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妃章sid






「 さーて。この調子で行くよー。 」



ドリンクを飲みながら渋谷さんが言う。



「 落ち着いていけば勝利は必ず見えてくる。大丈夫だ!! 」



いつもみたいににって笑って相馬さんが言う。



すると手をぎゅっと握っている朔を見つける。



「 …朔、次ガッキーと変わるんでしょ?緊張してるの? 」



「 い、いや…緊張はしてない。大丈夫。 」



「 …ならいいけど。 」



そしてふと目線を変えるとまたこっちでもうなだれてる人が居た。



「 …稜、どうしたの。 」



「 …あの…俺…みんなに迷惑かけてないかなって… 」



あーあ。こういうゾーンに入っちゃったらめんどくさいやつだ。



誰かに押し付けたいけどそれはそれで稜が可哀想だし…



「 …バレーボールは、六人でボールを落とさず相手コートに返球する競技。六人でするものだよ。

だから、迷惑かけたって他の五人が支えてくれる。そういうスポーツなんだから。 」



いつの時か、相馬さんがこんなこと言ってたっけ。



相馬さんはかっこいい。稜が憧れるのも分かる。



でも稜がどんなけ相馬さんに似て来たとしても、稜には決定的に足らないものがある。









精神力だ







そんなの、簡単につくわけじゃない。







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