テラーノベル
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「…………………あぁ、またか……」
これで8回目。セーブ地点からやり直したようにベッドで目が覚める。
私は昨日、家にあるであろう全ての薬品と洗剤を掻き集めてそれらを摂取した、筈だった。
でも今、何事も無かったかのように日常が始まろうとしている。
「次は何で死ねば成功するかな。」
1回目、銃殺。
2回目、首吊り。
3回目、飛び降り。
4回目以降は……違う薬の過剰摂取を試した。全て失敗だった。
どうしたらこのループから抜け出せるのだろう。こんな世界で無限の命を手に入れても意味が無いのに。
息子の行方が分からなくなって数ヶ月、彼が生きているかも分からない状況に耐えられず最初の自殺を試みた。
…だがさっき述べたように、何故か私は自分の部屋のベッドで目が覚めた。
毎回時計を確認してみるが、時間はいつも通り進んでいる。その平常に安堵すると共に、何が起こっているのか分からない恐怖が襲ってくる。
「とは言っても、思い付く方法は結構やったな…」
そう呟いた時、練炭で一酸化炭素中毒、という手を思い付いた。用意するのが面倒臭いけれど、死にたいのだから仕方が無い。
外出する準備をしよう、と立ち上がった瞬間、玄関の呼び鈴が鳴る。
来客の予定は覚えている限り無い。少し身構えてドアを開けた。
「………noli………?」
「あ〜〜〜……えっと、久しぶり。」
「久しぶり…………
え、なんで??」
「うーん…今何してんのかな〜って思ったから?」
「…………ふっ……ははっ、なにそれ…ww」
あまりに突拍子の無い話に笑ってしまった私は、noliを家に入れることにした。
そして彼が『少し飲まないか』と提案したので、それに乗った。
ヤケ酒をしまくっていた影響で家には度数の高い酒がいくつかある。
noliはそんなに酒に強くなかった気がするが……まぁいいか。
「あ゛はっはははははwwwwwそれヤバすぎだろwwww」
「だろ?だから俺はそいつにこう言ってやったんだよ!w_」
恐らく近所迷惑になっているであろう声が響く。現在の007n7しか知らない隣人達は原因不明の騒音と認識するだろうが、紛れもなく彼の笑い声である。
「あーあ、やっぱお前面白えわ、なんで前友達辞めちゃったんだろ」
「今回なら特別にもう一回遊べるけど?笑」
「………それも良いか……」
さっきまで騒音マシンだった007n7が嘘のように静かになる。
(そういえばこいつc00lkiddの事聞かなかったな…)
ただ知らない上興味が無いのか、知ってて気を遣っているのか。
考えていると、頭がこんがらがって収拾がつかなくなってきた。
「いやなんで泣くんだよ、seven?」
「…う゛………noliぃ゛………」
「…絶対飲み過ぎだな…」
水取ってくるから待ってろ、と言ってnoliが席を立った。
「俺、noliと一緒にいたほうが幸せになれたかな………」
「……」
彼はその言葉を聞いていた。”耳が良いから”ではない。
コメント
1件
kipa大先生、供給ありがとうございます。私は今宇宙の心理について考えてるんですが一緒に考えませんか?007n7くんはc00lkiddと居てもnoliと居てもロクな結果にはならないと思います。だがそれがいい…!続きが楽シコです。間違えました楽しみです。kipa大先生ありがとうございます本当に感謝しかないです