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亮が寝転がってスマホをいじり始めると、悠真は黙ったままソファに深く腰を下ろした。
(……俺がどんな目で咲ちゃんを見てるか、亮にバレてたってことか)
胸の奥がざわつく。
子どものころから「妹ちゃん」としか呼んでこなかった。守る対象であって、踏み込むことなんて考えちゃいけないと思っていた。
けれど、今の咲は――もう「妹」ではなかった。
笑ったときの表情も、必死に勉強している背中も、イルミネーションに照らされた横顔も。
全部が、ひとりの女の子として心を揺さぶってくる。
(クリスマスに出かける……それだけでいいのか?)
悠真は額を押さえ、息を吐いた。
「……俺、どうすりゃいいんだ」