「ねぇ、シャケ?」
「俺たち…付き合っちゃわない?」
始まりは、彼のその言葉から。
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「はいどうも皆さんこんにちは! ワイテルズのNakamuです!」
「Broooockで〜す!」
「シャークんです!」
「きんとき!」
「…スマイルです」
「きりやんでーす‼︎‼︎‼︎」
いつも通り、撮影が始まった。
今日は、実写の撮影だった。
「今回は流石に…スマイルが戦犯だったなw」Nakamuがそう言った。
俺たちはみんなでゲラゲラと笑い転げた。
「いや〜w今のオチすぎでしょ‼︎wNakamu天才‼︎」Broooockのその一言で、みんなの雰囲気が一気に砕けた。
動画を回したまま、雑談をし始める。
「じゃあこれで終わるか〜」ふと、俺はそう言って動画を止めに立ち上がった。
「シャケ」
名前を呼ばれて立ち止まる。すると、青いマスクを外したきんときが立ち上がり動画を止めに行ってくれた。
「…ありがと」きんときに感謝の言葉を述べれば、彼は柔らかい笑みをその顔に浮かべてくれた。
俺の鼓動がせわしく鳴り出した。
嗚呼…今俺、顔めっちゃ赤いんだろうな。なんて思いながら顔を見えなくすべくマスクとゴーグルを更に深く付け直す。
「別にもう外していいのに」きんときが俺をじぃと見つめながらそう言った。
「落ち着くんだろ。多分」猫の仮面を外したBroooockに抱き締められているスマイルがそう言った。何やってんだよこいつらは。
「まぁとりあえず外そうぜ?俺早くNakamuの顔見たいな〜w」ゴーグルとアフロを外しながらきりやんがそう言った。Nakamuも「w、しゃーねぇな〜w」と言ってパンダを外し出した。
俺とスマイルもマスクやゴーグルを外しだす。待ってましたとでも言うかのようにBroooockがスマイルの額にキスをした。
「ねね、スマさん?僕嫉妬したんだけど〜?」驚いているスマイルにBroooockがそう話しかける。
「は、…何が?」“嫉妬する要素なんてあったか?”とでも言いたげなスマイルが、Broooockから少し距離をとってNakamuに寄る。Broooockはムッとした顔をし、スマイルに抱きついた。
「やんさんと距離近かったって‼︎自覚ないの〜?」
Broooockはムッとした顔をしてはいたが、スマイルを抱きしめることができたためか満足そうな顔をしていた。何なんだよこのバカップルは。
「別にいいだろ。家帰ったら2人きりに嫌でもなるんだから」そう言ってスマイルはBroooockの腕の中から出て立ち上がった。「行くぞ」そう言われ、Broooockも満面の笑みをこぼしながらスマイルに続いて立ち上がる。
「おつかれぇ〜‼︎また今度ね〜!」Broooockはそう言いながらスマイルを連れてスタジオを後にした。流石バカップルである。
「…バカップルだな…」きんときがそう言って苦笑した。
「ほんとにな〜。俺ときりやんを見習ってほしいわ〜w」Nakamuがきりやんの膝に腰掛けてそう言った。何言ってんだこいつ。
「おまえらも十分バカップルだよ」きんときは呆れたようにそう言った。Nakamuときりやんはその言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
「じゃあ俺たちも帰ってイチャイチャするか〜!」きりやんがそう言った。
「する‼︎‼︎」Nakamuが元気よく答えた。
「じゃあ俺ら帰るわ!またな〜!きんとき、シャケ‼︎」Nakamuがそう言った。
「お〜」「おつかれ〜」俺ときんときがそう返した。Nakamuは、俺を見てニヤニヤしていた。
「おつかれ‼︎」Nakamuときりやんがそう言って帰って行った。
「…しれっとあいつら同棲してたなぁ…」きんときがそう言った。
「…ぇ、………まじ?」俺は、思い当たる節が無かった。
「帰ってイチャつくって言ってたでしょ〜が」鈍感だなぁ、ときんときに笑われる。
「…」 俺はきんときの顔に見惚れていた。きんときの笑った顔はとても格好が良かった。
「…、シャケ?」きんときが心配そうな顔をしている。
…………「……ぁ、え?」おれ?ときんときに言えば「おまえしかいねぇよ。馬鹿」と怒られた。
「…で、どうなの?くるの?こないの?」きんときは少しニヤけていた。
「…どこに?」話を聞いていなかった俺はそう聞き返すしか無かった。
「俺の家」きんときはそう言った。
「ほら、上がって上がって!」
…来てしまった。きんときの家に。
「おじゃまします…、」俺は靴をぬいで辺りを見回した。
「…マンションにしてはかなり広いな…」俺はそう言ってきんときを見た。
きんときは嬉しそうな顔をして「でしょ」と言った。
かわいいな、と思った。
俺はリビングへと案内された。“案内”っていうほどの距離移動してないけど。
「好きなよ〜にくつろいでてくれて良いからね!」きんときはニコニコしながらそう言い、キッチンへ向かった。
「夜ご飯ハンバーグでいい?」
「ぁ、うん!…ありがと」きんときは「いいえ〜」と言って肉を焼き始めた。
ジュゥ、という肉が焼ける音と美味しそうな匂いが俺の五感を刺激する。
「…うまそ」きんときの横に立ち、そう呟く。
「んふ、もうちょっとでできるから待っててね〜」そう言いながらきんときは俺の頭を優しく撫でた。俺は心地良さから「んぅ」と小さく声を漏らした。
「…」きんときが、何か言いたげな顔をした。
「いただきます 」
きんときの作ってくれたハンバーグはとてもおいしかった。
「ぅんま…!」声が溢れた。
「…」きんときは俺を見ていた。「…?、きんとき?」どうかしたのか?と聞けば、「なんでもないよ」と返された。
食べ終えればきんときが「風呂沸いてるよ」と促してくれた。着替えも全て用意してくれて…。
「なんか申し訳ないな」そう言えば、「俺が好きでやってるだけだから」とかわされた。
時刻は10時56分。「そろそろ寝る?」なんて言われて、寝室におじゃまする。
「…ひろ」寝室には、黒い布団のかかったダブルベットが綺麗に配置されていた。
こんな豪邸に住んでるなんて、初めて知ったんだが?こいつ裏でどんなことして稼いでんだよ…。
「じゃあ、寝る?」きんときはベットに座り、俺に横に来るように言った。
「……、は?ぇ、一緒に寝んの⁈」仮にも俺はきんときを恋愛感情で好きなのだから、一緒に寝るとなったら心臓が張り切れてしまうのではないか、と思った。
「…だめ?」少し下から見つめられる。「ぅぐ…」と、声が漏れた。
「ぃ、一緒に寝んのは好きな人と〜とかが良いんじゃないかなぁ〜って…」「おもって…」
…何を言っているんだ。俺は。馬鹿じゃないのか?…そう思った。
「ん〜、そう?」きんときは不思議そうに首を傾げた。
「………ぁ、そうだ」きんときはにやりと笑ってそう言った。
「じゃあさ!」きんときの瞳は真っ直ぐに俺を見つめていた。
「ねぇ、シャケ?」
「俺たち…付き合っちゃわない?」
「…は?」馬鹿だろ。というか話飛躍しすぎだろ。
「いや、なんで付き合うに行っちゃうんだよ。好きな人って話だっただろ?」俺はそう言った。
「うん。そうだよ?好きだから。それにさ?好き同士だったら付き合った方がいいじゃん? 」
「…………は?」
「ぇ、いッ、今…なんて……」俺は自分の耳を疑った。
「ん?…好きだから付き合おって言った。…で、返事は?」きんときは俺の気持ちを「知ってる」とでも言うかのような真っ直ぐな瞳で俺をぴっと見つめていた。
『付き合いますか? Yes or No』の質問の 答えはもちろんYes。夢見心地だった。
「んふ、可愛いね。こっちおいで?」きんときは自身の隣をぽんぽんと叩いた。俺はそちらへ向かって腰を下ろす。
「んわッ…⁈」きんときは、俺がベットに入るなり俺のことを抱きしめた。
「…シャケってぜぇんぜん警戒心ないよねぇ…」耳元で囁かれ、当然のことに肩が跳ねる。
「?、きんとき……?」俺はきんときの顔を覗き込んだ。それと同時に、口が塞がれる。
「…ん ッ………⁉︎」驚いた俺は、きんときから離れようと彼の胸板をぐっと押す。ただ、きんときの力の方が格段に強かった。
「…ん、はッ……」快楽におそわれる。俺の口が開いた。
きんときの舌が俺の口内に侵入する。
俺の口から、甘ったるい嬌声が流れ出る。
俺の瞳からは快楽に溺れ始めた自分に対しての恥ずかしさから、涙が溢れた。
ゆっくりときんときが口を離した。そしてやわらかく笑った。
「…かわいいね、シャークん」
こうして俺は、快楽に溺れた。
「シャケ〜‼︎」きんときが撮影を終えるなり俺に抱きつきに来る。
「ちょっと待ってな」俺は録画を止めて取れていたことを確認した。
「ん〜…いぃ匂い」すう、ときんときが俺の首筋を嗅いだ。「おまえと一緒の使ってんだけどな。分かんの?匂い」「わかるよ?シャケの匂いだもん」どんな匂いだよ。と思いつつもきんときの髪を撫でる。さらさらストレートのきんときの髪は確かにいい匂いがした。
「…え、待って。ふ…2人って付き合ってんの…?」Broooockがそう言った。
「?うん。言ってなかったっけ」きんときがそう返した。
Nakamuが「聞いてねぇよ‼︎」と言った。きんときはそれに対し「Nakamuに入った覚えないもんな〜w」と言う。「ズッ友じゃ無かったの⁉︎」と言ったNakamuにきんときが「サプラ〜イズw」と言ってへらりと笑った。
このやりとりの間に、きんときの手は俺の服の中へと侵入していた。
「うわ、バカップル誕生しちゃったよ」ときりやんが言った。
いや、おまえも十分バカップルだろうが。
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