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屋根のある公園へと移動し、2人横並びにベンチに腰をかける。
「まず、、圭くんとは1年くらい前からお付き合いしてたんです」
『あ、そうなんすか?』
「初耳ですか?」
『はい』
『彼女さんがいることは知ってたんすけど、詳しいことは、、』
「松野くんが知らないってことは他の人も知らないのでしょうか」
『分かんないすけど、、多分』
「ですよね。だから一回も友達に会わせてもらえなかったのかな」
「私、東京卍會っていうグループの隊長をしていることは知ってたんです。彼はよく話してたんで」
「松野くんのこともよく聞いてましたよ」
『え、本当ですか!?』
私の言葉に食い気味に返事をする彼。
『あ、すんません。ちなみに場地さんは俺のことなんて言ってました?』
「何だったかなぁ、、最初の方は漢字教えてくれるいい奴がいるとか、付き纏ってくるうざい奴とか、そんな感じですかね」
『そっすか、、』
「あとは東京卍會の話とか飼い猫の話とかしてくれましたよ」
『ペケJですか』
「そうです、ペケJ」
「彼、話はしてくれるのにいつまで経っても会わせてくれなくて。私は一言でいいから挨拶したかったんですけどね。」
「でも、いつか会わせてくれるって約束してくれたんですよ?」
松野くんはそうなんですねと相槌をしながら聞いてくれた。
「でも、彼約束守ってくれる前に_」
私はそこで口籠ってしまった。
彼、ハロウィンの日にあぁなってしまったでしょ。
そう言いたかったけど、声が出ない。
震える手を押さえて話し続けようとすると
『俺、あの時』
静かに話を聞いてくれていた松野くんが突然話し始めた。
『あの時、場地さんが何かしようとしてること知ってたんです。それでも止められなかった俺の責任です』
話し声が段々と震えてきている。
松野くん、泣くの我慢してるんだ。
「そんなことないですよ、、。松野くんの責任なんてことないから、自分を責めないでください」
私は彼の方を向いてぎこちない笑顔を作った。
きっとそれはバレているんだろうけど、
『ありがとうございます』
彼は消えそうな声でそう言った。
「圭くんが約束を守ってくれなかったから、代わりに私が会いに行くことにしたんです」
「圭くんが大切にしていた人たちに」