TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「由一、配信でもする??」

「いいよ〜、何すんの?」

「んー、ゲーム実況でもする?」

「おけ、パソコン準備してくる」

みんなが翔の入学式に行っている間に尚人と2人で配信をする事になった。

そう、俺たちはYouTuber。

基本はゲーム実況とか、雑談とかをしてる。

「久々だな、由一と2人の配信とか」

「そうだねー、俺大体亮くんとやってるから」

「メンバー全員の動画、また撮らなきゃなぁ〜」

「やっぱそれは翔の入学祝いとして全員の配信でもいいんじゃない?」

「メンバー全員の配信ってあんまりやった事ないけど?」

「まぁね..慶一郎さんと亮くんも忙しいし」

慶一郎さんと亮くんは、俺たちの為に働いてくれている。慶一郎さんが立てた会社だから、俺達もたまに手伝ったりする。…そんなに出来ないけどね。大学生で起業って、本当に凄い。

「おっしゃ、準備出来たぁッ!」

「よし、Xにも投稿しといたからもう付けていいよ、なおすけ。」

「おっし、はじめよかー」

それぞれの呼び方も配信用にして、開始ボタンを押す。

配信を見てくれているリスナーさんからコメントが来る。

尚人と一緒にエペをやっているうちに初めの頃を思い出す。

「もうすぐ1年記念かぁー…」

「早いな…」

「…しみじみw」

「あははw」






〜約1年前〜

「全員来たけど…?」

心配そうに俺の顔を覗き込む慶一郎さん。

孤児院でいつも一緒にいた5人を、慶一郎さんの家に集めてもらった。

「ありがとう慶一郎さん、」

「どうしたの?由一から集めるとかあんま無いじゃん」

「いや、ちょっと相談があってさ」

何から話せばいいのか分からなかった。

こんなに大きい話をする事も無かったから。

喉の奥がキュッと閉まる感じがした。

「あ…の….」

これ以上言えなくて。上手く話せる気がしなかった。そんな時、

「…そんなに焦らなくても大丈夫だから、な?」

亮くんがそう言ってくれた。ふっと緊張が解けて、話し始めることができたんだ。

「…俺ッ…YouTuberになりたいんだッ…」

予想外な俺の言葉に皆キョトンとする。

「そりゃまた…急だな」

「どうして?」

まずは否定されなかった事にほっとする。

「俺…やらなきゃいけない事があるんだ」

「それは言えないのか?」

「…うん…ごめん」

「…」

納得がいかない顔で黙る尚人。

そりゃそうだろう。理由も言わないのに突然YouTuberになりたいなんて言い出したら。

「そんな簡単に賛成は出来ない…かな」

「…うん」

「お前にはそんな金ないだろ?そこんとこ…」

「…俺が出す」

「え…?」

俺を諭そうとする慶一郎さんの言葉を遮ったのは、亮くんだった。

「…由一にはちゃんとした、機会を与えるべきだと思う。…費用なら、俺が出す。俺も働いてるから多少なら出せる…」

「え…?いや、俺が自分で働いて…」

「お前まだ高校生だろ」

「でも…」

流石にお金を出してもらうのは申し訳なさすぎる。なんでそこまでしてくれるのか…。

「まぁ…亮がそこまで言うなら反対はしない」

「ねね、俺らも一緒にやるのは駄目なのー!?」

「…え?」

翔がソファから身を乗り出して言う。

「え、ちょ、俺そんなすぐに始める気は無かったんだけど…」

「俺も…由一がやるなら、ちょっとやってみたいかも…」

「廉まで!?」

あまりそういう事をやりたがらない廉までそんな事を言い出す。

「じゃあ俺も俺も!もちろん亮もやるよな!?」

「…わかったわかった、俺もやるから」

「慶一郎さんは…?」

きゅる、と上目遣いで廉が慶一郎さんの事を見る。

「あ”ぁー、もう、良いよ、やるやる。」

翔と尚人が歓喜の声をあげる。

「…良かったな、由一」

ふっと笑ってくれた亮くん。

「…ありがとうッ」

この人のおかげで今の俺があると言っても過言では無いと思う。







この出来事から1年。

今、俺たち6人のグループは、登録者数70万人の有名グループになっている。

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚