テラーノベル
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Jinto side
言葉を発した時
今まで目の前にあった靄のようなものが、一瞬で消え去ったのを感じた
全てを削ぎ落とし、自分の気持ちと向き合った
ただ 浮かんだその一言がとても澄んだもので
視界も、頭の中までも丸ごと洗ったような
大袈裟に言えば生まれ変わったような
自分にとってはある意味の衝撃だった
勇斗が泣いている
でも、喜んでいることはわかる
びしょびしょに濡れた目で、それは愛おしそうに笑ったから
俺は、こんなにも愛されていたのか
唇に濡れた感触がある
涙の味も
息がしにくいのも
伝わる熱さも
全て愛おしい
勇斗の気持ちが全部流れてくるようで胸が苦しい
収まりきらず溢れそうなのに、溢れることはなくひたひたと深く深く貯まっていく感覚
少し心臓がきゅっとするけれど、嫌な感じは一切なく、ただ甘く切ないじわっとした重痛さ
ああ、これが幸せか
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