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###番犬くんと優等生###
<第四章> 新たな支配の領域
“脅迫と誘い”
秘密の逢瀬が続き、互いの心に特別な感情が芽生え始めていた矢先のことだった。いつもの空き教室で、龍崎は春夜を背後から抱きしめ、耳元で囁いた。
「春夜君、最近、僕の言うことを聞くのが上手になりましたね。少しは僕の『要求』が心地よくなってきた、ということでしょうか?」
春夜は、龍崎の腕の中で身を固くした。口では反抗的な言葉を吐くものの、その体はすでに龍崎の支配に慣れ、微かな快感を覚えていることを自覚していた。
「うるせぇ……別に、そんなんじゃねぇよ……!」
春夜の掠れた声に、龍崎は満足げに笑った。
「そうですか。でも、僕には分かるんですよ。春夜君が僕を求めていることが」
龍崎の指が、春夜の首筋を優しくなぞる。その指先が、首筋に浮かぶ血管を辿ると、春夜の身体がゾクリと震えた。
「……で、何の用だ?今日はもう終わりじゃねぇのか?」
春夜は、なんとか平静を装おうとした。しかし、龍崎の次の言葉は、春夜をこれまで感じたことのない深い動揺へと突き落とすものだった。
「実は、春夜君にもっと深い場所を見せてあげようかと思いましてね」
龍崎の声は、普段よりも一層甘く、しかし底知れぬ冷たさを秘めていた。
「今日の放課後、僕の家に来ませんか?もし来ないなら……そうですね、あなたの『秘密』を、明日の朝、全校生徒に公開してあげてもいいんですよ?」
春夜の背筋に、冷たいものが走った。龍崎の言葉は冗談ではなかった。彼の瞳には、そうすることを躊躇わない、本気の光が宿っていた。
「テメェ……本気か……?そんなことしたら、どうなるか分かってんだろうな!?」
春夜の声は荒々しかったが、その中に隠しきれない焦りが滲んでいた。秘密がバレることへの恐怖が、春夜の心を深く揺さぶる。自分にとって唯一の弱点であるM体質を、この優等生は容赦なく武器として使う。そして、春夜はなぜか、この男には逆らえないのだ。
「ええ、もちろん分かっていますよ。だからこそ、僕はこうして春夜君に『選択肢』を与えているんです」
龍崎は、春夜の耳元でさらに囁いた。
「あなたは僕の『所有物』でしょう?ならば、僕の家に来るのも当然のこと。それとも、あなたの醜い秘密が、公衆の面前で晒されるのを選ぶんですか?」
龍崎の言葉は、春夜のプライドを抉り取るように響いた。春夜のM体質は、彼にとって最も触れられたくない、自身のアイデンティティを脅かすものだ。それが露呈すれば、彼のヤンキーとしての地位も、周囲からの尊敬も、すべてが崩れ去るだろう。
春夜は歯を食いしばった。屈辱と怒り、そして抗いがたい快感への期待が、彼の心の中で複雑に絡み合う。この男は、常に春夜の最も弱い部分を的確に突いてくる。
「……くそっ……分かったよ……」
絞り出すような春夜の声に、龍崎は満足げに口角を上げた。
「賢明な判断です、春夜君。では、放課後、僕の家の前で待っていますから。もし遅れたら……どうなるか、想像できますよね?」
龍崎の目は、冷たい光を放っていた。それは、春夜の反抗を許さない、絶対的な支配者の目だった。春夜は、その目に吸い込まれるかのように、ただ頷くしかなかった。
放課後、春夜は指定された場所へ向かった。龍崎の家は、学校から少し離れた閑静な住宅街にあった。周囲の家々も大きく、手入れの行き届いた庭を持つ家ばかりだ。春夜が普段足を踏み入れることのない、別世界の光景だった。
龍崎は、門の前で春夜を待っていた。制服から私服に着替えた彼は、普段の優等生の雰囲気からさらに洗練された印象を受ける。春夜が近づくと、龍崎は軽く笑みを浮かべた。
「よく来ましたね、春夜君。迷うかと思いましたが」
その言葉には、春夜を揶揄するような響きが含まれていた。
龍崎は門を開け、春夜に中へ入るよう促した。春夜は一瞬ためらったが、龍崎の冷たい視線に射抜かれ、大人しく足を踏み入れた。石畳のアプローチを歩き、玄関へと向かう。龍崎の家は、外から見るよりもさらに大きく、まるで邸宅のような佇まいだった。
「さあ、どうぞ。あなたに、僕の『聖域』を見せてあげましょう」
龍崎の声が、春夜の耳元で囁かれた。春夜の心臓が、ドクリと大きく鳴る。この場所で、一体何が始まるのか。春夜のM体質が、未知の刺激への期待と、深まる支配への予感に、静かに震え始めていた。
玄関に入ると、龍崎は靴を脱ぎ、春夜にも脱ぐように促した。清潔で広々とした玄関は、春夜が育った環境とはあまりにもかけ離れている。リビングからはクラシック音楽が微かに聞こえ、上品な香りが漂っていた。
「誰もいませんから、安心してください。今日は、僕と春夜君の二人だけの時間です」
龍崎の言葉は、春夜の警戒心を煽る一方で、彼の心の奥底に眠る欲求を刺激する。この空間で、龍崎は春夜をどこまで支配し、どこまで堕としていくのだろうか。春夜の視線が、龍崎の背中に釘付けになった。彼の足取りは、これから始まる『支配』への道を、迷いなく進んでいく。
ん〜、なんかしっくりこない(๑•ૅㅁ•๑)
次回からもう少しBL要素増やしていこうかな…と思っているんですけどどうですか?
ではまた次回!
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