岩ちゃんと話していたら玄関のチャイムが
鳴ってお母ちゃんが入ってきた
「……お母ちゃん、?」
見た事のない顔だった
最近身近な人の見た事ない顔を
見ることが多い
何か迷うように瞳を揺らしてからゆっくり
少しお話しよ?と言われた
・・・おはなし?
思った通り内容は連絡が入ったのだろうか
首とか学校のこと
指先が凍ったみたいに動かせない
息が詰まって顔が歪むことが自分でも分かる
お母ちゃんの目は真っ直ぐ俺を見ていて
逃げることは叶わない
お母ちゃんは岩ちゃんのように
待ってはくれない
早く言うよう急かしてくる
ぶっきらぼうだけどいつまでも待って
俺の意思を聴いてくれる岩ちゃん。
決めつけて持論を押し付けてくる教師。
優しい話し方なのに急かして嫌だという
言葉を受け入れない母。
掠れた声で、速い呼吸で、
今までのことを話していく
首の話題に移った所で横っ面を思い切り
引っぱたかれた
当然痛い
その後はよく覚えてなくて
お母ちゃんが何か凄く捲し立てるように
大きな声で話していた
あーそっか。俺やっぱ可笑しいんだ
こんな風になるの普通じゃないんだって
再び気づいた
学校に行くと相談室という所に
連れてかれた
1度も入ったことの無い無縁だと
思っていた場所に容易く放り込まれる
当たり前だけど隣に岩ちゃんはいない
カウンセリングというらしい
大人と1体1で会話するものらしいけど
俺は声が出なくて大人が一方的に
俺のことをズカズカ聞いてくるだけの
状態が1時間続いた
相手から精神科という言葉が出てやっと
俺の口は大丈夫ですと動いた
それから地獄みたいな部屋からでて
またトイレにこもった
こんな、こんなの
怖すぎる
知らない人、赤の他人
俺が隠したい部分 繕ってきた部分に
勝手に踏み込んできて話が進んでいく
挙句の果てには病院送りだ
最悪だ こわい なんでこうなった
おれがおかしいからか
俺学校に何しにに来てたんだっけ
先生に怒られて視線が怖いとか言って
トイレにこもって周りに心配かけたせいで
言うつもり無かった事全部言わされて。
相談、?ふざけんな
勝手に言わせたのに
俺は言いたくなかったのに
岩ちゃんに聞いて貰えただけで
ずっと楽になったのに
おとなこわい みんなこわい
はじめちゃんおねがい、たすけて
学校着いた瞬間及川の担任が及川を
強制的に何処かへ連れていった
追いかけようとして俺の担任に止められた
二項事が終わっても
及川が戻った様子はない
それならあいつはきっとあそこだろう
予想通りトイレの個室
ノックをして名前を超えに出す
何故こんな所と言われても
ここしか逃げ場がないのだから仕方ない
昨日の夜からずっと顔が暗かった
それが一層濃さを増した
話を聞いてまたも思う
何故周りの大人はここまで
コイツの思考が分からないのだろう
それがコイツを苦しめると何故
全く気づかないのだろう
及川はすげぇ荒れた
まず泣きだす
頭が上手く機能しないのか言葉が
急に幼くなって言葉使いに
とても似合わない心底辛い顔をする
んでもって寝ない てか寝れてねぇ
俺によりかかってウトウトしても直ぐに
顔を上げてまた呼吸が荒くなる
俺は何も出来なくてずっと隣で
相槌を打ったりしていた
どうしてコイツがこんなに苦しそう
なんだろうかと典型的なクズ思考が
頭を巡る
こいつじゃなければ良かったのに。
誰でもいいからこいつの代わりに
なってくれればいいのに。
周りの大人には頼れない
及川を余計に気づつけるから。
他人なんて信じらんねぇ
及川に何を言うか分かんねぇから。
及川を一人にしたくねぇ
すぐに全て抱えようとするから。
俺が守ってやるから。
コメント
4件
及川▶︎岩泉side 夜中投稿ごめん コメで会話しよー