テラーノベル
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原田と鷹野の会話が途切れた。
その瞬間まで、畑中は一言も発していなかった。
だが、重苦しい空気を断ち切るように、低く落ち着いた声が響く。
「……お前の気持ち、分かるぞ。鷹野」
鷹野の眉がわずかに動く。
畑中は、その視線を真正面から受け止めた。
「俺も昔……信じていた世界に裏切られた。
信じていた大人に切り捨てられ、守るはずだった仲間を失った。」
静かな口調。
しかし、その言葉には胸の奥に秘めた怒りが滲んでいた。
「その時は、全部壊してやろうって……本気で思った。」
一瞬、場が静まり返る。
畑中はゆっくりと続けた。
「だが……そこに踏み込んだら、もう戻れねぇ。
裏切られたからって、自分まで裏切る側に回ったら……
お前も”あの大人たち”と同じになる。」
鋭い眼差しが、鷹野を射抜く。
「お前がやってることは八つ当たりだ。
力で全部ねじ伏せて、自分の思い通りにしたいだけの……
独りよがりだ。」
その一言で、鷹野の口元がゆっくりと歪んだ。
肩が小刻みに震え、握り締めた拳が白くなる。
「……へぇ。
君がそんなことを言うとはね、畑中君。」
次の瞬間、その声色が激変する。
「”分かる”だと……?
誰が君ごときに、僕の痛みが分かると言った?」
怒気が爆発した。
「分かったような口を……
利くなァァァアアアッ!!!」
轟音。
アジト全体が激しく揺れる。
天井の装甲が裂け、異形の機械兵たちが次々と降下してくる。
床の隙間からは、焦げた鉄と油の臭いを放つ漆黒の液体が噴き出した。
「始末してやる……
この場で、全員だッ!!」
部下たちが一斉に武器を構える。
だが、その中心で畑中だけは微動だにしなかった。
「……やるしかねぇな。」
そう呟き、静かに目を閉じる。
次の瞬間――
空気が反転した。
冷気とも熱気ともつかない圧力が、四方八方へ押し寄せる。
「……っ!」
原田が息を呑み、一歩後退した。
「な、何だ……これは……」
畑中の身体から、漆黒の霧が滲み出す。
それは煙でも影でもない。
見ているだけで心臓を締め付けられるような、圧倒的な”存在”。
その黒は床を飲み込み、壁を覆い、空間そのものを侵食していく。
「まさか……」
鷹野が目を見開いた。
「ネオコード……?」
漆黒のオーラに包まれた畑中が、ゆっくりと目を開く。
その瞳には、闇の奥で静かに燃える光が宿っていた。
「そうだ……
これが、俺の力だ。」
鷹野の表情が歪む。
怒り。
そして――
わずかな恐怖。
「ふざけるなァァァッ!!!」
怒号とともに、機械兵たちが一斉に突撃した。
しかし――
畑中の周囲で漆黒のオーラが爆ぜる。
轟ッ!!
触れた機械兵は、一瞬で沈黙。
装甲ごと黒に飲み込まれ、そのまま崩れ落ちた。
「な……っ!?
一撃で……!」
原田の声が震える。
畑中は静かに告げる。
「これが……
俺のネオコード――
《黒牙(こくが)》。
覚悟もない力じゃ……
俺には届かねぇ。」
漆黒のオーラはさらに膨れ上がり、アジト全体を震わせる。
その圧倒的な力を前に――
鷹野修司の笑みは、完全に引きつっていた。
#無能力者
鳳蓮荘
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成瀬りん
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#バトル
コメント
1件
うわっ、第80話でここまで持ってくるか…!畑中の過去がついに明かされて、しかも「ネオコード《黒牙》」開帳って熱すぎるだろ。裏切られた経験を乗り越えて、同じように闇に堕ちそうな鷹野を止めるために立ち上がる姿、痺れたわ。八つ当たりだってバッサリ切り捨てるところ、かっこよかった。戦闘シーンの圧もすごくて、アジトが震える描写が目に浮かんだよ。続きが気になりすぎる🔥