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###番犬くんと優等生###
<第三章> 深まる絆と葛藤
“心の変化”
秘密の逢瀬が日常に溶け込み、二人の関係が深まるにつれて、春夜と龍崎の心には、当初の「契約」では予期しなかった変化が訪れ始めていた。
龍崎は、春夜のM体質を深く理解するようになった。最初は単なる好奇心と、優等生の仮面の下に隠された自身のドSな欲望を満たすためだった。しかし、春夜が自身の前でだけ見せる甘えた表情や、情けないほどに本能に忠実な姿は、龍崎にとって単なる「支配の対象」を超え、唯一無二の存在となっていた。春夜の強靭な肉体の奥に潜む、脆く、しかし純粋な部分に触れるたび、龍崎の心には、これまで感じたことのない強い執着が芽生えていった。彼は春夜の傷を慈しみ、その痛みを快楽に変えることで、春夜のすべてを掌握しているという優越感に浸る。だが、それは同時に、春夜が自分なしでは満たされない身体であることを喜び、彼を「手放したくない」という独占欲へと変わっていった。龍崎にとって、春夜はもはや、自身の退屈な日常を彩る最も刺激的な「遊び相手」であり、同時に、心の奥底で彼自身の本性を唯一解放できる「特別な存在」になっていたのだ。
一方、春夜もまた、龍崎への感情が変化していることに戸惑いを覚えていた。最初は、秘密を握られた屈辱と、逆らえないという事実への苛立ちしかなかった。しかし、龍崎のドSな言葉と、春夜のM体質を的確に刺激する触れ合いは、いつしか春夜にとって抗いがたい快感へと昇華されていた。龍崎の前でだけ見せる、普段の自分からは想像もできない甘えん坊な本性。それは、春夜が誰にも見せたことのない、最も弱い部分だった。しかし、龍崎はそれを嘲笑うどころか、すべてを受け入れ、さらに深淵へと誘う。その行為は、春夜の心に深い安堵と、不思議なほどの信頼感を与えていた。
「おい、優等生……」
いつもの秘密の逢瀬の後、春夜はぐったりと龍崎の腕の中に身を預けながら、掠れた声で囁いた。普段の春夜ならば、こんな弱々しい声など、決して誰にも聞かせない。だが、龍崎の前では、そんなプライドはどこかへ消え失せていた。
「なんですか、春夜君?もっと僕に甘えたいですか?」
龍崎の問いかけに、春夜はムッとしたように顔を顰めるが、体を離そうとはしなかった。むしろ、龍崎の体温を求めるかのように、そっと身を寄せた。
春夜は、龍崎に心を許し始めていた。彼のドSな行為が、春夜の秘められた欲求を満たし、同時に、心の奥底で感じていた孤独感を埋めていく。喧嘩では誰にも負けない自分だが、龍崎の前では、完全に支配され、すべてを委ねる。その奇妙な逆転こそが、春夜にとって最高の「癒し」となっていたのだ。龍崎の言葉が荒くなればなるほど、春夜は安心し、彼の胸に深く埋もれていく。この関係は、もはや単なる肉体的な「快楽」だけでは語れない、互いの心が深く結びつき始めた証だった。
龍崎は春夜の変化を敏感に感じ取っていた。春夜が自分にだけ見せる無防備な姿、そしてその瞳に宿る信頼。それらは、龍崎のドSな心に、新たな感情の芽生えをもたらしていた。それは、支配欲とは異なる、独占したいという強い衝動と、この壊れやすくも強靭な存在を守りたいという思いだった。
互いに惹かれ合う感情が芽生え始めていることに、二人とも薄々気づいていた。しかし、それぞれの立場、そして秘密を抱えた関係が、彼らの間に新たな葛藤を生み出していく。この歪んだ絆の先に、一体何が待っているのか。二人の物語は、まだ始まったばかりだった。
♡こんなにもらったことなくて焦ってます笑
みんなありがとう!!
次回もお楽しみに!
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