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「同窓会をやるのはいいけど、もう少し計画性を持てないのかい君たちは!」
不満を漏らしながら、音を立ててコップを置く彼に、
「突然思いつくから楽しいんでしょ!」
笑いを交えながら彼女が言った。
「文句あるならこなきゃいいだろクソ白人が」
ケッと言わんばかりの顔で吐き捨てる彼に、
「黙れクソ移民」
と言い返す先ほどの彼。
「お前らは卒業して10年以上も経ったのに、いまだに幼稚だな」
やれやれとため息を吐く彼。
「にしても10年で大分変わったよね~!」
ジョッキを片手に豪快に笑う彼女。
「カスミは死んだし、ユーキは普通の会社に転職だろ?でリンがモデル」
指を折り数える彼。
「ジュンジュンが陸上選手とかマジで想像してなかったし」
眉尻を下げて笑う彼女。
「皆忙しくなったおかげで、いきなり同窓会は20人しか集まんないし」
あはは、と笑って流す彼女。
「多い方だよ、な、ヤギちゃん」
肩に手を掛けられ、俺も頷く。
「また集まれたから、俺はそれで嬉しいかな」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ヤギちゃんは全然変わらないよね」
帰り道、彼女に言われて、俺は首を傾げる。
「そうかな?」
「私と結婚してからも、全然」
にぃっと笑う彼女に、
「きっと君が、そばにいてくれるからだよ」
冗談交じりで返した。
「…やっぱ、変わってた」
「え?」
途中で立ち止まった彼女を振り返れば、
彼女は暗闇の中で、頬を赤らめていた。
「そういうこと、普通に言うようになった」
変わらぬ可愛い彼女に、思わず笑みが漏れる。
「きっと、皆のおかげだよ」
そう。
本当に。
俺が俺として形成されて、
彼女と、皆と出会ったのは。
「俺が異端児だったおかげだよ」
はじめまして、雪菓と申します。
先にお伝えしますが、私は”普通”側の人間ですので、
障害等に関する理解は全くございません。
不快に思われる方もいらっしゃいますでしょうが、
暖かい目で見て頂ければと思います。