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あれから、何日が経ったのかわからない。
悠真は「もうこの部屋には鍵なんていらない」と言って、合鍵を持ち去った。
気づけば、冷蔵庫には晴人の好きなものばかりが補充されていて、部屋の中の些細な配置までが“悠真仕様”に変えられていた。
晴人の部屋は、いつの間にか「自分の居場所」ではなくなっていた。
なのに。
逃げようとすると、足がすくむ。
(警察に行けば…でも…またあいつが来て、全部…)
悠真の声が、肌の感触が、首筋に落とされた唇の記憶が――焼きついて離れなかった。
そしてその夜、限界は破られた。
⸻
***
「今日は、ちゃんと触れるよ」
悠真は、晴人の肩を抱いてベッドに押し倒した。
優しい口調だった。だけど、その目は獣のようにぎらついていた。
「やめろ…っ、やだ、やめて…っ!」
シャツのボタンが引きちぎられ、肌が露わになる。
冷たい指先が、胸の上を這う。体温差でゾクゾクとした感覚が走り、思わず身体が跳ねた。
「ん、やっぱり敏感なんだ…こことか、」
悠真の指が、右の乳首をつまんだ。
「やっ……! そこ、やめっ…あっ、くぅ……っ」
びくりと身体が仰け反る。羞恥と屈辱で、顔が熱くなる。
感じたわけじゃない、ただびっくりしただけ。
そう自分に言い訳しながらも、下半身が熱を帯びていくのがわかった。
「やっぱり、反応してるじゃん」
悠真はにやりと笑って、ズボンに手をかけた。
「ちょ、待てっ、やめっ…やめろって…!!」
「だめ。もう我慢できない」
ベルトが外される音。ジッパーが下ろされ、下着越しに指が撫でる。
「……ここ、もう少しで勃つね。すごい、初めてなのに、ちゃんと感じてくれてるんだ」
「違うっ、ちがっ……ぅああっ……!」
パンツの上から擦られた瞬間、電流のような快感が腰を突き上げさせた。
身体が勝手に反応する。なのに、涙があふれる。
「やだ…っ こんなの…俺、変になっちゃう……っ!」
「そう、変になればいい。僕だけの快楽に染まればいい」
悠真は晴人の頬を撫で、涙を指先で舐めた。
「君のすべてが、僕だけに反応してほしい。他の誰にも渡したくない。君の身体も、声も、息も…全部僕のもの」
そのまま、下着をずり下げられ、晴人の股間が露出する。
勃起しかけた性器が空気にさらされ、羞恥で思わず脚を閉じようとするが――
「見せて。君がどう感じてるか、全部見たい」
両膝をぐっと押し開かれ、無防備な姿勢をとらされる。
ベッドの上、照明の下。視線が突き刺さる。
(見られてる…俺の、こんな……全部……)
「……ふぅ、可愛い。ね、手でしてあげようか?」
悠真は優しく囁きながら、指を伸ばして根元からゆっくりと扱き始めた。
「んっ、ぁ、だめっ、そんな…あっ…! やめ…やだ、っ……!」
「ああ、ほんと、君の声、たまんない……もっと聞かせて」
徐々に動きが激しくなる。先端に透明な液がにじみ、ぬめる感触が刺激を増す。
そのたびに腰が跳ね、理性が削れていく。
「嫌…なのに、やめてほしいのに…っ、なんで……感じちゃうんだよ……っ!」
「それでいい、晴人。いい子だね。もっと気持ちよくなっていいんだよ」
ふいに指が、性器から逸れて太腿の内側を撫で、そこからさらに下――
「やっ、そこは…っ、触んな…っ!!」
「……ここ、初めて触る?」
肛門に触れる指。そこに潤滑ジェルをたらし、優しくなぞる。
「やっ…あっ……ああっ……!!」
ずぶ、と指が第一関節まで沈む。
「締め付け、すごいね。可愛い……ここも、ちゃんと慣らしてあげるから」
「やめて…お願い…っ、壊れる…俺、壊れちゃうっ……!」
「うん、壊れていい。僕のもので壊れてくれるなら、全部受け止めてあげるから」
⸻
その夜、晴人は――泣きながら、何度も絶頂した。
悠真の手の中で、脚の間で、快楽と屈辱にまみれて。
自分が“犯された”ことよりも、その最中に快楽を感じてしまった自分が、何よりも許せなかった。
(こんな…のに……こんな男に……俺……)
ベッドの上、ぐったりと横たわる晴人の耳元で、悠真が囁いた。
「もう君は、逃げられないよ。だって、僕なしじゃイけない身体になっちゃったからね」