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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
第3章 『遺された手紙と道標』
〜最愛の人が残した最後のお宝〜
第4話 永遠に一緒
デビルズパレス エントランス
『え!?お姉ちゃんが街へ走っていった!?しかも馬で!?』
『あぁ。血相を変えてな…。』
『とにかく天使の警報も鳴ったから急いで街に行かないと!主様が危ない!』
『分かりました。ではみなさん急ぎますよ。』
ガシッ!
『はぁ、はぁ……。』
『あら…麻里衣様…早いですね。ここに来たということは暗号を解読出来たんですね?』
『……。』
《死にたい死にたい死にたい。主人の所に行きたい。離して》
『っ……。』
(それが貴方の本心なんですね…っ。)
『その指輪は……。マルクス様があなたに生きて欲しいと思って託されたものです…!だから、あなたがマルクス様の分まで生きないとダメなんです…っ。』
『…主人がいない人生なんて生きたくない。』
『…っ!』
その瞳は覚悟に満ちていた。もはや私の右目の赤い瞳のことなど気にもとめずに。
『なんと言われようと私は…貴方を死なせません!』
『…そうですか。残念です…。』
と、その時だった。
『主様!!』
私を呼ぶ執事の声がする。
『ルカス!どうしてここに…。』
『バスティン君たちから話は聞きました。ここにいては怪我をします。早く私たちの後ろへ…!』
『ダメ、このままフランソワ様の手を離したら…っ。』
『…麻里衣様。貴方が居なくなると執事の皆さんが悲しみます。だから…。』
『あ…っ!』
手を振りほどかれ天使の所へ走っていく。
『ダメ、嫌…!』
急いで跡を追おうとするとルカスが私の手を引く。
『ルカス……?離しなさい…。早く、離して!!』
『出来ません。我々にとって主様を失うことはこの世界の損失です。それに貴方を守れなければ私は…っ。』
『見捨てるっていうの…?今目の前に救える命があるのに…!?』
『…ご理解下さい。主様。』
トンッ!
私は主様の首元をたたき気を失わさせる。
『申し訳ございません。主様。』
『死になさい。命の為に。』
『……ありがとうございます。麻里衣様。』
『……。』
そして、辺りは光に包まれる。
幸いにも街の人は避難させた後だった。
だからこの悲劇を見たのは私達と百合菜様だけ――。
天使狩りを終えた私たちは麻里衣様を抱え
デビルズパレスへ帰っていく。
デビルズパレス 3階執事部屋
『……っ!』
私は飛び起きる。
『ここは…屋敷?3階執事部屋…?』
『…お目覚めですか?主様。』
『っ!ルカス…っ。っ、フランソワ、フランソワ様は……!!』
『……。』
ルカスは黙って首を振る。
『そんな…っ。助けられたかもしれないのに……っ!!』
『主様、ルカス様を責めないで下さい…
ルカス様は…。』
『いいんだ。ラムリ君。』
『なんで、なんで貴方が死ななきゃ…っ。なんであんな笑顔で…っ。 』
私は床に崩れ落ちる。
『う、うぁ…っ。』
『主様…申し訳ございません。あの時貴方に気を失わさせたのは私の判断です。責めるなら私を責めて下さい。』
『……っ。退きなさい。』
私は涙を拭い3階執事部屋を後にする。
バタンッ!
私は廊下を歩く。
コツコツ…。
(救えなかった。助けられたかもれない命を私は…っ。)
『私のせいだ……っ。私が依頼を引き受けたから…っ。こんな、ことに…っ。』
『うああああああああああ!!!!!』
屋敷に劈くような叫びが響く。
『お姉ちゃん…。』
その姿を私は黙って見ていることしか出来なかった。
次回
第3章 最終話 悲しみと落胆
コメント
2件
死ななくて良かったけど目の前で死んだり助けられた命を見捨てるのは、辛いよね頑張って