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No Key to my house【俺の家には鍵がない】
第7話 - Happiness and the Reality Left Behind【幸せと置いてきた現実】
44
1,017文字
2026年08月29日
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7話目
言われるがまま、出掛ける用意をして、玄関で待ってた。
浮奇さんがコートを纏って来てくれた。
「お待たせ」
もちろん、部屋着でも素敵だった。
けど、お出かけ着はもっと素敵だった。
いつもと少し違う街を歩いて、いつもと少し違う買い物をする。
「ルカはこれ、似合いそうだね」
浮奇さんは楽しそうに何着も、俺に試着させた。
「うん、これとこれがいいね」
満足気に俺を見つめた。少し上目遣いで、尋ねてくる。
「ルカはどれが好き…?」
浮奇さんが選んでくれる服はどれも素敵で、センスが良かった。
「どれも素敵です… !」
浮奇さんの頬がふっと緩んで、暖かい表情が見えた。
「ルカの目、キラキラしてる」
この2日間で一番の笑顔が見れた。俺が笑うだけでこんなに喜んでもらえるなんて、思ってもみなかった。
浮奇さんは自分の事を大切にする。それと同じように、俺にもヴォックスさんにも、ファルガーさんには特別、大切にする。
俺も俺自身をもっと、丁寧に扱ってみようと思った。
「ただいまー」
夕日がリビングに差し込む頃、俺と浮奇さんは家に帰った。
「おかえり、変わりないかい?」
今日もファルガーさんに迎えられて、この家に入った。前を歩く2人は幸せそうで、隣の部屋からはタイピング音が聞こえてきて、手には浮奇さんからの服がある。昨日の今頃じゃ考えられないほど、満たされていた。
「ルカ、またご飯になったら呼ぶからね、それまで自由にしててね」
振り向いて、微笑む浮奇さんの表情は、以前より明るくなった気がした。
「はい」
そのまま部屋へ戻り、嫌な予感を思い出した。スマホを開くと、たくさんの通知。一番上には母からの連絡が。
『今どこにいるの?』
『誰といるの?』
『大学は行ったの?』
『なんでお母さんを無視するの?』
『ねぇ』
『ねぇ』
『ねぇ』
一見、息子を心配する母のメッセージ。だが、その裏には俺を支配する、という目的があることを知っていた。もう何年間自由な外出を制限されていたのだろう。2人だけじゃ広すぎた家に、毎日違う男の人。俺だってもう子供じゃない。母だって、もう子供じゃない。
もう電源を切ろうとした時、一件の連絡を見つけた。
『ルカ昨日から見てないけど、大丈夫?』
それは、シュウからだった。大学の友達で、ゲーム友達。シュウの隣は、いつだって落ち着いて居られて、唯一の居場所だと感じていた。
『うん、大丈夫。もう大学も辞めようかと思ってるよ』
それだけ送って、PCにシュウの連絡先を追加した。
コメント
1件
うわぁ〜〜〜〜第7話、めっちゃ良かったよ😭💕💕 浮奇さんとルカの買い物デート、尊すぎて倒れるかと思った…!「ルカの目、キラキラしてる」って言う浮奇さん、めっちゃ優しいし、ルカが「自分も大切にしよう」って思えたの、成長してて泣ける🥺 でも最後の母からの連杀の嵐…あの支配感、ゾッとするね。そんな中でシュウからの「大丈夫?」が救いすぎる…!2人の関係、これからどうなるのか気になりすぎるよ〜!次話も楽しみにしてるね🌸✨