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首領が亡くなって二日後の其の日は、鳥も鳴かぬ様な静寂を纏っていた
コンコンッ
敦「中也さん、居ますでしょうか」
その日、僕はとある部屋へ訪問していた
「今は話し掛けるな」
部屋の中から微かにそう聴こえる
敦「…了解しました」
あの日から二日たった今、
脳裏に焼き付いたあの光景がスクリーンの様に映し出される
首領とあの名探偵が落ち、消えゆく姿が
中也さんと首領…太宰さんは所謂犬猿の仲だった
其れだけあって太宰さんが居なくなった事が寂しいのだろう
「敦…」
敦「あ、鏡花ちゃん…!」
鏡花「どうだった…?」
敦「中也さんも少し気に病んでたよ」
鏡花「そう…」
鏡花ちゃんは少しシュンとした様な顔をした
敦「気分転換に…街、出掛けよっか」
鏡花「!…うん、」
そうして僕は鏡花ちゃんと二人で街へと向かった
中也side
シーンと奇妙な程に静まり返る部屋
気持ちの整理が付かないような感覚
太宰の自殺についてしか頭に入らない自分
「気持ち悪ィ」
此の瞬間を待ち詫びていた筈だ
かつて相棒だった太宰、首領としての役割を果たす太宰
全てが憎らしいと、思っていた筈だったのに
今は只…心の奥底から虚しい…ッ
教えて呉れ…俺は手前ェに何がしたかったんだ
最後まで俺を惑わす最低最悪の手前ェへ
「いつもみたいに会いに来てくれよ…ッ」
『“クソ太宰”』
『私の事、呼んだかい?』
中也「ッ!?」
中也『…は?』
太宰「いやぁ、此方は良い自殺日和だね」
太宰『中原中也君?』
中也「あ…ぁ、」
太宰「どうしたんだい?」
太宰「そんな幽霊でも見たかの様な顔して?」
其奴はいつも通り嘲る様な笑みを此方に向けていた
いつもは罵り一つくらい食らわしてやる所だったが
その時は何故か懐かしい様で、虚しい様な心の胸騒ぎがした
込み上げた何かが喉で詰まって言葉が上手く出なかった
太宰「え、もしかして本当に幽霊だと思ってる?」
中也「当ッたり前だろ!?」
中也「手前ェはもうッ…!」
死んだ筈だ___
俺は其の言葉を口にする事が出来なかった
理由は一つ
俺の目から水滴が溢れ出たからだった
太宰『ふふッ中也は寂しん坊だね』
中也「うっせ…黙れ」グスッ
太宰「其れより大事な事、伝えなくて良いの?」
中也「ッ…もう会えないかと思ってた、」
『此れからはずぅっといっしょだからな…ッ』
太宰『勿論、ずっと一緒だよ…』
『中原首領』
聞き慣れた声が扉の前から聞こえた
「ボス就任御目出度いのう、中也」
中也「姐さん…」
尾崎紅葉、皆から「姐さん」の名で親しまれる
第五幹部の一人である
尾崎「太宰の事は災難だった」
尾崎「自殺癖がある事は判っていた筈じゃがのう」
中也「何言ってるンですか」
中也「俺は清々してますよ」
尾崎「中也はまた強がりを発揮しおって」
尾崎「内心まだ信じられていないだけじゃのうて?」
中也「有り得ませんよ、太宰のことで悩むなンて」
尾崎「そうかえ、ただ…無理はしないように」
そう言うと扉の向こうから去っていく音がした
姐さんまで俺の所に来て…
『皆に心配掛けてるみてェだな』
俺はポツリとそう独り言を呟いた
中也はその日から太宰の幻を見る様になった
続_
後書き
えっと、、お久し振りのストーリー投稿です
…誠に申し訳ない
出そうとは思ってたけど出来るのが遅くて…
其れと、この作品の事でなんですが、
中也の片思い物語(死ネタ)か
敦が第五幹部昇進した後の武装探偵社の物語か
どっちが良いですかっ、!
💬で募集します(急で申し訳ない)
沢山意見来ると…嬉しいです、
個人的には…まあ、予定通り?
敦が第五幹部になって…の物語が良いと思う、
そっちの方が内容濃いと思うし
だが中也の闇落ちが書きたいのもまた事実
…まあ、とりま💬次第、?ってことで解決!
其れでは此処等辺で終わりにしたいと思います!
ではまた次回で御会いしましょう
ばいちゃわん!