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登場人物一ノ瀬 会長(攻め)…学校では完璧な生徒会長、私生活では甘えん坊な大型ワンコ系
かなた(受け)…冷静系ツンデレ後輩。素直じゃないけど会長に弱い
女子モブ()(冒頭告白)
プロローグ
(「一ノ瀬会長!好きです!付き合ってくださいっ!」)
放課後、校舎裏に響く女の子の告白の声。
「……えっと、告白してくれるのは嬉しいけど、ごめん。
俺、好きな人がいるから」
(「だっ誰ですか!?その人より私の方が絶対――」)
ブーブーブーッ…♪ スマホのバイブ音が割り込んだ。
「あ、ごめん。ちょっと」
(「えっ?」)
「……もしもし、かなた?」
『会長。どこにいるの?迎え来ないから俺、先に帰るよ』
「え?!ちょ、ちょっと待って!今から行くから!!」
『うん。早くね』
ブチッ、通話が切れる音。
(「い、一ノ瀬会長……?」)
「返事は無理!急がないと!」
タッタッタッ……!
シーン1:かなたとの日常
ガラッ!
「か、かなた!!(はぁ、はぁ…)」
『遅い。会長』
「ご、ごめん!今日も泊まっていいからっ!」
『いや、今日はいい。たまには自分の家でゆっくりしたい』
「え!?なんで?!明日休みだよ?!」
『だからだよ。毎回泊まってたら迷惑だし』
「全然迷惑じゃないけど……じゃあ俺がかなたの家行く!泊まる!」
『……はぁ!?絶対に嫌!なんでそうなるの!?』
「じゃあ、かなたが俺の家来て。来なきゃ俺が行く!」
『わ、分かったよ。行くから、無理矢理来ないで』
「やった!暗くなってきたし、早く帰ろう!」
『あ、でも着替えは?』
「ん?俺の服着れば?かなた、俺よりちっちゃいし」
『なっ……。まぁ、借りるけど』
「決まり!帰ろ!」
シーン2:お風呂
「かなた〜」
『ん?』
「お風呂できた。一緒に入ろう?」
『OFFになると甘えたになるね、会長。いいよ』
――浴室――
「ねぇ、かなた」
『ん?』
「……いや、やっぱ後でいいや」
『何それ、気になる』
「……てか、かなた。胸、大きくなった?」
『はあああっ!?なってねぇよ!!もう出るっ!!』
バン!
「え、待って俺も――」
『俺がいいって言うまで出てくんな!!』
「のぼせちゃうよ〜」
シーン3:告白
――部屋に戻って――
「あの、かなた」
『……また髪濡れたままじゃん。先に乾かして。風邪引かれたら困る』
「……う、うん」
ゴォォォ……(ドライヤー音)
「かなた、終わった」
『うん。それで?話って?』
「俺ね、小さい頃から好きな人がいたんだ。今も、すごく好き」
『……うん』
「小さい頃、その子はいつも俺にくっついてて、俺が離れようとすると泣いて。
今は逆になってるけど、俺が離れようとすると寂しそうに見てくるのが、すごく可愛い」
『……』
「人と話すのが好きなのに、人前だとおどおどしてるとこも。
ご飯のときに、口いっぱいにしてリスみたいになるのも。
でも、一番好きなのは……俺といるときだけ見せてくれる笑顔」
『……』
「今も、俺の話聞いて顔赤くしてるのが、すごく可愛い。
……ねぇ、かなた。気づいたでしょ?
俺、かなたのことが好き。他の誰より、ずっと。付き合ってほしい」
『……うん。よろしくお願いします』
「え?!いいの?!」
『好きでもない相手と、この歳になって風呂一緒に入るわけないだろ。
……俺も、好きだよ』
「本当に?!俺の“好き”って、かなたとあんなことやこんなことしたい方の好きだよ!?」
『……そんなの、とっくに知ってる』
END