第2話です。
注意確認は1話で。
なんでも平気さんだけね。
行ってらっしゃいっ
次の日
いふ「今日までか、資料」
この前山本に頼まれた資料は今日までだ。
もう3/4は終わっているので、
あと今日篭れば平気だろう。
いふ「…いつ来るかわかんねぇし」
いふ「ささっとおわすか」
とは言っても、訳すってだいぶ大変。
PCなんて使ったことちょっとしか無かったし、
タイピングなんて全然出来ない。
だからほんとに大変だった。
スマホでやれたら楽なのに。
それか手書きだ。なにも打たなくたって…。
とか考えてたら、裏門についた。
いふ「…このままここ登ろっかな」
副生徒会室に繋がるはしごのようなものを最近見つけた。
もともと職員玄関の屋根まで登れば副会長室には簡単に行ける。
ただ登れなかったんだ。
けど、最近あるのを見かけた。
で、今日行ったらあったわけ。
いふ「んしょ…はぁ」
なんだ、簡単だった。
窓の鍵開けといたし、すぐ入れた。
いふ「あーめんどい」
そんな独り言を呟きながら、また台本を作り始めた。
コンコン
部屋のドアをノックする音が聞こえた。
いふ「…誰でしょう」
山本だったら困るから、一応敬語。
山本「私だ。」
…まじかよ。最悪、まだ終わってねぇし…
いふ「…どうぞ、お入りください」
ガチャ
山本「こんにちはいふくん。台本は終わったかね。」
いふ「申し訳ありませんがまだです」
山本「…そうか。昼休みに渡しに来てくれ。
まあ、帰りでも構わないが。」
山本「会議が明日なんでね。」
いふ「分かりましたニコッ」
愛想笑い。上手くできてるかな。
笑わないと怒られる時があるから。
山本「じゃあ、頼んだよ。」
何しにきやがったあいつ…
中断しやがって。
全く…もう早くおわさないと。
めんどくさい…
やっと終わった…なんとか帰りまでには終わった。
けど、明日の生徒会会議で結構資料使うって書記の悠祐先輩に聞いたから
資料作んねぇと。
あ、今日帰らないのか、ここでオールだ
よっしゃ、家に帰んなくて済むっ!
いふ「やった…」
思わず声に出してしまった。
まぁ、あとは…
鍵を会長から受け取って、窓から出て鍵入れに入れて…また戻ればいい。
そんなに苦じゃないな。
コンコン
あ、山本かな
いふ「はい」
山本「私だ。」
いふ「あぁ、、 できてますよ。どうぞ。」
ガチャ
山本「できたのか!良かった、」
もうこれで十分だろ?
さて、資料の続き…
山本「じゃ、次はこれを頼むよ。」
いふ「…ぇ、」
嘘だろ…?あれだけで大変だったのに。
山本「はい、これね。」
渡されたのは前の倍の量はある資料と台本。
嘘だろ、こんなの終わんないって…
山本「明日までに、 な」
…なんだか圧が凄かったな、山本
いふ「…いや待てよ」
資料を一通り確認していたら、
あることに気づいた。
いふ「…ぜってぇこれ台本じゃねぇな」
明らかに話し言葉。
あと会話文も普通に入ってる。
てか、ちゃっかり3年のも入ってるなこれ
あいつ…俺が英語できるのをいいことに
自分の仕事さえ俺に任せやがった、
…ま、トラブルなんて起こしたくないし
やるしかないけど…今日はオールだな、
明日まで持つかな…
18:30頃
ないこ「いふ〜?そろそろ俺帰るけど、」
いふ「鍵置いておいてください。僕やります」
ないこ「あぁ…わかった」
帰った…かな?
ドアの音したし、多分帰ったな。
静かにドアを開けて、鍵を取る。
昇降口まで行って鍵閉めて、
部屋に戻って窓から出る。
箱に戻して、また部屋に戻る。
いふ「…はぁ、やるか」
山積みの資料を少しずつ片付けていく。
今、何時ぐらいだろうか?
いふ「…21:00…か」
まだまだ大丈夫だな、と呟いて
また作業に戻る。
いつの間にか、夜が明けていた。
いふ「…朝か」
眠たい目を擦りながら、なんとか最後まで終わった。
いふ「……資料、」
終わったら次は資料作りだ。
やることが次から次へと出てくる。
いふ「…はぁ」
これで何度目の溜息だろう。
最近は笑わなくなったな。
笑っても疲れるだけだし。
人とも接しないし。
接したら怒られるからなんだけど。
先生は別らしい。
生徒だけ。ダメなんだって。
全く、うちの親はおかしいとつくづく思う。
俺が性障害持ってるだけでそんなになるかよ
まぁ、もう慣れたこと
いふ「…これ以上山本が仕事頼んでこなきゃいいな」
さすがに何度も頼まれては自分の体が持たない。
勉強だってしなきゃ行けないのに…
いふ「…あ、」
そういえば、今日は…
コンコン
いふ「はい、」
??「いふn…いふ先輩!俺です!」
聞きなれた声だ。
いふ「どうぞ。」
ガチャ
笑顔の彼が入ってくる。
初兎「いふ兄!はい、朝ごはんっ」
いふ「…ありがと、初兎」
俺が学校から帰ってこない時は、
母さんが作った初兎の部活用の軽食(という建前の俺の朝ごはん)を俺にくれる。
初兎「大丈夫?ちゃんと寝たん?」
いふ「あー…まぁな」
初兎「…絶対寝てへんやん…ちゃんと寝なあかんやんか!」
いふ「忙しいから」
初兎「…」
むぅ、と頬を膨らませる弟。
初兎「今日は、帰ってくる?」
いふ「…わからんな。帰らんかもしれんし」
初兎「ん、分かった…」
初兎「じゃあ、またねいふ兄!」
いふ「…おう」
彼が笑顔で出ていったあと、また資料作りに取り掛かった。
そこからが地獄だった。
毎日のように期限が次の日の資料英訳や、普通の資料作成まで頼まれて。
もう家に帰らないことが普通になってきていた。
何日も寝てなくて、時に寝落ちしてしまうこともあった。
それで朝また追い詰めて資料を作って。
山本の分が終わったら生徒会の資料まとめをして。
終わったら新しい仕事が来て。
また資料を作って…
そんな日々が2週間ほど続いた。
まともに寝れたのは土日ぐらいだった。
土曜朝早くに学校を出て家に音を立てずに入って部屋に戻る。
2日連続で寝て、朝起きたら父さんと母さんが出るまで待って。
両親が出たら初兎と途中まで一緒に行って、途中から裏道で学校に行く。
そしてまた仕事地獄。
俺、学生じゃなかったっけ。
勉強なんてココ最近まともにやってない。
いふ「……資料…」
紙の文字を見るのでさえ嫌になった。
いや、文字が嫌になった。
人と関わりたくなくなった。
話すのが面倒くさくなってきた。
なんかもう、全部どうでもええわ。
コメント
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最高すぎますっ(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝) これからも無理しない程度に頑張ってください~!