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#魔法少女
摩理之介サン、そろそろ出てこないでくださいぃぃぃぃぃ、
最後らへんに飛ばしてくれたら…はい…。
ーー
摩理之介君が私の歩幅と合わせてエスコートをしてくれる。
…………何なの、このイケメン。
もうちょっと大きく一歩を踏み出してほしい。本当に紳士みたいだからさぁ…。
アニメぐらいでしかこんなのないと思ってたのに………!出会わないと思ってたのぃ……!
なぜ!今!隣に!イケメンが!いるの!!
顔がいい紳士はもうね、大体みんな惚れるのよ。いやまぁ、私が一番好きな顔はさもくんなんだけどさ。
でも、今現状摩理之介君あてにキャキャー女性たちが叫んでるのよ。本当にもう。歩いてるだけで黄色い声が上がるだなんて少女漫画かよ。
私がそう思っていると、突然摩理之介君がこちらを見てニコっと笑ってきた。
悔しい…!
普通にイケメンなんだけど!
私も顔面国宝で生まれてきたかったですよ!
顔のおかげで人生イージーモード何でしょ!?知ってるからね!?
……と、何か愚痴を心の中で叫んでいるのは置いといて。
「どうしたの、摩理之介君っ?」
私は首を傾げて摩理之介君を見上げる。
摩理之介君の方が身長が高いから上目遣いになってしまうのは申し訳ない…、。
「………ななっし〜さん、やっぱり可愛いですね。いや、いつもなんですけど」
摩理之介君は当然のように真顔で言ってくる。
そろそろ摩理之介君親御隊と言うか、オタクが出てきそうなんですけども。
やめてほしい。
摩理之介君がアイドルになってしまう。
「………そのキラキラオーラをなくしてください……。それと、本題は…!?」
私が必死に摩理之介君に伝える。
すると、摩理之介君がニコっと笑って、「あっそうそう」と言う。
そして、前を指さす。
「見てみて〜!目的地とうちゃーく!」
摩理之介君が笑う。
私もつられて、前を向くと、そこには…私のめっちゃ喜ぶものがありました。
「えっ?……わぁっ!えっ、ここ!?ねぇ、ここ!?ここってあの、〇〇が参考にした水族館じゃない!?マジか!?聖地じゃんっ!ええっ!?」
私は興奮気味に叫ぶ。
そして、摩理之介君に最大級の笑顔を向ける。
「やったぁっ、摩理之介君、ここに連れてきてくれてありがとねっ!」
すると、摩理之介君は少し動きを留めて、
「………っ…!そう、ですね。どういたしまして」
と、優しくほほ笑んでくれた。
ーーーーーーーーー
〜摩理之介Side〜
「見て、見て見て見て!!!」
ななっし〜さんが無邪気に笑って、俺を連れ回す。
この笑顔を見せてくれるだけで、俺はここに来る意味があったな、と思う。
少しデートとは違うかもしれないけど…ななっし〜さんが喜んでくれてることには変わりない。
ななっし〜さんをずっと独り占めしたい、だなんて。叶わない思いを一人感じる。
ななっし〜さんは何があってもさぁーもんの彼女で。俺を取ってはくれないだろう。
だけど、もし、俺を取ってくれたら――。
そんな身勝手な考えがずっと俺の脳内によぎる。
世界一幸せにすると誓う、嫌な思いをさせないと誓う、……けど、それも自分勝手の考えだ。
……俺は、ななっし〜さんが笑ってくれるだけで幸せだ。
それ以外を願わないようにしないといけない。
でも、この恋を忘れることはできない。どうすればいいのだろうか。と言うより、ななっし〜さんと会うたびにどんどんもっと想いが大きくなっていく。
「ななっし〜さん………どうやったら貴方を諦めれるんですか」
俺は小さく声をこぼした。
けど、その声は周りの声でかき消されていく。
……………スー…ハァ……
俺は深く呼吸し、目をつぶり、また目を開ける。
今、考えることはそんなことじゃない。
諦めるとかそんなことじゃない。
逆に、どうやってななっし〜さんを幸せにできるか、自分と付き合ってくれるのか。
それだけだ。
今は、少なからずともデート中。
俺はさっきまでの考えをなかったことにするように、ななっし〜の顔を覗き込む。
「ななっし〜さん、思い出の品でも買わない?」
「……えっ?あっ、た、確かに。何か、お揃いでも買おっか!」
思い出を残しておきたいしね〜とななっし〜さんはるんるんで俺の手を引いてグッズコーナーに向かう。
………俺はななっし〜さんに連れ回されてばっかだな。
ーーーーーーーーー
〜視点戻ります〜
「うーん、この子とか摩理之介君好きそうなんじゃない!?」
わたっし〜は、摩理之介君にあげる用のプレゼントを見せる。
けど、摩理之介君は
「ええ〜?もうちょっとさ、何か選ぼうよ〜」
と穏やかな顔でいう。
セリフと顔が全くあっていない………!!!!
「じゃあ、何が良いの〜……!?」
私は、しなしなと倒れる。
だって!摩理之介君全く、選んでくれないんだもんっ!!!
え~ん!!!!!
これで10個目ぐらいじゃない!?
私のことを見ながら摩理之介君はふはっと笑う。
そして、口を開く。
「俺の好きそうなものじゃなくて良いんですよ、ななっし〜さんが好きなものだったら何でも嬉しいんで」
と。
言葉も普通にかっこいい。腹立つ。
「ええ……??そんなこと言われても、これは摩理之介君へのプレゼントだし…」
私は摩理之介君の方を見ながらそう言う。
…摩理之介君は私からもらったものだったら嬉しいって言ってくれるけど……私と摩理之介君は趣味合わないと思うなぁ…。
うーん……。
摩理之介君は私にそう言っても変わらないと思ったのか、小さくため息をついた。
そして、こちらに突然手を伸ばしてきた。
「?」
私が少し首を傾げようとした時、摩理之介君が私の髪を優しく触り、毛先にキスを落とした。
「………?……………………………………えっ、はぁっ!!??」
私は少し思考が遅れてしまった。
あまりにも当然だったから。
そして、周りで見ていた人たちも顔が赤くなっていた。
そ、そそそそりゃあそうだよね!?
突然イケメンがね!こんなイケメンな行動をするんだからさぁ!?
「摩理之介君!?どうしたの!?」
私が顔を赤くしながら言うと、摩理之介君はふにゃぁっと笑った。
「だって、思いが伝わってなさそうだったからさぁ。俺は、ななっし〜さんが好きなんだよ。だから、好きな人の好きなものが欲しかった、それだけ」
摩理之介君は当然のように言ってるけど…………なんなの、その理論!?
……………もう、びっくりしたぁ……!
いや…もう……ね…。はい。
「お遊びはほどほどにしてください!!!!」
私はそう言ってから、またまた選び始めるのだった。
ーーーーーーーーー
その後、イルカショーを見たり、ペンギンを見たり、色々なところを回って、帰ることになった。
「今日は楽しかったなぁ…」
「えっじゃあ、もう俺の彼女になってくれる?」
「それとこれは話が別でーす!」
私たちはそう笑い合いながら帰り道をあとにした。
そして、「また明後日ね〜」と別れを告げた。
ーー
家につき、お風呂に入ったあとすぐにベッドにダイブした。
……………………楽しかったけど、疲れたなぁ。
………そして明日はさもくんか………。
ワタシ、ココロ、モツデショーカ……。
まぁ、でも、さもくんだし。案外適当に楽しそう。
私はクッションを抱きしめながら寝落ちしたのだった。
ーーーーーーーーー
おまけ
嫉妬さぁーもん
摩理之介が今頃、ななっし〜とデートをしている。
ずるい!!すんごくずるい!!!
ななっし〜は俺の彼女なのにぃぃぃぃ!!!!!
ななっし〜…………。
わ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!
情緒不安定!
鬱になりそう!!
俺は傍から見るとなぜか不機嫌でご飯を食べまくってる人間に見えるだろう。
「わぁ……さもさん大丈夫そ?」
情緒をどうにかするために呼んだ凸さんは俺の様子に引いているようだった。
「凸さんもうたいさんが他の男とデートしてたらこうなるでしょーっ!」
俺は頬を膨らませながら言う。
「俺が来てよかったな……」
凸さんはそう告げると、俺の頭を一発ぶん殴ったのだった。
「いったっ!?えっ、なに!?」
俺はびっくりして凸さんの方を向く。
すると凸さんはびっくりするほど笑顔でこう、告げたのだった。
「俺が引くぐらいにさもさんが怖かったから、ぶん殴っただけ。それと俺がぶん殴るとなぜか一時間ぐらい相手のメンタルが保たれるんだよね〜」
凸さんはいかにも誰かで試したかのような口ぶりで言ってきた。
「………誰ぶん殴ったの?もしかして………うたいさん…?うっっっっっわ………DV彼氏……。ちょっと、ななっし〜には近づかないでね…?」
俺はそう言い、距離をとる。
すると凸さんは明らかに動揺しながら、
「うたちゃんを殴るわけ無いじゃん!?ぶん殴ったのは…うたちゃんの近くに群がる虫ぐらいだよ!?」
と、叫んだのだった。
……………………まぁ、それなら仕方がないか。
じゃなくて!
「本当に殴ったの!?」
俺は少し目を見開く。
「あーあ………………………殴ったと言うか、圧をかけたというか?正論でぶん殴ったが正しいかも」
凸さんは隠すことなくそう言う。
………殴っても良さそうなのに言葉だけで済ませるだなんて優しい。
「まぁそれは置いといてさ?ほら、メンタル戻ったじゃん?じゃあ、俺の役目はこれぐらいで〜」
凸さんはそう言ったあとに俺から背を向けて手を振り歩き出すのだった。
………なんか、ヒーローみたいに見える。草。
………1時間後、またさぁーもんのメンタルはおかしくなるのだった。
ちゃんちゃん。
コメント
3件
きっかり一時間しか効果ないんだ…
読ませていただきました……茉莉之介くんの「叶わないと分かっていても好きでい続ける」という静かな諦念と、それでもななっし〜さんを喜ばせたくて仕方ない行動のギャップに胸がぎゅっとなりました。毛先にキスを落とすシーン、あまりにも絵になるイケメン行為で思わず声が出ましたね。最後の凸さんがさもくんをぶん殴ってメンタル回復させる流れ、コミカルで好きです。デートの余韻と嫉妬の温度差が絶妙でした🌷