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故郷に帰省する先生の話。

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故郷に帰省する先生の話。

1 - 故郷に帰省する先生の話。

♥

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2024年11月21日

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あてんしょん

本作品はまじめにヤバい皆様の先生と、卵が好きな配信者様の名前をお借りした二次創作作品になります。

腐向けの意図はございませんのでご了承ください。















ワンクッション















俺、鬱はこのゴールデンウィークに実家へ帰ることになっていた。

実際仕事の合間を縫っての帰省には乗り気じゃないのが事実だ。せっかく羽を伸ばせる長期休暇に慣れない環境で過ごすことになるなんて溜まったもんじゃない。しかも実家がそこまで近場じゃないとくる。

「あーあ、家でゴロゴロゲームしてたかったぁ」

そんな言葉を小さくこぼし、新幹線の牛タン弁当を頬張る。

「これ美味いな」

小さな幸福に目を向けながら。

『やばいまじめ村』

なんて2度見しそうな駅で降りる。つくづく故郷の名前を見ると笑ってしまいそうだった。

無人駅から歩いてだいたい30分。ようやっと家が見えてきた頃に恨み言をこぼす。

「なんでこんな時間かかるんに乗り物の類はなんもないねん…」

自転車もない。バスもない。タクシーなんて以ての外だ。駅からは歩くしかない。普段都会の街を歩いて電車に乗っての生活の鬱にとって、駅から家までの坂やあぜ道を通る30分はまぁまぁきついものだった。

「あー、大ちゃん!おかえり!」

遠くからは手を振るおかん。それに手を振り返した。

「ただいまーおかん」

家の敷地内に入ると未だ自分たちが子供の頃の面影が残っている。懐かしい。

「大ちゃん久々やねぇ」

「ほんまやな、おかん元気そうでなにより」

大ちゃん、なんて可愛げのある名前で呼ばれる俺の本名は宇津木 大(うつぎ だい)。苗字の宇津木と気だるげな表情から友人からは鬱、鬱先生、大先生なんて呼ばれている。俺本人は専ら元気でうつ病なんかとは無縁なのだが。ガキの頃からそう呼ばれるのでもう慣れたし愛着すらある名前だ。

「大ちゃんが帰ってくるんやからしゃおちゃんも帰ってくればよかったんにねぇ。ちーのちゃんも待っとるんやから」

「シャオロンはゴールデンウィークに試合あるっちゅうんやからしゃーないわ。また今度どっかで帰ってくるんとちゃうかな」

「そうやね。今回も勝てるとええけどね。しゃおちゃんが帰れる時はあんたも帰って来るんやで?どうしても外せん用事なんてあんたにはほぼあらへんでね!」

「失礼な。これでも多忙なんやで」

おかんの後をついて行って引き戸を占める。がらがらがら、と木がレールと引っ掛かっては進む音すら懐かしい。

「大ちゃんが来るって知ってちーのちゃんも来てくれてんねん。居間におるからはよ行きな。」

「あーい」

木造の暖かい色味の廊下を歩いていく。とん、とん、とん、と木を踏みしめる音は実に耳に優しい。そして畳が敷かれた居間のちゃぶ台に肘を置いて待っていたのは他でもない彼と、そのペットだ。

「おかえりぃうつ〜」

赤が強いオレンジ色に染められた髪に見慣れるのはまだ先か。彼と自分は小学校から高校までずっと一緒の幼なじみである。まだ寒い時期、上も下も黒い薄手の服に身を包んでこちらに笑いかけるこの男が千歳 蘭斗(ちとせ らんと)こと、ちーのだ。その脇でパタパタ飛ぶ生命体の名前はたまご鳥。ある日ちーのが森で見つけてきた謎の鳥類だ。

「ただいまぁちーの」

「久しぶりやね」

「せやな、元気そうやん」

「まぁねぇ〜元気だけは相変わらずやわ〜」

へらっと笑うちーのと、その肩に鳥は乗った。鳥にしては丸々としているそれは俺に警戒しているようだ。

「あれ、たまごちゃん俺のこと忘れてもうたん?酷ない??」

「んふふ、まあ大先生結構見た目変わったし。見覚えないんとちゃう?」

「え〜、そんな変わってへんと思うけど。」

「ま、たまごちゃんは大先生より俺のが好きやからねぇー?」

ぴよ!と肯定するかのごとくたまご鳥は声高らかに鳴いた。なんやねん2人して。せっかく帰ってきたんに、拗ねて帰ってやろうか

「で、どうなん?都会は。ショッピ達は元気しとる?」

指先でたまご鳥と遊びながらチーノは問うた。ショッピ達、というのはショッピくんと…ゾムやトントンやエーミールやシャオロンの事なのだろうか。

「それならすこぶる元気やで。あげた店も繁盛しとる。」

「バーやっけ?」

「そうそう。」

「ええなぁ俺も行ってみたいわ」

「来るか?」

「うーん、そっちに行くのもありやけど…俺はこいつの世話もあるし…しばらくは遠慮しとこうかな」

ちーのはそう言いながらたまご鳥の頭を撫でる。すると嬉しそうに羽をパタパタと動かした。

「そっか。ま、あいつらもお前のことはたまに話題にあげてるし、しばらくしたら顔出せよ」

「うん、そうするわ。」

ちーのは目を細めると居間から見える外を眺めた。俺もつられて目線を送ると、そこには自然の景色が広がっている。山や田畑の緑、人が歩いてできた土の道の薄い茶色、子供の頃釣りをした小川に反射する眩しい光。

「ええとこやな、ここは」

「今更やな」

ちーのは笑う。喉から出る笑い声がよく耳に響いた。

「なあ、ちーのは最近ここら辺で何してんの?」

「俺?俺は最近は配信三昧かなぁ。配信して、配信して、配信して〜…」

「配信ばっかやないか」

ちーのは変わらず笑顔で言う。

「あと、こいつの世話やな。餌やりとか散歩とか!まぁ楽しくやっとるよ」

「そらぁ良かった。」

「うん。」

春っぽいぬるま湯の様な風が吹き込んでくる。もうすぐ、夏がやってくるのだろう。

「懐かしいなぁ。俺と大先生とシャオロンと…たまにショッピやゾムやトントンやエミさんと…走り回って鬼ごっこだとか人狼ゲームだとか沢山やって怪我作ってたよなぁ」

「そんなこともあったなぁ」

ちーのが懐かしそうに目を細めて言う。俺も昔を想起させる様な表情で返す。2人で遠い思い出に浸って、そしてなんやねんこの雰囲気!と笑い出す。

懐かしい。懐かしくて、居心地良い。

「大ちゃん!!荷物くらい自分で部屋まで運びんさい!ああやってとりあえず玄関に置いてたらいつか玄関通れへんくなるがな!」

「あー!!はいはい、今行くわ!」

廊下からおかんの怒声が響く。そしてちーのは吹き出すように笑った。

「ほんま、変わらんなぁ」

おかんに呼ばれて立ち上がる俺を見ている。

「お前も大概やけどな」

俺もちーのも、もう大人で、住んでいる場所もやっている事も、背丈や顔や信念や、多くのことが違くなってしまったけれど。それでもやっぱり、変わらないものも多いのだ。

木の床が、とん、とん、とん、と軽快な音を立てる。重い荷物を運んでいても、出かける前よりも気分は悪くなかった。


「ちーのちゃん、お茶どうぞ。」

「あぁ、ありがとうございます!」

大先生が居間を出ていった後、大先生おかんが俺と大先生の分のお茶を居間に届けてくれた。それを有難く頂き、1口飲ませてもらう。

「ふふ、お茶じゃなくてジュースの方が良かった?」「んはは。子供扱いしないでくださいよぉ」

鬱のオカンとスーパーやらなにやら外以外で会うのも久々だ。きっと鬱のオカンも大先生と俺がこの場にいるのを懐かしく思っているのだろう。

「そうなん?…ふふ、前はジュースがいい!って涙目になってたんに。また飲みたくなったら言ってな?いつでも用意するからね!」

「ありがとうございます」

鬱オカンには沢山世話になった。3人でヤンチャして泥まみれになった時も、鬱のオカンが3人分洗ってくれた。俺たちが半グレになってたときには犯罪に手を染めるのがダサいことだときつく教えてくれた。鬱やシャオロンが都会に行ったあとも、何となく顔を合わせれば世間話をする。いい人だ。

「でも、元気そうで良かった。ちーのちゃん最近ご近所でも見かけへんからお仕事忙しいみたいやし、昔からご飯もあんまり食べへんから心配やったんよ」

鬱オカンは眉を下げて言った。それはきっと心からの言葉なんだろう。息子の友人に対してここまで言ってくれる母親はなかなかいない。少なくとも俺の経験上は。

「心配いりませんよ。俺が不健康だとこいつが心配するんで、最近は健康的な生活をするように心がけてますから」

そう言って、ちーのの肩に乗ったたまご鳥の頭を撫でる。

「ふふふ、そうみたいやね」

鬱のオカンは笑った。この笑顔を、どう表現すれば良いのだろうか。優しくて、柔らかくて…慈愛に満ちた笑顔とでも言うんだろうか。人の親と話している時は緊張するが、ほっこりすることもある。今がそれだ。

「あ”〜〜〜〜〜おもかったぁッ」

そう、だらけた声を上げながら帰ってきた大先生に、2人して笑ってやると、大先生は不思議そうに顔を顰めた。懐かしいなぁ、この感じ。


「いやぁ、美味かった。」

「うちのオカンは飯の腕はクソいいからな」

風呂に入った。チーノは今日は泊まりらしい。飯も食べた。あとは眠るだけだ。

「なぁ、また帰って来るよな。」

「何しんみり言うてんの。まだ1週間くらいはこっちにおるがな」

「そっか。」

ちーのはそれ以上は何も言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。なんやかんや、気にしいなやつだから。

「今度、シャオロンも都合が着く時、帰ってくるよ。ショッピくんらも連れて来れたらええなぁ」

そう行った時のちーのの顔たるや。

「…ッうん!」

ああ、お前、こんな懐かしい顔ができたんだな。

「それじゃ大先生、俺もう寝るから」

「おう。おやすみ」

ちーのはそう言って足早に寝所へと向かった。

ゴールデンウィーク中、最初の日以来、大したことは無かった。美味い飯を食って、近所の人らと駄べって親と話して、寝て食って。ただ、それだけの平和な生活。

「じゃあ、また。」

「また帰ってくるんよ!?」

「何度も言わなくても、分かっとるよ」

心配性の母に別れを告げ、家のもんをくぐると、そこには友の姿がある。

「またな、大先生」

「またな、ちーの」

その寂しがりの頭に手を置いて、キャリーを引いた。

駅のホームで待っていると、たまご鳥が飛んできた。

「随分可愛らしい見送りやな」

その頭を撫でて、そして3時間に1本しか来ないような電車に乗る。

「飼い主さんのことよろしくな」

もちろんと言うように、力強く鳴いた鳥に笑って、電車に乗り込む。

「またな」

そう呟いて、俺は故郷を後にした。


目標もなしにポツポツ書いててついに書くことが無くなり、書き終えてしまった。文字数が少ないンゴ!!

私が読者ならきっと最後まで読まないね🙃「あ、つまらんわこれ」言うて。

小説書くこと自体が久々すぎて無理…

性癖がなにも絡んでないから書いてるのがいつもより楽しくなかったよぉ……

今度書くのは好き展開絡ませたやつにしよう…

投稿が遅くてごめんなさい。しかも散々待たせてこれがほんとうに申し訳ない😭

次はいい作品になるといいんだけどね…。

じゃあ、またね!おつぐれ!

この作品はいかがでしたか?

315

コメント

6

ユーザー

今までのこととかも、ちゃんとあって感動した!! 久しぶりでこれって、クオリティ高すぎないか?

ユーザー

すごく感動しました思い返すと色々ありましたね…😭

ユーザー

ちゃんと第一次/w/r/w/r/dからの彼らですっごいぐっときました!!! 最後までじっくり読ませて頂きました!!!とってもよかったです!!

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