〜ドズル目線〜
ドズル「…..え?」
…..痛い
何、起きっ…痛、おとうさっ….?
….ぼんさんも、こんなだった?
ドズ父「黙っておけと言っただろう!」
ドズ父「言ったことさえも守れなくなったのか!この….」
ドズ父「一家の恥さらしが!!!」
ドズル「…..っ?!?!」
…..え?
恥さらし….?
僕…..
認めて、欲しくてっ…..!
ドズル「ぁっ…あぁ……っ」
ぼん「ドズさん!!」
…..どうしてだろう。
頭は怒りに燃え、正気を保っていられないほど悲しみに狂っているはずなのに。
体はどうしてか、酷く冷静で…
涙一滴として、流れることはなかった。
なのに、苦しくて
辛くて
….死にたい。
ぼん「ドズさんになんてことを言うんだ!」
ドズ父「お前は関係ないだろう」
ぼん「俺はドズさんの友達だ!関係ないわけない!」
ドズ父「….友達?」
ぼん「あぁそうだ!俺らは友達…いや、親友だ!」
ドズ父「….はっw」
ドズ父「友達?親友?」
ドズ父「それがなんだって言うんだ」
ドズ父「所詮は血の繋がりもない、ただの他人。」
ぼん「はっ…..?」
ドズ父「そんなものを綺麗に着飾って、なんになると言うんだ」
ドズ父「くだらない。」
…..くだらない、か……..。
そうだよね….
ただの他人….
ただ少し、寄り添える部分があっただけ
….いや、付け入る部分があっただけ
あぁそうか…..
僕って…..
最低なんだな…..。
ぼん「ふざけんじゃねぇよ!!!」
ドズル「ぇ……?」
ドズ母「あなた….誰に向かってそんな口をっ…….!!」
ぼん「血の繋がりがなんだってんだよ!」
ぼん「互いに想いあえるなら….」
ぼん「互いに好きでいられるなら….」
ぼん「互いを認めあえるなら….」
ぼん「血の繋がりがなくとも!ただの他人でも!」
ぼん「家族と同じように…いや、家族以上に!!」
ぼん「その人を大切にできるはずだ!!」
ドズル「…..!」
そうだ…そうだよ……
僕は、2人を利用したいわけじゃない。
ずっと一緒に….
ずっと仲良くしていたいだけなんだ….
最低なんかじゃない。
そう、僕はただ、みんなが大好きなだけだ!
ドズ父「….何が言いたい?」
ぼん「….あなたは、いや、あんたは!」
ぼん「ドズさんを愛してなんかない!!」
ドズ母「なっ……?!」
ドズ父「……。」
ドズル「…..っ?!」
僕…愛されてっ……?
いつから….?
え、じゃあ….
僕が今までっ、頑張ったのは…..?
認めて欲しくて、周りに避けられてでも努力したあれは、なんだったの….?
僕が今まで求め続けた、あの愛はなんだったの….?
僕は….
僕は、「イラナイコ」?
ドズル「あっ…あぁ…..ぁああああ!!」
ぼん「….っ、ドズさん?!」
ドズル「嘘だっ…嘘だ嘘だ嘘だ!!!」
ドズ母「ド、ドズル…..!」
ドズ父「……。」
ぼん「ごめん、ドズさん!酷い言い方をして、本当にごめん!」
ぼん「俺、感情に流されて….!!」
ドズル「いやだっ…おとう、さっ…..!!」
ドズ父「……黙れ」
ドズル「ぁっ……?!」
….痛い
どうして殴るの?
僕….
あぁ….そっか、そうだよね。
だってもう、「イラナイコ」なんだもん
…..じゃあもう、生きている意味なんてないんだろうな
….あ〜、もっと好きに生きてれば
友達なんか作らなければ
ずっとお父様の言うことだけを聞いてれば
こんな感情には、ならなかったのかな….。
ぼん「ドズさん!!」
ドズ父「はぁ〜…..。」
お父様は、僕を壁に追い詰め、洗脳するかのように言い出す。
ドズ父「好き?愛していない?」
ドズ父「だからなんだって言うんだ」
ドズル「….っ。」
ドズ父「お前はただ、俺の言うことだけを聞いてれば良かったんだよ。」
ドズ父「お前はただ、優秀になってれば、それなりに安定した生活を送れていたと言うのに。」
ドズ父「そんなこともわかれないほど、考える力がないとは思わなかった。」
ドズル「ぁ…..」
…..これは、あい?
僕がもとめた…アい?
ぼくは….コのためニ、頑張ったノ……?
ドズ父「いいか、お前のためを想って言うんだ。」
ドズ父「お前は、国立病院の院長の息子だ」
ドズル「むすこ…..」
ドズ父「そうだ、他の誰でもないない、俺たちの一人っ子」
ドズル「ひとりっこ….」
ぼん「….っ、てめぇ!ドズさんに何して….」
ドズ母「お黙り!」
ぼん「なっ…..?!」
あ、ぼんさん….
お母様から、とおせんぼ
あそんでるの?
いいな、まぜてよ
ドズ父「病院を継げるのはお前しかいない」
ドズル「ぼく、だけ….」
ドズ父「そうだ。」
ドズ父「な?自分のやるべきことがわかっただろう?」
….病院を継げるの、僕だけ
僕…ダけ…..
つげば、アイして、くレる….?
ちょーだイ?
ずぅ〜っトほしカった….
ぼん「ダメだ!!」
ドズル「…..。」
どウシテ?
いけバ、あいシてくれるノに
ぼンさん、ぼくガあいされル、いヤ?
ボんサん…さいテい?
ドズル「….おとうさま?」
ドズ父「どうした、ドズル」
ドズル「ぼんさん….」
「イラナイコ?」
ぼん「…..っ?!?!」
ドズ父「そう、要らない子。」
ドズ父「ドズルはえらいな」
ドズル「…..!うん!」
そっカ、ボンサン…「イラナイコ」
アレ…..?
❅❅サん、ダレ?
❅❅「だめだ!行くな!」
ドズル「おとうさま」
ドズル「どうしてあのこは、ぼくをとめるの?」
ドズ父「なんでも出来るお前のことを、妬んでいるのだろう」
ドズル「じゃあ、あのこのこえは、きかなくていいの?」
ドズ父「あぁ。よくわかったな、ドズル」
ドズル「でしょぉ〜!」
❅❅「頼む!待ってくれ!」
ドズ父「行くぞ、ドズル」
ドズル「うん!」
ドズル「おかあさまも、いこ!」
ドズ母「….えぇ、そうね」
❅❅「….っ、ドズさん!」
❅❅「….ドズさん」
❅❅「ドズさんに、初めて頭を撫でてあげた人は、覚えてる?」
ドズル「…..?」
あたマなでテくレたの….
….あレ、だれダっけ
おもイでに、もヤがかカって、ワカラナイ
たシか….
….そう、ナんか。
ふしギなにオいのひとだった…
すこシほこりっポくて、でも、おハなみたイな、あたタかいヒザしのヨうなにおイ…。
あぁ、あト、そうダ。
スこしむらさキがかッたかみとメ。
….あれ?メノまえのあのこ、ニてる
こえ….
コえ、は….
ちょッとヒくくテ…おちつくこえ….
なまえ….
おもいだセない….
ぼん「俺だよ!ぼんじゅうる!!」
ドズル「…..っ!!」
そう、そうだよ….
なんで忘れたんだ….!
ドズル「ぼんさん!!」
ぼん「…..!ドズさん!!」
ドズ父「なっ……?!」
ドズ母「ドズル!!」
僕はもう離れないよう、ぼんさんに抱きつく
もう、忘れないように….
ドズル「ごめん、ぼんさん!」
ドズル「僕、僕…..!」
ドズル「ぼんさんに、イラナイコ、なんて….!」
ぼん「今はそんなことどうだっていい!」
ドズ父「….ドズル」
ドズ父「なんでわからないんだ。」
ドズ父「どうしてそんなにも、わがままで…親の言うことが聞けないんだ!!」
親?
そんなに親、親って言うなら….!
ドズル「親なら少しくらい、愛してよ! 」
ドズ母「いいから来なさい!ドズル!!」
ドズル「うるさい!もう出ていって!」
ドズ父「ドズル、来い!」
ドズル「僕は!」
ドズル「僕はっ…愛してたよ…….?」
ドズ母「…..っ?!」
ドズ父「…..?」
ドズル「まだ、家にいた時は….」
ドズル「頑張れば、褒めてくれるって…」
ドズル「こっちを向いてくれないのは、僕の努力が足りないせいだからって….」
ドズル「でもっ….!」
ドズル「どれだけ勉強しても!」
ドズル「どれだけ功績を残したって!」
ドズル「褒めてくれたことも!気づいてくれたことすらないじゃん!」
ドズ父「….っ。」
ドズ母「それはっ…..!」
ドズル「親?」
ドズル「ふざけないでよ…」
ドズル「血の繋がりがあったって、寄り添ってくれなかったじゃん….!!」
ドズル「なら….」
ドズル「血の繋がりがなくても、好きな人と一緒にいたい!!」
ドズ父「なっ…..」
ドズ母「そんな…..」
ドズル「….帰って。」
ドズ父「ドズル!」
ドズル「愛がある時は振り向いてくれなかったのに、愛がなくなったら寄って来るなんて酷すぎる!!」
ドズ父「…..っ?!」
ドズ母「ぁっ…..」
お父様たちは、そこからかける言葉がなくなったのか、無言になった。
その後は渋々帰ってくれた。
初めて自分の想い、全てをさらけ出せた。
両親が帰ったあとはとても静かで…
僕もぼんさんも、放心状態で、未だ張り詰めた空気がまとわりついて、鬱陶しかった。
ぼん「….ドズさん」
ドズル「….!」
ぼんさんの声は、すっと耳に入ってきて、好きだ。
優しくて、暖かくて….
ぼん「終わったね」
ドズル「….っ!」
その瞬間、全てが終わったことへの安堵感。
ぼんさんのことを忘れ、酷いことを言い、傷つけたことへの罪悪感。
もしまた来たらどうしようと言う恐怖感が同時に襲ってきて、わけもわからないまま泣きわめいた。
ドズル「ごめっ、ごめんなさっ、ぼんさっぁ…!」
ぼん「大丈夫、俺は大丈夫だから。」
ドズル「僕っ、大事なぼんさんのことっ、なんでっ…..!」
ぼん「大丈夫だって。」
ぼん「ほら、今思い出せてるじゃないか。」
ぼん「ならもういいよ、大丈夫。」
ぼんさんはずっと、大丈夫。大丈夫っと何回も繰り返して、僕を抱きしめ、頭を撫で続けてくれた。
….これが、愛なのかな…….?
暖かい…..
心がジーンってなって…..
ぼん「ドズさんが今まで我慢した分」
ぼん「俺達には、思う存分甘えて欲しい」
ドズル「っえ……?」
ぼん「ドズさんが、愛が欲しいと願うなら、俺は応える。」
ぼん「めんも、同じだと思う。」
ドズル「…っ!」
ぼん「な?元気出せ!」
ドズル「うんっ…..!!」
ぼん「よしっ!」
ぼん「じゃあほら、早くご飯食べて、風呂入って、寝る準備するぞ!」
ドズル「はぁ〜いっ!」
そこから、2人で一緒にご飯を作って食べた。
2人で笑いながら作り、食べた料理はオムライス。
今まで食べたどんな料理より美味しかった。
そこからお風呂に入った。
一緒に入ろうと言ったが….
ぼん「この歳で2人は狭いだろw」
ぼん「先に入ってきておいでw」
と、丁重にお断りされた。
…..残念(´・ω・`)
それで、髪を乾かして、歯磨きをして、寝る準備を整えた。
ぼん「んじゃ、また明日。おやすみ。」
ドズル「…..うん。」
一緒に寝ようと言ったが、ぼんさんは、「俺はソファーを借りるからいいよ」と言った。
…..でも。
ドズル「….っ、ぼんさん!」
ぼん「うぉっ、なに?!」
ドズル「あ、あぁ…ごめん…..」
ぼん「いやいいけど…どうした?」
ドズル「やっぱり、一緒に寝て欲しい…」
ぼん「でも….」
ドズル「お願い….」
僕は少し上目遣いでぼんさんを見つめる。
….ぼんさんがこの顔に弱いって、知ってるもんね〜!
ドズル「寂しい…」
ぼん「う”っ……」
ぼん「ドズさん、ずるい….」
ドズル「ね?….だめ?」
ぼん「….だぁ〜!もうわかったよ!」
ぼん「一緒に寝よ!」
ドズル「….!やったぁ!」
ぼん「でも、狭くても文句言うなよ?」
ドズル「うん!もっちろん!」
そこから、日をまたぐ前に布団に入った。
やっぱり少し狭かったけど….
すごく暖かくて、僕は嫌じゃなかった。
そのまま、安心したのか、僕は一瞬で眠りに落ちたのだった….。
おわるよん
あけおめ
良い1年になるように頑張ろ!
コメント
5件
あけおめです! 良きかなすぎる… 控えめに言って神だァ
神作品をありがとうございます!!そしてあけおめです!