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🍶「学園長のけち!!あんぽんたん!!もう知らへんわ!!!!!」
バダァン
ドアが、外れた。ため息をつきつつ、晴明を呼んで速攻つけた。大体連帯責任でこっちまで怒られるからだ
🎭「まったく…」
🧣「給料の、前借り…?」
🎭「まだ給料日まで2週間あるってのに…」
☀️「😱」
🧣「おい晴明。財布出せ」
☀️「…ご、」
🎭🧣「ご?」
☀️「ご、ごひゃく、にじゅういち円しかない…」
この2人は毎回給料日1週間前には金を使い果たす。学園長ももうコイツらだけずらそうか考えたが、ずらしたところで、結局かりに来るのが目に見えている
🧣「ったく、なんで毎回そうなんだよ…俺でもそんなバカじゃねえよ」
☀️「飯綱くんは荊棘さんに管理してもらえるもんね」
🧣「いや…自分で管理してるけど」
🎭☀️「嘘だろ?!」
掛け算などもってのほか、ましてや足し算引き算も危ういような飯綱が自分で金銭管理をしていることに驚きを隠せない2人だった。確かに飯綱が給料日前に前借りにきたことはない。むしろそれが普通なのだが、三馬鹿としてセットで扱うことが多いため、忘れていた
☀️「え、どうやって管理してるの…?」
🧣「給料はいったら、…お札積み上げて数枚残して家にいれるだろ?そしたら6枚くらい残るから1週間に一枚だけ使うって決めてそれ以上使わないようにする」
🎭「枚数か…」
決して計算しているわけではなかった。しかし、それで管理ができるのだ。頭があっても自制心でこんなにも差がでるとは。しかも、この言い方だと2万円分は毎回残している。予想外の出費にも対応できる。生活能力に関しては優秀な飯綱に学園長は某烏を思い出した
☀️「僕は愚かだね…」
🧣「2週間前か…」
🎭「バイト毎日紹介しろと?」
🧣「いや…俺にキレられても…」
☀️「う〜ん…困ったなあ」
🧣「…あ、じゃあ実家くるか?」
☀️「え…?」
🧣「2人増えても変わんねえぐらいはいるし、なんならここより全然給料あるっぽいから大丈夫だろ」
🎭「悪かったな少なくて…!」
☀️「いや…悪いよ…」
🧣「そう思うんなら使い切んなよ」
飯綱の家は大家族である。人数もいるし金もかかかるだろうが、他の兄弟たちはだいぶ家に残って働いている。家に入って使われるかねも、貯金も全然多いだろう
🎭「しかし、本当にいいんですか?修繕費とか…」
🧣「大丈夫だと思いますよ。…晴明と凛太郎は」
☀️「飯綱くんは?」
🧣「俺?釘バットで半殺しにされるだけだろ」
☀️「え…?」
🧣「ガキんころからそういう感じだった」
稼ぎの割に家が華やかではないのは釘バットで半殺しにされるため、飛び散った血を掃除する手間を省くためだと母が教えてくれた。そんな家庭だったからこそ、学園長が教育的制裁として殴ることを非難もしなかった。むしろもっとやってくれと言わんばかりだった
🧣「あ〜じゃ話つけとくわ」
その場でスマホを出し、学園長を見つめる。一応勤務時間なので許可が欲しいのだろう。意味を理解した学園長はどうぞと手ぐさで示した。飯綱はそれを見ると電話をかけた
🧣「あ、もしもし。俺…。うん。あーいいよ。そっちは?…また買ったんだ…。うん。特に…問題はない…いや、まあまだ?…ほんと、頭あがんねえよ…まあ上げてるけど。はい…でさ、ちょっと…って俺そんな節操なしじゃねえって…。あ、うん。そのさ、同僚…あ、そう晴明と凛太郎。…弟なんて死んでも言いたくねえんだけど…はいはいそれなりに扱うって…うん。でさ、面倒みんの手伝ってくんない?…うん。コキ使っていいし、俺も様子見にいくから…あ〜学園長に頼む。…いや、タクシーみたいなもんだろ…。うんじゃあ、頼むわ」
数分に満たない、本当に自分たちの世話の話をして電話をきった飯綱
🎭「タクシーとはな…?」
🧣「いや〜…交通費も掛からねえしタクシー以上っす」
🎭「変わってねえんだよ!!!!!」
🧣「ぎゃあああああああああああああああ」
🧣「ほれ、いくぞ」
🍶「2週間生きとるやろか…」
🧣「まあ、大丈夫だろ。まあ、安否確認はするから」
☀️「釘バット聞いてから心が…」
🧣「ただいま〜」
「おー飯綱!帰ってくるとは聞いてたが…久しぶりだな!!」
🧣「そうだな…で?今釘バットは?」
「大丈夫だ。お袋も客の前で釘はねえ」
🧣「…手入れに、行ったのか…」
「ああ…金属バット買ってきたぞ」
🧣「いよいよ殺しに来てんな…」
🧣「あ、入ってきていいぞ」
☀️🍶「あ、うん…」
飯綱が家に入ると、わらわらあつまってきた兄弟達。全員学生時代の飯綱と近しい身だしなみで、飯綱が不良にカツアゲされる真面目みたいになっている。しかし、会話は物騒な物で、釘バットの次は金属バットらしい。飯綱達はバットで殴られることよりどのバットで殴られるのかという方が大事らしい。そんな空気に飛び込む勇気なんぞ全く持たない晴明。親友の痛覚までバカにした原因だろうということを思い出した凛太郎。凛太郎は、学生時代からも気にかけてくれている飯綱の一家にあーどいつもコイツも飯綱くんやと思っていたし、一時期飯綱の友人・信から雛鳥扱いをされていたことを思い出していた
🍶「おじゃまします…」
「おう!相変わらず美人だなあ!!!!!」
🍶「おおきに」
サラッというのは血筋だろうか
☀️「は、初めまして…僕安倍晴明です。えっと…飯綱くんには、お世話になってます…」
「なんだ、飯綱の親友の割にひょっろい善人だな」
「話は聞いてたが…お前本当に飯綱に何もされてねえよな?」
🧣「おい、どういう意味だ」
☀️「僕をどやす時とか怖いですけど…一緒に飲みに行ったり遊んだり…毎日楽しいです」
「おお〜。お前まだ学園長にふっかけてんのか」
🧣「そんなつもりねえんだけどな 」
「タチ悪いよな…」
「晴明くん、コイツこんなんだけどこれからもよろしくな」
「なんかセーラーが好きなんだろ?確か近くに制服屋あったが…」
🧣「そういうのにトゥンクするわけじゃねえらしい」
☀️「あっははは…。…え、飯綱くん、?」
🧣「ん?」
「あ〜飯綱な、マメだからな。毎月メールくれんだよ」
「それこそ、一年前はアイアンクローの回数報告だったしな」
「最近は楽しそうな非日常…あ、飯綱がセーラー着てた写真とかある?」
☀️「とっておきのものが!!!!」
🧣「おい…」
🍶「ちょ、それ僕も映っとらんよね?!」
☀️「それぞれチェキしてあるから大丈夫!!!」
「よっしゃ!後でくれねえか?」
☀️「もちろんです!!!」
「礼にもなんねーだろうけど、飯綱のアルバム見せてやらぁ」
自分を置いて進む話に、まあ見られて困るような写真もない…はずなので母親の手伝いへ向かった飯綱だった
🎭「どうしたんです?」
☀️「飯綱くんのお母さんじゃなくて…」
🍶「飯綱くんに殺される…」
その翌日、2人仲良く頭にたんこぶを作って机に突っ伏していた。あの後飯綱の兄たちが見せてくれたのは、幼稚園の頃などの写真が主だった。しかし、あまりに雰囲気も顔つきも違ったので、盛り上がりすぎた。そのノリで飯綱の部屋に行き、くつろいでいた。相変わらず綺麗な部屋だなと思ったが、ふと、写真立てに飾ってある後ろの写真に気づいた。飯綱が毎年撮っているであろう家族写真を部外者が触れていいものかと思案したため、飯綱の兄が開けてくれた。でてきたのは、荊棘との写真と、そして。そして、いつ撮られたのかは分からないが晴明と凛太郎、飯綱の3人の写真であった。一体、どんな顔でコレを入れたのだろうか。晴明も凛太郎も、家族の写真と同じように大切にしてくれていることに照れた。兄達も、若干名涙ぐみながらその写真を見ていた
🧣「なあ、何してんだよクソ野郎ども?」
声はいつも通りの明るい声だったが、表情は笑ってなどいなかった。目のハイライトさえも消し、晴明たちの息の根も止めんとするような目を携えている
🧣「ったく…てか、そもそもいれんなっつったんだけどなぁ…?」
「す、すまん…」
🧣「はっっっっ…地獄で懺悔してろクソ兄貴ども」
そうして飯綱は容赦なく兄弟達を締め上げ、晴明と凛太郎は命からがら学園への扉をくぐり、学園長に匿ってもらっていた。のだが。翌日、出勤してきた飯綱に詰められ、思いっきり拳骨を喰らった。そのせいでまともに身体が動いてくれないのだ
🍶「学園長…匿うてくれいうたのに…」
☀️「いた〜い〜」
🎭「知らねえよ。巻き込むな」
こうして、晴明と凛太郎は残り13日、学食に通って臭いだけで腹を満たそうと考えていた。しかし、飯綱は昼に2人を誘うと、机の上に、サンドウィッチを並べた。飯綱が作ったらしい。流石に荊棘ちゃんの手を煩わせるわけにはいかなかったそうだ。なんだかんだ気にかけてくれる兄貴分と今日も3人仲良くサンドウィッチの味を噛み締めた晴明と凛太郎だった