と、そう話を終えた研究者は、メフィリアの首元…いや、まさかの背部の血脈の方から高い猛毒性物質をふんだんに混入させた【複合型の新型タイプのジバニウム】の注入用溶液を彼女の身体に流し込む。

しかも、前回は首元だったから、そんなに尋常ではない程でもなかったが、今回は痛覚が敏感に反応しやすいだろう『背中の神経部分』から入れ込む。

それによって注入の施術工程の最中に、直に痛みを痛感しているせいで、「っ…!!、痛い……!」

施術中に下手にもぞもぞ動かれたら、困る為に子供にするにしては、少々強めの麻酔薬をかけた研究者達であったが、注入している箇所も相まって痛みの声を上げてしまった。




けど、そんな心配もなく暫くすると麻酔薬の効果が再び効き始めてきて、メフィリアが次目覚めた時には、もう手術台の上ではなく、そことはまた違う場所で目覚めた。

「あれ……此処………は……?」

彼女は、ゆっくりと目蓋を開け、部屋の辺りを見渡す。が、そこにはビターギグルもバンバンらも見知った存在の姿はなかった、この部屋に居るのはメフィリア、ただ一人だけ。「ギグル…バンバン……フリン……皆んな、居ないの…? 」

ゆっくりと視線を左右に向けて、皆んなが居ないかを探すが、誰も居ない。

「…っ…!、痛いっ…!、ぼへっ…」

メフィリアは、新たに投与されたジバニウムの副作用によって引き起こされる症状と、地獄のような激痛が身体中に影響して、気持ち悪さが生じて、吐出した。そして、吐き出した唾液‥液体の色が、鮮血ではなかった‥、そう、ジバニウム色に変色していた。

「何この色……まさか………これは……ううっ………!」

メフィリアは、痛みに悶えて縮まる。けど、離れ離れになってしまったメフィリアは、ビターギグル達との再会を望んでいる。

だから、彼女は襲い来る激痛に悶絶しながらも、ビターギグル達が居る『あの部屋』へ戻る為に先ずは、この今居る部屋から出て、歩みを進み始める。

「ギグル…スティンガー…皆んな…何処なの……うう、何だか……身体中が痛くなってきた……っ…!!、でも……皆んなを………探さなくちゃ……皆んなもきっと、私を……探してる……!!!」

メフィリアは何とか痛みに耐えつつ、ビターギグルらがこの近くで出歩いて居ないかと、それにあっちもきっと手術室に攫われたメフィリアの事を探してる、そう思ったメフィリアは、ゆっくり…ゆっくりと一歩ずつ、歩みを進めながら、ビターギグルらの事を捜索する。




「……勝手にあの部屋から出ても怒られやしないよね、監視の目は今もあるんだろうけど、そんな事気にしてたら、ろくに楽しくないもん…… 」

ボソッと小言を言いながら。歩みを確実に進める。監視の目に未だ拭えない恐怖感を抱きながらもバンバン達と合流して、居慣れた居心地と安心感を得たいという気持ちが先行して……。そうして、突如襲いくる副作用の数々と一人で闘いつつ……。

「はあ……はあ……、ボヘ……おえっ……」

吐き出した唾液に混じっていたのはやはりジバニウム色で、完全に人間の血液と結合が完了したようだ。

まだ、身体がジバニウムに馴染んでいない体質のままだからか、拒絶反応が起こった事による副作用という流れだろう。

「身体中が痛いし、吐き気が止まらなくて気持ち悪い……早く……皆んなと合流して……あ……、…………」

彼女は副作用の影響が身体がに響き、体力もずっと消耗していたのも関係し、バタリと倒れ込んだ。

そうして、次に目を覚ましたら、そこには何と、「メフィリアちゃん、大丈夫…?」

と、彼女を見つめていたのは、ビターギグルだった。

倒れていたメフィリアを、見つけてくれたバンバン達が、駆け寄って此処まで運んできてくれたらしい。



「皆、良かった……また会えた、もう……会えないかって思ってた……」


「メフィリア、もう良い。無理して喋ろうとしなくて良い、君が施術室へ連れて行かれてた理由、ジバニウムが、しかも前回より濃度が濃い状態で投与された、それなら痛みも必然的に酷くなってるんじゃないのかい?」

バンバンはメフィリアの状態を深く読み、彼女の口から直接言われなくても、ジバニウムに対する事は把握してる為に、バンバンらにとっては何もかもこれは見慣れた事…….。

「…………っ…!!、痛い……また痛い…!」

彼女は身体中が痛み出し、更には吐き気も再び……体に遅い来る気持ち悪さが目立ち、吐血を繰り返している。

「やっぱり……けど今はまだ身体の異常成長まではなんとか免れてるようだね、それだけでも一先ずは安心ができる」

「ああ、だがその『異常成長現象』が起きていないからと言って油断は禁物だ、ジバニウムの本当の地獄は激痛だ、この痛みには終わりなどない……それは我々モンスターが何より身に染みて体感している事、ウスマン‥‥それはお前も良く知ってる筈だ」

トードスターは、バンバンに言った。




「ああ、知ってるさ。この副作用の痛みというのは今でも悩まされてる要因、もう慣れた…というより終わりのない痛みに対して、諦めがついてしまっただけ、だけどね」


「ああ、そうだな」


「そんな冷静にしてないで、ど…どうにかしないと、痛みが更に激化しちゃう前に…!」


「でも、ジバニウム濃度が濃い状態で更に複数の高毒性のある猛毒物質の新薬、そうなると対処しようにも、我々が知るジバニウムの性質とは異なってる、今の知ってる方法では彼女に襲ってる症状は治らないなんて可能性もある、ジバニウムに対しての耐性がこれまで以上に強くなってくのを今は見守ってるしか、方法はない……」バンバンは今の彼女に対して、打つ手がないと現時点はそう判断したようだ。

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