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裕太が図書室で妖怪の本を取り出し読んでいるとピューと風が吹いた。「こんにちは。」
声が聞こえる方へ顔を向けると窓に烏天狗の青年が座っていた。
金髪ボブでまるで少女のような見た目だ。
「君は…?」
「僕は烏丸って言うんだ。」と優しく笑って自己紹介をした。
「君は勉強が好きのかい?」
裕太はびっくりしながら
「う…うん。」と答えた。
「いい子だ。」烏天狗は頭を撫でた。
「裕太大変だ…赤マントが現れた…!」
友達の彰男が慌てて図書室に来た。
「何だって!」
驚いで机を叩いた。
「赤マント…。」烏丸も青ざめて校庭に出た。
「此処に烏丸は居るかー!」
けたたましい叫び声が校庭に響きわたる。
「僕が烏丸だ。」少し低い声で前に出た。
「お前が烏丸か…。」
赤マントはシャンと鎌を出して烏丸に目掛けて振りかざした素早く鉄の杖で動きを止めた。
「烏丸頑張って。」
裕太は大声で声援した。
裕太に続いて後ろの児童達も声援した。
「中々手強い奴め。」
「どうも。」
カンカンと交じり合う音が職員室まで聞こえたのか教諭達がぞろぞろ出てきた。
「何事ですか」
国語教諭の真知子が眼鏡をくいっとあげて驚いた。
「クソッ…観覧者が増えたら気が散る…またな。」
赤マントは鎌をしまって消えて言った。
「待て赤マント。」悔しそうに烏丸は地面を叩いた。
「お前達早く戻れー。」
体育教諭の幸雄が教室に戻るように指示した。
「烏丸また会おう。」
裕太は手を振って中に入った。