ヤンデレ的な

盗みや盗撮だらけの翔太まみれの部屋。

むり、かっこよすぎて、写真越しなのに、心臓やばい。

あ、もちろん翔太には見せられないから隠し部屋だけど。

インターネットから取った翔太の声をイヤホンで聞く。

CDとかの特典かな？甘いセリフを言ってる。

耳元で囁かれてるみたいで、ぞくぞくしてくる。

「…………んふ、」

こんなことしてるって知ったら、翔太はどんな反応するのかな

…………でも、バレたくないって気持ちは強い。

こんなのしてるってバレたら、嫌われるかもしれないから。

だいすき

大好きだよ翔太。

好きすぎて、狂っちゃいそう。

…………ふっかには他人行儀みたいに「もう手遅れじゃん？笑」とか笑われたけど。

いいもん。翔太が認めてくれれば。

弟ムーブすれば、長男っていうステータスを持ってる翔太は時々甘やかしてくれる。まぁ俺も長男なんだけどさ。

この前なんか、ねむいって言ったら、「めずらし」とか言って上着かけてくれた。あとあと毛布取ってきてくれたけど。

……やさしいでしょ？惚れちゃうでしょ？

でも、だめだよ。俺の翔太だもん。

取ったら許さないから。

カスジュとまで言われたほど遊んでた翔太にまとわりつく女を、どれだけ俺が処理してたと思ってるの？

…………処理って言っても、俺が勝手に自己満でしてただけだけど。

近寄る女はなるべく遠ざけて、現彼女なら容赦なく取る。

全て翔太にバレないように。

だから、すぐ取っかえ引っ変えで色目使う女共は用じゃないの。

俺は何年間も翔太を想い続けて、こんなに努力したんだもん。今も、ずっと。

………だいぶ前の記憶、優しく頭を撫でてくれた手、あの日は一生忘れない。

…………あぁ、考えてたら興奮してきちゃった…♡♡♡

涼太だらけのフォルダをあさる。

あー、かわいい。

一旦フォルダを閉じて、カメラを覗く。

俺だらけの部屋。

知ってるよ、涼太。

お前ん家なら全部把握してるから。隠し部屋なんてすぐ見つけた。

あ、またイヤホンでなんか聞いてる。

『…しょうた……』

ぼそっと聞こえた。

あぁ…俺の声かなんか聞いてる。

携帯の中覗いてみようかな。

……いや、今はこっちに集中。

びくびくしてる。こいつ耳弱いのかな。

また俺の声聞いて興奮しちゃってんの。すげぇかわいい

いつからだったかな、俺が彼女作ったりする度に排除してきたの。

必死で可愛かったし、俺が彼女できたって言った瞬間に動き出すから、すぐ彼女に別れよって言われる。すげぇわかりやすかったよ涼太。案外嘘下手だよねお前。

俺は彼女作る以前にまとわりつく悪い虫を威圧してたし、彼女が出来ても涼太がするように排除してた。

涼太とやってること同じじゃん。違うって言うならこっちは本人にバレてないってことくらい。

……やっぱ俺ら運命じゃない？

俺のことだけで、喜んだり甘えたり悲しんだり泣いたり怒ったりする涼太がすごく可愛くて仕方がない。

…………絶望する顔とか、見てないな。

今度家に遊びに行く時、隠し部屋行ってみようかな。

どんな顔するかな。

あ、やべ…………興奮してきた。