テラーノベル
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車の走る音
信号機の鳥の声
人気のないひらけた道
深夜の散歩は自分の心の隙間を埋めた。
夏の夜、雨上がり
湿気った空気と涼しい風
いつも見る公園、
朝とは違った雰囲気
いつも誰かが座っているベンチに知っている後ろ姿があった。
「あれ…?虎さん?」
俺はなんとなく声をかけた。人違いだろうか
反応がない、ただ近づいてみれば確かに知人だった。
「虎さんっすよね?」
「あぁ大地くん、」
なにやらぼーっとしていたらしい。
「どうしたんすか、こんな夜中に公園のベンチなんかに座って、」
そう言って俺は虎さんの隣に座った。
「まぁ、なんとなく散歩してただけだよ、」
虎さんの雰囲気はいつもとは違った。
何か遠くを見つめているような、
目に見えないものを追っているような
俺はいつもと違った虎さんに不安を抱いた
「どうしたんすか?…なんつーかいつもと雰囲気違いません?」
「ん?まぁしょうもないことだよ。」
やっぱり長く生きるのは大変そうだなと思った。
彼は今俺と同じ事務所に所属している人なんだが、会社入りたてにも関わらず彼は終活を始めていた、
「……、いつでも聞きますよ、話」
「いいや、そんな大したわけでもないし、」
そう言って話はにごされてしまった。
静かな公園
風で揺れる木の葉
街の明かり
車の素音
彼の吸っているタバコの香り
自然と出た彼のため息
俺は目の前の景色すら頭に入っていなかった
ただずっと頭の中に彼がいた、
自分の心の寂しさを何かで埋めようとすることよりも彼のことが心配だった
会話もないこの空気が気まずかったんだろう、彼は急に話し出した
「せっかく会ったんだし、飲みにでも行くか?俺めっちゃいい飲み屋知ってんだよ〜」
「いいっすね!行きましょう!」
コメント
1件
深夜の公園の湿った空気、虎さんの終活のにおい…すごく静かで、心にじんわりくるお話でした。大地くんが「自分の寂しさより彼が心配」って思うところ、わかるな。闇と優しさが混ざったこの空気、ペンたさんにしか書けないと思います。続き、そっと読みたいです🤍🥀