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2週目

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「い”っだァァァ!!!!」

叫び声に無意識のうちに瞑っていた目を開くと、また1日目の部屋に入ったばっかりの戻っていた。

「いやーマジで痛かった」

「あんなバッサリと殺られたのは何年ぶりだろうね」

叫ぶソウを見て、アスカとナギがかなり余裕のある様子で会話している。

(あの2人ヤバ…)

たとえ何百年生きてたとしても普通は殺されてあんな反応できるヒトにはなれないだろう。なりたいとは思わないが。

痛かったと3人が言っているなか、レイナは痛みを感じなかったので、違和感を感じる。

「痛かった?」

「結構痛くなかった?」

「レイナは最後に殺られたのかも」

ナギの考えに納得してると、怪我をしていないことに気がついたのだろうか。ソウがホッとしたように胸を撫で下ろした。

「さっき殺られたのは、あの像に触ろうとしたからだろうね」

「まぁ、タイミング的にそうだよな」

ソウも落ち着いたところで、机を囲って座椅子に座り、先程の状況などを話始める。

「あの、殺したやつの顔を見たヒトいる?」

「…」

アスカの問いに、全員が首を横に振る。

「武器とかも分からなかったしな」

「血が一瞬見えたから、武器は確実に持ってるだろうし」

「痛みの感じ的に、刃物系だと思う」

『…』

武器が何なのか全く見当のつかないソウとレイナに対し、痛みの感じ方でだいたいどんな武器かを予想するナギに2人は思わずドン引く。

「えっ?どうしたの?」

ナギはなぜ自分が引かれているのか気づいていないようだ。

「刃物系かぁ〜…間合いがどんくらいなのか分からなかった?」

「そこまでは無理だった」

アスカもナギの言動に引くことも無く、さらに間合いはどれくらいかわかるかを質問した。

「なんであの2人こういう系にあんなに慣れてるの?」

レイナは小声で、正面に座っているソウに聞く。

「あの2人、人間とヒトの対立が一番ヤバイ時から生きてるし、ヒトがアナザーワールドに移動したばかりで結構混乱した時代を生き抜いてるからな。多分慣れてるんだろ」

「ソウが生まれたのも百年くらい前でしょ?その時は大丈夫だったの?」

「俺は人間界生まれだからそこら辺はわかんないけど、平和だったと思うぞ」

「へ〜…」

「2人とも、さっきから何話してるの?」

ナギと武器の種類についてであろう話が終わったアスカが、先程からコソコソと話している2人に言った。

『いや、なんでもない』

「そっか。で、2人のスマホって電話出来る?」

「スマホ?なんで?」

レイナが聞くと、ナギが先程までアスカと二人で話し合っていたことの内容を説明する。

「今俺たちは同じ時間をループしてるっぽいんだけど、これがヒトの仕業だった場合2つのパターンがあるんだよ」

「あぁ、そういう事」

「2つのパターン?」

ソウも過去に1度ループを経験したことがあるようで、ナギの言いたいことがすぐにわかったようだ。

「ソウはもうわかってるっぽいね。それで、パターン1は、能力で俺たちだけの時間が戻されている説、パターン2がこの空間自体が現実から切り離されている一種の異世界説」

ここまで話されて、ようやく何故電話ができるか聞かれたのがわかった。

「つまり、電話が繋がったらパターン1で、電話が繋がったらパターン2ってことだね」

「そういう事」

「それで、2人は電話できる?」

「わかんない。逆にナギ達の方は繋がったの?」

「今からやるところ」

「了解。こっちも知り合い全員に当たってみるな」

4人は、それぞれのスマホで知り合いに片っ端から電話をかける作業を始める。

(まずは、ハイロに電話するか)

プルルルルップルルルルッ『もしもし』

2コール目で、ハイロが電話に出た。

(良かった。繋がった)「もしもし。ハイロ?」

『そうだけど、どうしたの?レイナが電話してくるなんて珍しいじゃん』

「ちょっと事情があってさ、電話が繋がるかどうか試してたの」

『?了解。じゃ、切るよー』

「うん。じゃね」

そう言うと、電話が切れた。

スマホを閉じて電話が繋がったことを言おうとしたところで、耳が笛と太鼓の音を捉える。

「!!」

もう三回目なので、レイナは迷わず近くにある布団の入っている襖に逃げ込む。

周りも同じことを考えているようで、アスカはレイナと同じように襖へ、ナギは浴衣やタオルが入っているクローゼットのような場所へ、ソウは隠れられる所が見つからなかったのか、机の下に隠れた。

(ソウ、多分死んだな)

そのうち音がどんどんと近づいてきて、ついに部屋に入ってきた。

レイナはそっと今まで自分達をループさせて来た犯人を見るため、襖の扉をほんの少し開ける。すると、アスカも気になるのか、狭い襖の中を驚くほど素早く、静かに移動して襖の近くに移動し、2人で部屋に入ってきた物の正体を見る。

それは、一言で表すと鬼の姿をしていた。顔は赤く、般若のような表情をしており顔と長い角が2本生えている。恐らく昔は鮮やかな青色をしていたであろう、色褪せたボロボロの赤黒いシミのある着物を着ていて、 腰には着物と同じくらいボロボロの刀をさしていた。

そしてその鬼は、少しの間レイナ達を探しているような素振りをすると、畳の上を滑るように動いてソウが隠れている机の方へと向かい、机の下にいるソウを腰に差している刀で斬った。その瞬間、血飛沫が飛ぶ。

「ヒュッ」

目の前でヒトが殺されるのを初めてみたので、思わず悲鳴をあげそうになったところを、アスカに口を塞がれる。そっとアスカの方を見ると、目が血走っているように見えた。

その後、鬼はしばらくレイナ達を探したが見つけられなかったのか、煙のようにその場から消え、それと同時に、ソウの死体と血も同じように消えた。

「…」

それぞれ隠れていた場所の扉を開き、全員無言でその場に立つ。ナギも先程の様子を見ていたのか、顔が青ざめているように見える。

そのまま、かなり重い空気が流れた。




どうも。書いている途中に何回か迷走しかけた主です。

それでは、さよなら〜( ᐙ)/

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