テラーノベル
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お兄ちゃんの手を握って、後ろに隠れるようにして、僕は大きくて強いんだ、なんて見せない。威嚇したら、負けちゃうから。
「お待たせしました。つれて参りました」
「……もとき君。大丈夫だからね」
あの人が、お父様?大きいなぁ、僕の倍ぐらいありそう。涼架さんに、すっごく似てるけど、全然似てない。怖い、これから僕、なに言われるんだろう、なにされるんだろう。
「君がもとき君か。どうしてここにいるんだ」
どうして?どうしてって……お兄ちゃんたちが迎えに来てくれたから?聞こえたかな、思うように声が出ない。怖くて、お兄ちゃんとつないでる手が、ずっと震えてる。
「お兄ちゃん、か。それは、誰のことを言っているんだ」
お兄ちゃんは、お兄ちゃんだよ?僕のことを大切にしてくれて、温かくて、優しい。滉斗お兄ちゃんは、お兄ちゃんだし。涼架さんも、お兄ちゃんのお兄ちゃんだから、僕のお兄ちゃん。
「……はっはっは。面白い子だな」
僕、面白いこと言ったかな?本当のこと言っただけなんだけど。でも、笑ってるから、怒られないのかな?
……そんなことないよ、いままでそうだったじゃん。なに安心してるの僕。みんな、笑ってるのに、痛いことしてきたじゃん。
「この子をつれてきたのは滉斗だな。なぜこんなにもこの家に相応しくない子をつれてきた」
「っそんなこと!」
「……滉斗」
あ、お兄ちゃんが怒られちゃう……!ダメ、僕のお兄ちゃんには、痛いことしないで。お兄ちゃんじゃなくて、僕にして。僕は相応しくない子だから、罰を受けるよ。
「元貴は……元貴は俺の弟だ。だから連れてきた、ただそれだけだ。兄弟が一緒にいて何が悪い」
「……滉斗」
お兄ちゃん!ダメ、怒ってる人に強いんだって言ったら、もっと痛いことされちゃうよ!
「随分と生意気になったな。父親に向かってその態度とは度胸がある」
「……お父様っ!」
「涼架、おまえも協力をしたようだな。藤井家の長男として、恥ずかしくないのか」
涼架さんまで……!ダメ、ダメ、ダメ!お願い、お願いだから、お兄ちゃんたちを怒らないで、痛いことしないで、お兄ちゃんたちは、大切な人を大切にしたかっただけだよ。
「お父様、私はもとき君と共にいることに、ひとつも恥じらいなんてありません。もとき君は、私の世界に彩りと温もりをくれる、大切な存在です」
涼架さん、僕が涼架さんの世界を温かくできてるの?突然いなくなっちゃうし、お兄ちゃんと違って、手をつないだりとかできないのに。
「俺は、元貴の兄だ。元貴の兄の、大森滉斗だ。兄が弟を大切にしないわけがない。生意気?勝手に言えばいい。俺は俺の大切な人を守る。それだけだ」
お兄ちゃんも涼架さんも、僕のことで、そんなにお父様に歯向かわないでよ。嫌だ、僕のことで、お兄ちゃんたちが罰を受けるなんて。
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コメント
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これはどうなるのー?!