テラーノベル
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無理やり引き出された二人の内、一人の少年は大柄な体に逞しい肉体を持っていた。
この時代のニンゲンの中でも大柄な方のレイブより更に大きな体躯は一層頼もしそうにも見える。
うーん、令和の時代の皆さん的な単位で言えばレイブが193センチで少年が203センチだといえば判るだろうか?
あ、そうか!
言い直そう、レイブがエンジェルスのあの二刀流で、少年がレイカーズの彼、そう言った方が判り易いかも知れないな、単位として。
もう一人の少女は二人に比べて随分小柄で可愛らしい。
オドオドとした態度からも気の弱さが窺い知れる位だ。
こげ茶色のふわっとした髪を後ろで一つに纏めた彼女は大体153センチ位だな。
ああ、そうか判り難いよね、昭和生まれの人にはキョンキョン位、平成の人だったらフォカッチャを押してるあの女優さんとかハロプロの高い橋さんとかかな? 令和だったらぁ…… ああ、あのアザト系の大人なフリーアナウンサーさんとかだろうか? お分かり頂けるだろうか?
兎に角、大男と小さな娘は馬鹿力のラマスに引っ張られて足元も覚束なくなりながらも、何とか踏ん張ってレイブに挨拶をした、二人揃ってだ、立派である。
「うっす、俺はライアですっ! 出身はここより東南の場所、ダキアの里です! し、師匠っ、よろしくお願いしますっ! ほら、次はお前だろ、がんばれシンディ!」
「う、うん、私はシンディと言います、一所懸命に頑張るのでどうか見捨てないで下さい、レイブ師匠…… あ、生まれたのは山間の小さな集落で、私の父の名をとってタギルセと呼ばれていました…… お手柔らかにお願いします、ね……」
ライアは体格と同様に豪胆な性格なようで初めて会うレイブに対して仁王立ち、首だけを下に傾けて挨拶としていた。
対してシンディと名乗った少女は、大柄なライアの陰に隠れるように少しだけ顔を覗かせて何とか名乗りを終えた、そんな有様である。
まあ、二人ともつい先ほどまでは巨大なキャス・パリーグの背から出て来れなかった事を思えば中々以上に頑張った、そう言って良いのではないかな?
二人揃って小刻みに震え続けているのは、ご愛嬌、そんな所だろう。
そんな少年と少女の姿を微笑ましく思いながらも、表情には一切出さないままでレイブは声を掛ける。
「そうか、ライアとシンディか、歓迎するよ …………えっと、そんなに緊張しなくていいってぇ! 師匠なんて堅苦しく呼ばなくたって良いし、そうだっ! 俺の事はレイブ兄ちゃんとかレイブパイセンとか気楽に呼んでくれて良いからさっ! そんな感じで気楽に行こうぜっ! な? 大体上下関係とか堅苦しくて――――」
「駄目ですっ! 師弟(してい)の間柄は長幼の順と同じく決して軽んじてはいけないものなのですわっ! この方々は弟子、徒弟(とてい)となるべく叔父様の元に訪れたのですから、そ、こ、は、確(しっか)りと線引きをしなければいけないと思うのです! 学ぶべきを学び、未熟が成り成熟と至るまで艱難辛苦(かんなんしんく)を強いられるのは受け手より寧(むし)ろ与え手、師たる者の方であると聞き及んでいます! ですから軽々しくお兄ちゃんだとか、友達ですとか、ましてや恋愛対象にもなり得るだとかは言ってはいけないのではないでしょうか? 弟子は弟子ですっ、つまり子供と一緒なのですよ! 一線は大事、大事ですっ! 無論、私は違いますけどね、親であるシパイ師匠のそのまた師匠、言って見ればお婆ちゃんの弟弟子であるバストロ様の弟子である叔父様とは身内ですし、しかも結婚できる四親等離れた存在ですし、更に血縁関係は一切無し! その上、結婚の一歩手前、婚約のその又一歩前、キープしつつされつつの関係なんですからねぇっ! むふぅっ!」
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